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ピンぼけ日記(200〜400字)

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《ピンぼけ日記》 ピントのぼやけた日記。気を抜くために書けたらいいと思って始めました。ネタ帳から400字くらいの日記までまとめてあります。
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成田山の二股大根:0141

成田山の二股大根:0141

 成田山にて、二股大根が供えられているのを見かけた。

 大本堂の左手、重要文化財の釈迦堂(1858年建立)の隣、小さな白い社。聖天堂だ。祀られてあるのは、大聖歓喜天。聞いたことない神様だ。

 お社の左右に、このように二股大根の絵馬が供えられている。

 お隣茨城住まいだから、道祖神に生の二股大根を供えられている風景はよく見かけるが、まさか石の絵馬になっているとは。

 祀られている歓喜天様は、

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ガンガゼの棘を抱いて:0139

ガンガゼの棘を抱いて:0139

 夜中とび起きて、眠れなくなった。

 時々眠ると身体中がむずむずする。シーツの擦れさえも忌々しくて、痛いのと痺れるのとがごちゃ混ぜになって頭に押し寄せてくる。感覚過敏と、名前は分かっていても、やはりつらい。

こういう時は、心の中で一緒に横になってる友人とくだらない話をするに限る。

『ガンガゼって毒があるよね。ウニとよく似てるけど、ウニはどうして毒がないの?』
と聞かれたから、仮説を話し合って

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電信柱は道祖神の夢を見る:0136

電信柱は道祖神の夢を見る:0136

 青々とした一面の田んぼ、といえば夏の風物詩だろう。
 ただ、田舎暮らしの僕にはだいぶ飽き飽きした光景だ。

 地平線が見えるほどの広い空。
 ざわざわ波立つ緑の草むら。
 都会から帰省して見るくらいなら、郷愁に浸ることもできるだろうが、ここは田んぼしかない。車で畦道を延々と走ってると、どれくらい走ったか分からなくなる。目に刺激が欲しい。

 そんな暮らしをしているうちに、転々と侘びしく立っている

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あじさい、がらん:0135

あじさい、がらん:0135

 顔と同じくらい大きな花を鋏で落として、両腕いっぱいに抱いて縁側に戻る。紫陽花は香りで名高い花ではないが、においはある。

 鼻を近づけて花に顔を埋めると、蜘蛛や小さな虫がこわごわとこちらを見返している。
 香りで集まらない虫達の、梅雨をしのぐ住処だ。
 借宿のような、よそよそしいおうちの匂いがする。

雨は止んで、もう夏だ。虫達は、紫陽花の下から少しずつ旅立っていく。
 がらんとした紫陽花が、俺

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