ニンニクラーメン

連勤が終わり明日は休みだ。
駅前でニンニクの効いたラーメンを食べて帰ろう。
平日の23時前にも関わらず満席だった。
席に着くと自分で汲んだお冷には油が浮いていた。躊躇したが一気に飲み干した。
しばらくするとスーツを着た若い4人組の男が来た。カウンターのみの店内で2:2に分かれて別の席に座った。僕の隣に座った2人組は同期のあいつが辞めたとか明日も仕事に行きたくないとか愚痴しか話していなかった。4ヶ月前の自分と凄く重なってしまった。
好きなことを仕事にできている自分は幸せなんだなと改めて思う。
「楽して自分の好きなことだけしたけりゃいつだって戻れば良いもんな、あの地獄に」
とろサーモンの久保田はM-1優勝後に共演した加藤浩次にこんなことを言われたらしい。
今の自分にもの凄く刺さる言葉だ。
ようやく念願の職につけて毎日楽しいけど上手くいかないこととか壁にぶつかったりすると向いてないんじゃないかとふと考え込んでしまう。
自衛隊にいた方が良かったんじゃないかと考えたこともある。でもこの苦しさは勇気を持って一歩踏み出したからできている経験でものすごく価値があると思う。苦しさの中にも一つ一つ出来なかったことが出来るようになっていく過程がとても楽しく充実している。また頑張ろう。
ニンニク臭いラーメンを啜りながらそんなことを考えていた。
店を出て家に向かって商店街を歩いていると短冊が飾られていた。そうか、明日は七夕か。
なんとなく手に取った短冊にはお兄ちゃんが彼女と結婚出来ますように。世界平和。と書かれていて思わず頬が緩んだ。
明日はいい休日になりそうだ。ありがとう。