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最近の記事

ニンニクラーメン

連勤が終わり明日は休みだ。 駅前でニンニクの効いたラーメンを食べて帰ろう。 平日の23時前にも関わらず満席だった。 席に着くと自分で汲んだお冷には油が浮いていた。躊躇したが一気に飲み干した。 しばらくするとスーツを着た若い4人組の男が来た。カウンターのみの店内で2:2に分かれて別の席に座った。僕の隣に座った2人組は同期のあいつが辞めたとか明日も仕事に行きたくないとか愚痴しか話していなかった。4ヶ月前の自分と凄く重なってしまった。 好きなことを仕事にできている自分は幸せなんだな

    • 熱い6月

      6月に入ると(もう7月だが)ようやく仕事も決まり気持ちも少し前向きになった。 自衛官からアパレルという異色のキャリア。誰と話しても驚かれた。 人と違うことに意味があるんだと意気込んでいたが、冷静に考えるとかなりのサイドチェンジだ。 でもそこから広がる話もあるし、興味も持たれる。こういうことが自分の武器になったりするんだなと思った。 配属された職場は大宮だった。 自宅から片道1時間と少し。通勤時間は少しある方が気持ちの整理もつきやすくなんとなく良い。 とは思っているのだが、遅番

      • 夢と現実、京葉線

        日付が変わる1時間前。 舞浜駅で電車を待つ。 昼過ぎから入った派遣のバイト、服はペンキだらけ。 周りの人たちは耳を余分に付けて写真やら撮っていた。 隣の高校生は本当に幸せな1日だったと言った。 そんな言葉はもう何年も言ってない気がする。 はっきりと言えるなんてすごいなと思った。 バイトの休憩時間には送った履歴書の不採用のメールが来ていた。 なんとなくそうだろうとは思っていたけど僅かな期待もあった。 そんなフワフワした気持ちはたった2行で打ち砕かれた。 舞浜の工場のパイプ椅子の

        • 雨の東京

          東京に来て2度目の週末は雨だった。 昼前に起きて真っ白な天井を眺める。 捨てそびれた大量の段ボール、丈が足りてないカーテン、脱ぎ捨てられた靴下。 何もやる気が起きずに今日は諦めようと思い、昼からワインを開けてしまった。 ダメだなぁと思いつつもこんな日も悪くはないし、むしろ好きだ。 その日は代々木公園のフリーマーケットに行こうと思っていたが、こんな天気ではどうしようもない。代わりになるものを探してみたけど結局その日は一歩も外には出なかった。 日付が変わって日曜日。 とても良い

        ニンニクラーメン

          代々木公園と八幡湯

          定食屋で昼食を済ませ自転車で代々木公園に向かった。 この日の最高気温は24度。半袖の人も多くなってきた。 風は強かったが、ぬるい風が気持ちよかった。 公園についてソフトクリームとアイスコーヒーを買った。 ベンチを探してる間にミックスソフトを持った右手はベタベタになっていた。 久しぶりの感覚でなんとなく嬉しい気持ちになった。 ようやくベンチを見つけた頃にはソフトクリームは食べ終えていたし、アイスコーヒーも半分以下になっていた。 ベンチでは又吉直樹の月と散文を読んだ。 持ち運び

          代々木公園と八幡湯

          渋谷のユーロスペース

          前日に区役所に行って諸々の手続きを済ませ、晴れて東京都民になった。 近くに自転車屋があったのでその足で入り、4万円で自転車を買った。 後ろの車に怯えながら、歩行者を避けながら走った。 久しぶりの自転車は少しドキドキしたけど東京での生活がスタートしたんだなと胸が躍った。 家の近くの蕎麦屋に入り、いつもの癖で天ざるとビールを頼んでしまった。 食べている時に自転車で来た事を思い出して結局引いて帰った。 次の日は7時ごろに起きて身支度をしてホットドッグとコーヒーを買いに行った。午前

          渋谷のユーロスペース

          幡ヶ谷駅のコンクリート

          東京の街に出てきました あい変わらずわけの解らない事を言ってます この歌詞から始まる歌がある。 くるりの名曲「東京」 この後に駅でたまに昔の君が懐かしくなりますという歌詞が出てくる。 ここで出てくる駅は自分にとっては最寄の幡ヶ谷駅になるのだろうか。 新宿から京王新線で3分。 あの新宿からたったの3分だ。 田舎生まれ田舎育ちの自分にとっては信じられないくらい都会だ。 新宿なんて夜行バスで7時間くらいだったはずだ。 しかし、新宿からたった3分で着く幡ヶ谷駅の北口を出て右手にあ

          幡ヶ谷駅のコンクリート

          はやぶさ16号

          駅前の喫茶店を出て新幹線の中で飲むビールを買いにコンビニに入った。 銘柄は決まっていたけど隣のサラリーマンが陳列棚の前で悩んでいたので、自分も横のジュースの陳列棚の前でコーヒーで火傷した舌を動かしながら悩んでいる振りをした。 この人も同じ新幹線に乗るのだろうか。 どこまで行くのだろうか。 どんな仕事をしているんだろうか。 そんなことを考えているとサラリーマンは立ち去り、いよいよ自分の番だ。 予め選んでおいたサラミを持った手で500mlの缶ビールを素早く手に取った。 20

          はやぶさ16号