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コンサル「背信的」引き抜き問題とメディアと人材業界と

■ 謎めいたコンサルタントの引き抜き訴訟問題

自分のコンサル業界2大好物と言えば、

・「PwC泥沼パワハラ問題」
・「DTC大量退職問題」

この2つである。

先日、奇妙なニュースが話題になった。

なんでも、DTCことデロイトトーマツコンサルティングの元役員が、元部下を引き抜いたとして争っていた裁判で、5千万円の賠償が命じられたというのだ。

多くの人は、ネットで流れてくる記事のヘッドラインしか読まない。したがって、観測範囲では、やはりこのニュースについて、多くの人が「なにそれ?」みたいな反応をした。コンサル業界では転職は当たり前。堂々と「残酷なアップオアアウト」とか言っておきながら、知り合いを頼って転職したら訴えられる、みたいなことでは、たまらない。

事の発端は、2019年にDTCのトップがEYに移籍して、DTCから人が大量に辞めたみたいな話だ。2019年11月には、ナゾめいた「プロジェクトオメガ」なる退職引き留めPJがあるとかないとかいう話まで経済ゴシップメディアで出ていた。

デロイトも結構おこで、反論記事をわざわざリリースしていたりした。

その後、移籍した大物こと近藤氏界隈とDTCが訴訟をしている、という話になっていたわけだが、今回それが、いったんはDTC側の勝利で決着がついた、ということになる。このこと自体は、先述のとおり、一般論として、それなりに驚きをもって迎えられた。

しかし、記事をよく読むと、そこには気になる一文がある。

「デ社を批判する記事をネットに掲載することに元役員が協力した」

自分も、正直に言うとすっかり忘れていたのだが、1日ほどして、ふと思い出した。

そういえば、なんか共産党がどうのこうのみたいな話あったなと。。

そう。少し前に、デロイトAPの幹部に中共の人間がいて、情報セキュリティ的な問題から防衛関係の仕事から外された、みたいな感じの話があった。もちろん、ウソかマコトかは結局よくわからない。いずれにせよ、自分はなんとなく業界面白話としてこの話を記憶しており、ときおり飲み会のネタとして使っていたわけだ。

移籍事件から3年の時を経て、この2つが繋がるとは。

今回の裁判で争われた事項の中には、どうも先の文春の記事について、不安を煽って優秀なコンサルタントを独占しようなんて勝手すぎる、みたいな事が入っていたようだ。確かによく読むと、先のDTCのリリースの中にも、元パートナーらが根拠のない記事のソースとなった旨が書いてある。

どうやら、今回は裁判で関連が認められ、背信的引き抜き、というDTC側の主張が認められる結果となったようだ。

認められたという事は、確かに憶測記事の原因となるような情報提供みたいなことがあったのだろう。とはいえ、それをわざわざ引き抜きのために計画してやるかというと、そんなこともなさそうに思うところである。どっちもどっちな感じはしないでもない。

感心するのは、この一連のデロイト批判記事みたいなのを書いているのが、1人の人だという事だ。PwCについても別の人だが1人が書き続けている。確かに、この手の記事は自分のような一部マニアにはウケそうな気がするものの、そんなに世間一般に需要がありそうにも思わない。そうなると、なにかしら戦う動機みたいなものがあるのだろうが、その辺がナゾというか、不思議である。

ともかく、この敢えて情報提供したかどうかみたいな話の真相はよくわからないので、そういう、常にネタを探している人の前で、ウカツなことを言ってはいけない、という話かも知れないし、ノリノリで記事書いちゃってくださいよー的な話だったのかも知れない。ただ、こういうことがニュースになるコンサル業界って面白いなと。

従業員は、どっちにしろクールな目で見ているようだ。要するに、チームごとゴソっと抜けるような構造になってたんだから、起こるべくして起こったのだと。

考えてみると、人材エージェント界隈にとっても、コンサル業界はおいしいお客さんである。何しろほっておいても勝手にバンバン転職してくれるのだから都合がいい。例えば、監査法人の経営がおかしいのは昔からだが、うがった見方をすれば、監査法人はブラックでオワコン(だから転職しましょう)としきりにアピールする事によって、コンサル転職界隈で使える会計士という「たま数」が増えるわけだ。経済雑誌みたいなところにとって、人材業界というのは重要な広告主だろう。監査業界で人手不足が起こると、そこにDXみたいな仕事とかが生まれ、IT人材の求人が生まれる。

そして、ナゾにホワイト化する監査法人

まあ、この記事自体は古いのだが。(ちなみに、結構文書が下手でなんだかよくわからない事が書いてあるというお気に入りの作品だ。)

コンサル、会計士の転職情報みたいなもので定番の有力先に、ベンチャー企業がある。これまた、人材業界にとってはおいしいところだ。ベンチャーは知ってのとおり結構な割合でポシャるのである。

そんなことを考えると、人材エージェントというのは、ある意味現代の闇の武器商人みたいなところがある。ウェブマーケティングとかウェブベースのマッチングサービスとかとも相性が良さそうだ。そういう翼を得て、情報メディアの皮を被った人材商人は、ポジティブな若者の夢を載せてますます羽ばたいていきそうだ。

NHKまでなあ。


では、最後にコンサルティングの未来について考えてみよう。

オレもこういう、なにいってんかわかんないのにデカいワードを並べて本質を捉えてそうなオーラを醸すワザマエをマスターしたい。

なんか広告業界の人っぽいな。

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