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アメリカがイランを攻撃したら?

■イラン攻撃の可能性
 アメリカはイラン付近に空母打撃群と爆撃機を派遣した。さらに地対空ミサイル部隊と揚陸艦を派遣。イランは海上交通路付近に位置するから、イランが機雷を敷設するだけで世界経済に打撃を与える。さらにアメリカ軍がイランを攻撃するだけでも世界経済に打撃を与える。この状況で日本の政治家は対応できるだろうか?

■安全保障の変化
 14世紀までは国家間の戦争は周辺国が巻き込まれる程度だった。だが帆船技術の進歩で経済圏は拡大。15世紀になると帆船を用いた海外貿易や植民地争奪戦が激しくなる。すると国家間の戦争は地域限定から経済圏全体に拡大した。

 理由は遠方の戦争でも経済では間接的に繋がっていた。だから遠方の戦争でも自国の経済に影響する。帆船を用いた経済圏拡大は、国家の繁栄に影響する。そうなると安全保障は隣国から経済圏全体を前提とするようになる。15世紀からの安全保障は、遠方でも干渉と関与で介入することが基本となった。

■海上交通路
 海洋国家である日本の海上交通路は生命線。仮に戦争で海上交通路が遮断されたら日本は飢餓に陥る。実際に第二次世界大戦でアメリカ軍は日本の海上交通路を遮断した。これで日本は輸入が滞り国内生産と輸送が停滞。都市部では食料が不足して日本国民は飢餓に陥った。

 当時の日本海軍も海上交通路の防衛に動いたが焼け石に水。アメリカ海軍の機雷は日本の技術を上回り処分ができなくなる。アメリカ海軍の潜水艦は性能では平凡だが、大量に投入することで日本の海上交通路を遮断した。

 日本は海上交通路を遮断されるだけで国内生産と輸出が停滞する。しかも国民が飢餓に陥る地勢。このため平時から海上交通路を守る安全保障が求められる。これには政治家が安全保障を理解しなければならない。

国家の安全保障
1:国家の尊厳と独立が外交によって解決できない時は、軍事力を用いて国家の尊厳と独立を維持する。
2:国際社会に参加して国家の信頼を得ることで安全保障の環境を整備する。
3:軍事力を背景とした外交を目的として実行する。

 問題なのは隣国である朝鮮半島の危機すら対応ができない。北朝鮮が420km飛行した短距離弾道ミサイルを発射しても、「日本の安全保障には問題ない」と発言する。隣国の問題は日本の安全保障と関係するのだが、日本の政治家は14世紀でも対応できないレベルであることを示している。

■イランを攻撃したら?
 アメリカはイラン付近に戦力を集めた。戦力から推測すると、戦争ではなく懲罰目的の空爆程度。しかも空爆で一ヶ月を続ける程度でしかない。現段階の戦力ではイラン首都まで侵攻することは出来ない。だから空爆だけになる。

 だがイランを空爆すれば世界経済に打撃を与える。海上交通路付近の戦闘だから株価は暴落するだろう。イラン付近でタンカー2隻が攻撃された。これはイランの革命防衛隊による水中ドローンを用いた攻撃が示唆されている。

 これはホルムズ海峡封鎖の手段が、地対艦ミサイル・機雷だけではなく水中ドローンも有ることを示している。このため民間船を偽装して海上交通路を遮断する行為は可能。だから世界は、自国の安全保障目的でペルシャ湾に海軍を派遣することになるだろう。

 この可能性が高いから、日本政府は現段階から素早くペルシャ湾に海上自衛隊を派遣できる準備が必要だ。

軍政:宣戦布告・停戦・休戦・国軍に戦争の政治目的を付与する。
軍令:軍隊の組織と運用は経験則に従い原則として自由。

 これは軍政権を持つ政治家の仕事。海上自衛隊は想定していても、政治家が想定していなければ素早く動けない。

■日本には海外基地が必要
 日本は海洋国家なのに海外に基地が無い。海上交通路を守ることは安全保障の基本。台湾・シンガポール・インドに、アメリカ軍・イギリス軍と共同運用する基地が必要だ。何故ならアメリカ・イギリスも海洋国家だから目的が一致する。さらに共同運用することで費用を節約できる。

 さらに基地をアメリカ軍・イギリス軍と共同運用すれば、仮想敵国は容易には攻撃できない。何故なら基地を攻撃すると、アメリカ・イギリス・日本を同時に敵に回す。海外に置かれた基地は国家主権の延長だから、海外基地を攻撃するだけで本土を攻撃したことになる。基地をアメリカ・イギリスと日本で運用すれば、節約もできるし仮想敵国は余程の覚悟がなければ攻撃できない。

■今の日本では
 今の日本はアメリカの軍事力に依存するだけ。安全保障を外国に任せると日本の国益は後回し。アメリカは自国の国益優先で動いている。アメリカ軍は日本の国益や日本防衛など考えない。これが現実。

 だからアメリカ依存の安全保障は無価値。日本はアメリカ・イギリスと共同して活動できる安全保障が必要だ。日本に海外基地が無ければ日本独自の安全保障は無いも同じ。日本の国会で議論すべきことなのだ。

 海上交通路が遮断されてから議論しても無意味。海上交通路を取り戻すには半年以上必要になる。その期間の日本経済は打撃を受け国民が苦しむ。だから日本の政治家は議論しなければならないのだ。

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