![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/103255671/rectangle_large_type_2_4687470c29d0e82e78ed6560c8d24381.jpeg?width=1200)
【エッセイ】雨音と過ごす休日
春の雨は、時折ぱらぱらと降り出すかと思えば、すぐに土砂降りに変わる不安定なものだ。この週末も天気が崩れて雨が降り、外出の予定はすべてキャンセルせざるを得なかった。
だが、雨の日にも、家族でゆっくり過ごす楽しみはいくつかある。
朝、リビングに降りると、窓辺には雨粒がびっしょりと張り付いていた。
ぽつりぽつりと、窓に当たる雨音が心地よく、しばし佇んでその音に耳を傾ける。そんな時、うちの1歳になったばかりの娘が、はにかんだ笑顔でこちらを見つめていた。
彼女もまた、雨を眺めていたのだろう。
娘を抱き上げると、彼女は目を輝かせながら窓の外を指差す。
ガラスに張り付く雨粒が、彼女の興味を引いているらしい。雨がザーザーと降る中、彼女の純粋な好奇心に微笑ましく感じる。
娘と一緒におもちゃで遊ぶことにした。床に広げたマットの上で、彼女はブロックを積んだり、ぬいぐるみを抱きしめたりする。
雨音がバックグラウンドミュージックのように響き、室内の静けさと調和している。
娘がブロックを手に取ると、キラキラと目を輝かせて笑う。彼女の無邪気な笑顔に、心が和む。雨が降ることで、こんな至福の時間を過ごせることに感謝したくなる。
昼過ぎには、娘の昼寝の時間を迎えた。ゆっくりとリビングのカーテンを閉め、雨音に包まれながら眠りについた娘を眺める。
雨のせいで外に出られない分、家族で一緒にゆっくり過ごす時間が増えたので満足だ。
夕方には雨はすっかりやんでいた。窓を開けると、新緑の葉が濡れてキラキラと光っていた。空気も澄んでいて、春の香りが漂っていた。
娘はリビングの窓から外の景色を眺めて喜んでいた。
雨の休日が終わり、夕食を一緒に取りながら、家族で過ごした時間の大切さを改めて感じた。
晴れた日には外で活動的に過ごすのも良いが、雨の日には家族でゆっくりと過ごす時間がまた格別だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?