結果オーライは自分次第?!「とりあえずやってみる」で突き進む
わくわくして動き出さずにはいられない原動力「わくわくエンジン®」を持って活動している方たちを紹介する連載「わくわくエンジン®図鑑」。
認定NPO法人キーパーソン21がお届けします。
今回は大学生の時、キーパーソン21の会員として活動し、その後仲間と起業され、現在は会社の取締役として活躍されている高砂さんのストーリーです。
【図鑑No.35】
お名前
高砂 好さん
お仕事
株式会社Genon 取締役・COO
アトピーなど繰り返す慢性疾患の患者さん向けに、皮膚科専門オンライン診療サービス「ヒフメド」を運営
自分と向き合い、自分を知った学生時代
ーキーパーソン21との関わりは?
大学生の時、友達に誘われたのをきっかけに、私立山村学園のプロジェクトに参加したことでキーパーソン21と関わらせていただきました。
私は新しい環境になじむのが苦手だったこともあって、中学校高校時代があんまり楽しくなかったんです。いわゆる一般的な敷かれたレールをしっかりと、真面目に真面目に踏んでいたのですが、うまくいかなかった時など、すごく落ち込んでしまったり、その中だけでどうにか頑張ろうとしてしまっていました。
小学校、中学校、高校時代って、すごく世界が狭いというか、選択肢が少なくなりがちだと思います。
当時の自分は、人生の先を行ってる人の話を聞いたりできたら良かったんじゃないかなと感じたので、私と同じような、そういう子たちに考えるきっかけとかを与えられたら、とプロジェクトに参加させてもらいました。
高校生に話す為の準備をする中で、自分が出した言葉から、キーパーソン21の大人の方々に「それってこういうことなのかな?」というように引き出していただいて、自分の考え方や、大事にしてるものを言語化できたなと思っています。
結果オーライを自分で作る!
ープロジェクト参加時、どんな言葉や考え方が出てきたか覚えていますか?
「結果オーライを自分で作る」のような言葉が出てきたと思います。
例えば、私は大学の文学部に入ったので「英語を武器にせねば!」と思っていたのですが、英語の勉強が嫌いだと気付いたんです。それまでの私なら、それで絶望していたと思いますが、「それなら英語を好きになればいい」と考えてアメリカに留学したんです。そこでの国際交流がとても楽しくて、私の新しい「おもしろい」との出会いとなりました。
新しいものにたくさん出会ったり、なんでもいいからとりあえずやってみる。上手くいかないこともあるけど、その上手くいかないことがあるからこそ、その積み重ねで最終的にはいいものに絶対たどり着く、というのが私の考え方です。それが自分の原動力にもなっていたと思います。
その後の就活も今振り返ってみると、たぶん同じところが原動力だったと思います。
私は一般的なタイミングよりも早く就活を終えました。その時内定をいただいた会社に、そのまま就活を終えてインターンを開始することを勧めていただいたんです。
もっと色々見てみようかなという風にも思ったんですが、当時人事の方に「自分にぴったりの場所や正解を探し続けるのももちろんいいけど、さっさと仕事してアウトプットしてみた方がいいんじゃない?」と言われて、その考え方がすごく私にはスッと入って。
じゃあもう早く仕事始めて、やりたいこと探しながら仕事すればいいや!と思い、大学卒業前からその会社でインターンをすることにしました。
たくさんやってみて、たくさん失敗することを目指して
ーどんなお仕事をしていたのですか?
カラーコンタクトのEC販売や卸をやっている会社で、入社後は事業部長と数人だけの小さな新しい部署に配属され、事業作りを幅広く学ばせてもらえました。
当時はやりたいことがたくさんあり、残業してでもがっつり仕事をしていました。
今の自分があるのはその時のおかげ、っていうくらい、すごくいい経験をさせてもらったと思います。
ところが、会社が大きくなるタイミングで、残業の規制が入ったり、ルールが厳しくなって行きました。
それで、私がやりたかった「たくさんやってみて、たくさん失敗して」というのがやりづらいと感じて、会社を辞めることにしました。1年足らずで、何の恩返しもできてないんですけどね。
それから、もう少し小さい組織の方が自分には合ってると思って、探しているところ、たまたまの出会いがあったんです。
個人で起業しようとしている方が、肌が弱い人に対し、ちょっと話を聞かせて下さいというようなインタビューの募集をしていたのを見つけました。
私も肌が弱かったのと、インタビューを受けるのも何か勉強になるかなと思って、ふらっと応募してみたんです。
その方と雑談を交えて話す中で、私自身が転職活動していて、スタートアップなどを探しているという話や、その方の事業立ち上げについてのお話も聞いたりして、おもしろいなと思いました。
するとインタビュー終了後に、その方がスタートアップの企業をいくつか紹介してくれたんです。
私は、紹介先に行くよりもあなたのお手伝いをしたいとお伝えし、転職活動しながらお手伝いさせてもらうことになりました。
それが結局、転職活動の間だけではなく、その後事業の立ち上げを一緒にして、現在はその方が株式会社Genonの代表取締役で、私は共同代表をやらせてもらっています。
何にもならないかもしれないし、チャンスかもしれない
ーなぜお手伝いのところから、事業の立ち上げまで一緒にすることになったのでしょう?
代表に人間的に惹かれたというのが一つあります。代表は色んな人に対して自分が何ができるかを常に考え続けている方で、私に持っていないものをたくさん持っていると思いました。
一方で、逆に私の持ってるものを、意外と持っていない、ということも多かったんですね。例えば前の会社では、事業の作り方を勉強させてもらったので、そこは力になれそうだなとか。
うまくデコボコで、代表が持っているものと私が持っているものを、うまく組み合わせられそうだなってすごく感じて。何にもならないかもしれないけど、もしかしたらチャンスかもしれないから、一回飛び込んでみようと思って。
ー不安はありませんでしたか?
失敗しても、別に次何か探せばいいか、って感じに思っていました。なので心配とかは無かったのですが、事業がすぐ立ち上がったわけでなかったので、来月の家賃払えないや、ってこともありました(笑)
敷かれたレールに沿っていたいた中高生時代から比べたら、当時の自分はびっくりするくらい行き当たりばったりな人生を送ってますね(笑)
それでも、私を知ってくれている人は、誰も止めませんでした。それが合ってるんだろうなと感じ取ってくれてたのかもしれません。
キーパーソン21の大人の方々も、みんな応援してくれて、ありがたかったです。
色々やってもうまくいかない、しんどい時期ももちろんあって、止めようかという話も何度もありました。でも、自分たちがやろうとしていることが、社会や困っている人の役に立つ、という自信があったので、続けていきました。
やりたいことはいつまでも尽きない
結局かなり迷走しながら、1年程かかってやっと事業の立ち上げに成功。やっと形になり、現在皮膚科専門のオンライン診療の事業をやっています。
今の事業も、本当に最初の一歩でしかなくて。将来的にはAIを使って画像解析をやったり、医療機器を作ったり、海外進出もしたいなとか、やりたいことは色々あります。
ーこれからもどんどんやりたいことや目標を見つけて進んでいきそうですね。
そうだといいなって思ってます。
私はこれまで恵まれて生きてきて、今も幸せに色々楽しくやらせてもらってると感じていて。これは絶対当たり前の事ではないので。
自分が恵まれている分、還元していくじゃないですけど、海外を含めて課題を感じている人にアクションし、解決し、より大きなインパクトを作っていく、みたいなところは人生の目標としてはあるかなと思っています。ちょっと大層なことを言っていますが…
ー最後に、失敗を恐れる子たちにメッセージをお願いします。
みんながみんな、私のような生き方をすべきとは全然思ってなくて。失敗が怖い、失敗したくないって思うのも当たり前ですよね。だから失敗を恐れずに挑戦しましょうっていうのは違和感があります。
というより、失敗した時に「次」に目を向けられるような希望を持って生きれたら良いんじゃないかなと。
これでもう終わったと絶望するんじゃなくて、環境を変えたりとか、別の選択肢を選んだら、また自分のやりたいこととか見つかるかもしれない。そんな風に考えられる人が増えるといいなって思います。
これも学生時代に山村学園プロジェクトを通じて言語化できたことですね。
山村学園プロジェクトにて、学生時代の高砂さんの棚卸のサポートをされ、その後も高砂さんを見守り続けているキーパーソン21会員 中川さんより
大学生の時にああやって自分を掘り下げたことで、自分をちゃんと分かって、だから人生の決断っていうものができたのかなと思いました。自分が進むべき道、楽しく人生を豊かにする選択を、自分で選んでいったんだなと。
こうやって活躍してくれることがすごい嬉しいです。そして、キーパーソン21の「主役は子ども、きっかけは大人」の言葉にあるように、いつか、きっかけとなる大人として子どもたちに関わってもらえる日が来るといいなと思います。これからもずっと応援しています。