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2018.03.23-24 「ISBAブラインドサッカーワールドグランプリ2018」の備忘録

・3月21日から25日にかけて、品川区天王洲公園にて視覚障害者サッカーの国際大会「ISBAブラインドサッカーワールドグランプリ2018」が開催された。

・まずは簡単にこのスポーツについて説明しよう。ブラインドサッカー、通称「ブラサカ」は1チーム5人で行われる。GKは目が見える「晴眼者」ないしは弱視者が務めるが、フィールドプレーヤーはアイマスクを着用する。パラリンピックなどの国際大会では、フィールドプレーヤーは全盲者に限られる。
・目が見えない方がサッカーをする。じゃあ、どうやってボールがどこにあるのかを判断するの? と思われるだろう。その謎はボールに耳をすませればわかる。「シャカシャカ」と乾いた音が聞こえたはずだ。この音を頼りにして、プレーヤーはドリブル、パス、シュートに繋げていくのである。
・ブラインドサッカーは音が生命線だ。故に、試合中はなるべくしなければいけない。観客が新鮮に思うのは、多分このシチュエーションだろう。静かに見守り、プレーヤーに念を送る。そして、プレーが途切れた瞬間(例えば、ゴールが決まったときとか)になると、大きな声で歓声を送る。このメリハリに惹かれるサポーターも少なくない。 僕は3年前のリオパラアジア予選でブラサカの産湯に浸かり、その魅力にとりつかれた人間である。その経緯については、「月刊群雛 (GunSu) 2016年 03月号」か拙著「スタジアムの言い訳2」でご確認願いたいところだ。で、実際に試合を見るとなるとそれ以来だった。

・今大会の開幕戦でイングランド代表に勝利した日本代表は、次のトルコ戦に勝てば決勝戦へと駒を進めることができる状況だった。仮にグループリーグを1位で突破すれば、決勝戦はアルゼンチン代表。世界ランク2位の強豪だ。胸を踊らせて天王洲駅から徒歩10秒(!)のグラウンドへ辿り着いた。 シンプルではあるが、サッカーを楽しむための要素は整えられた小さなスタジアム。ピッチとの距離も近く、選手たちに念を送るには適した状況だ。本番の東京パラにも胸高まる。
・さて、トルコ戦を振り返ろう。日本代表はエースの黒田を前半途中に負傷交代で欠いたが、川村主将を中心に攻撃的なサッカーで相手ゴールを驚かす。また、かつてFC東京などで活躍したGK榎本のファインセーブもあり、前半は無失点。良いムードではあるのだが、肝心のシュートがポストに嫌われ、無得点で前半を折り返した。

・雨が強まりだした後半、次第にトルコがペースを握り出す。特に長身のハサンシャタイに手を焼いた。ポストプレーできっちりボールをキープし、シュートも強烈。何とか日本のディフェンスも耐えていたが、後半10分、そして17分にハサンシャタイがゴールを奪う。2点のリードを奪われただけでなく、このままでは得失点差で一気にグループリーグ最下位に落ちるという、天国から地獄という状況になってしまった。 焦る日本代表。榎本のロングボールから川村に合わせてシュートチャンスをつくろうとするが、屈強な相手DFがこれを阻む。たしかに、榎本はセービングには長けているが、攻撃の起点になれたか? と言われると厳しい評価になる。その点においては、長らく守護神を務める佐藤に一日の長はあるか。GKの攻撃参加は現代サッカーにおいてホットな話題であるが、それはブラサカにおいても同じらしい。
・結局、スコアは動かず試合終了。日本は0ー2でトルコに敗れ、翌日の5位決定戦に挑むこととなった。

・悔しい敗戦ではあったが、翌日も諦めの悪いブラサカサポーターたちが集っていた(僕もそのうちの一人!)。このフランス戦は実力通り、ボールをしっかりキープし、川村のゴールを守りきった日本が1ー0で勝利した。 攻撃的な新しいブラサカは少し見えてきたが、まだまだそれをスコアに反映させることはできていない。これが2試合を通してみた感想である。川村に頼もしさが出てきたのも好材料なだけに、彼を活かす、そして彼を囮にする攻撃のパターンを構築できるか? が次の見所だろう。
・来年も今大会は日本での開催が予定されている。1年をかけて、更なる進化と東京パラでの期待値向上を目指してほしいところだ

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1988年3月生まれ、神奈川県横浜市出身。しがないサラリーマンを続ける傍ら、2014年11月よりセルフパブリッシングをスタート。「インディ・スポーツライター」を(勝手に)自称し、人々がスポットライトを当てないスポーツの面白さや驚きを伝え、暖かく見守り続けて参ります
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