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社長の薄気味悪さの正体は⓵

ドイツ6年目にして分かった。うちの代表(本名は林 勲、スタッフは僕含め普段下の名前でイサオさんと呼ぶので以下そう呼ぶ)の存在を知ったのはテレビ越しだった。本田圭佑選手が当時サッカーだけじゃなくてcmやテレビに出まくっていた2014年あたりだったと思う。当時まだミラン行く前。年間カットに3000千万円かけることで話題になった本田選手の専属スタイリストとして出ていた社長は同じ美容師として見てもいわゆるカリスマだった。代官山という美容師の聖地にお店を持ってて海外にも店舗を持つ成功者って感じ。

そのテレビに映る社長を愛知県の田舎で見ていた。ちょうどカットデビューして一年目の死にそうになっていた時だった思う。基本全て直感で生きてきた僕はもうその時、なんか分からんがこの社長に合わないといけないって感覚的に思った。それから一ヶ月も経たないうちに、火曜日水曜休みの二連休を狙って月曜営業後に名古屋駅発東京新宿駅着の深夜バスで社長に会いに行った。いつかこの社長と働きたいという思いしかなかった。元々こんな僕が繋がりも何もなかったのでお店にイサオさん指名でカットを予約した。僕の愛知県の美容室ではカット料金4000円に対して、イサオさんは12,000円ぐらいだったと思う。ばかたけーと思いながら心臓バクバクで代官山まで行った記憶が懐かしい。結果的に僕のラブコールを一度目はキャリア不足で断られて、一年半後の再ラブコールでドイツ店に採用してもらえることになった。

一週間だけ代官山で研修することになり、ある日空き時間イサオさんに誘われて代官山TSUTAYA書店近くのカフェで昼下がりお茶をすることになった。その時イサオさんからはどうして代官山にお店を出したのか、美容師として生活していくことの覚悟、結果を出して認められる業界だという話をされた。あの当時は分からなかったが、その時のイサオさんはなんだかものすごく人生で感じたことのない薄気味悪さを感じた。もちろんカリスマとしてのオーラがあるのは間違いないけどそれ以上の表現できないモヤモヤしたものがあった。怖さとも違うし優しさとも違うし。でもドイツにきて色々経験して最近あのモヤモヤっとした感じが分かった。

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