マガジンのカバー画像

Daily PLANETS

宇野常寛/PLANETSが毎朝お届けするウェブマガジン。猪子寿之、落合陽一、古川健介ほかたくさんの仲間と未来を考えます。
¥864 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

#猪子寿之

宇野常寛 汎イメージ論――中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ 最終回 「汎イメージ」の時代と「遅いインターネット」(3)

宇野常寛 汎イメージ論――中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ 最終回 「汎イメージ」の時代と「遅いインターネット」(3)

本誌編集長・宇野常寛による連載『汎イメージ論 中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ』。ジャン・ジュネの論考から明らかなように、吉本隆明の「関係の絶対性」の根底にあるのは、自身の無性化、他者の風景化であり、その〈非日常〉と〈日常〉の境界を溶解する想像力は、チームラボのアートと共鳴します。父権的な〈テキスト〉の零落により、〈イメージ〉が氾濫する「母性のディストピア」に堕したインターネット。そこに投じ

もっとみる
宇野常寛 汎イメージ論――中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ 最終回 「汎イメージ」の時代と「遅いインターネット」(2)

宇野常寛 汎イメージ論――中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ 最終回 「汎イメージ」の時代と「遅いインターネット」(2)

本誌編集長・宇野常寛による連載『汎イメージ論 中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ』。共同幻想に抗うための方策――モノによる自己幻想の強化、あるいは夫婦・兄弟の対幻想の構築は、いずれも頓挫する宿命にあります。それに対して、チームラボのアートは「他者」を読み替えることで、自己幻想の解体を試みます。(初出:『小説トリッパー』 2019 春号)

4  あたらしい対幻想 では、チームラボの作品群は「超

もっとみる
宇野常寛 汎イメージ論――中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ 最終回 「汎イメージ」の時代と「遅いインターネット」(1)

宇野常寛 汎イメージ論――中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ 最終回 「汎イメージ」の時代と「遅いインターネット」(1)

本誌編集長・宇野常寛による連載『汎イメージ論 中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ』。インターネットが生み出す母系的な共同幻想からの自立。かつて吉本隆明が〈文学〉で目指し、ジョン・ハンケは〈テクノロジー〉、糸井重里は〈モノ〉によって目論んだそれを、チームラボはいかにして成し遂げたか。デジタルアートによって試みられる〈境界〉と〈視線〉へのアプローチから考えます。(初出:『小説トリッパー』 2019

もっとみる
密度を活かしてアートを〈自然〉に高めたい | 猪子寿之

密度を活かしてアートを〈自然〉に高めたい | 猪子寿之

チームラボ代表・猪子寿之さんの連載〈人類を前に進めたい〉。今回は上海の燃油タンク跡地をリノベーションした美術館・TANK Shanghaiでオープニングを飾るチームラボの展覧会がテーマです。工業地帯からIT都市へと生まれ変わりつつある地区に、なぜ今、現代アートが集結しているのか。議論は都市とアートの関係から、密度や混ざり具合の違いが人間の認識や行動に与える影響にまで広がっていきます。

【お知らせ

もっとみる
近代以降失われた色の階調を蘇らせたい | 猪子寿之

近代以降失われた色の階調を蘇らせたい | 猪子寿之

2018年最後の配信は、チームラボ代表・猪子寿之さんの連載〈人類を前に進めたい〉。今回は大盛況というヘルシンキの美術館・Amos Rexの展示の話題から、人間の認知や感覚の限界へと挑戦する、計算機テクノロジーを活かしたアート作品。そして、近代以降失われた自然の色調をデジタルで蘇らせる「かさねのいろめ」の着想について語ります。

【お知らせ】
この連載が元となった猪子寿之×宇野常寛『人類を前に進めた

もっとみる
色と密度で人間の五感をハックしたい! | 猪子寿之

色と密度で人間の五感をハックしたい! | 猪子寿之

チームラボ代表・猪子寿之さんの連載〈人類を前に進めたい〉。今回は、豊洲で開催中の展覧会「チームラボ プラネッツ TOKYO」の展示について猪子さんと語り合いました。この展示では、個々の作品へと深く没入させるためのクオリティにこだわったという猪子さん。作品の強度を生み出すために導入された、人間の五感に訴えかける新基軸のアイディアとは?(構成:飯田樹)

【お知らせ】
この連載が元となった猪子寿之×宇

もっとみる
デジタルアートの使命 | 猪子寿之

デジタルアートの使命 | 猪子寿之

宇野常寛が火曜日のキャスターを担当する番組「NewsX」(dTVチャンネル・ひかりTVチャンネル+にて放送中)の書き起こしをお届けします。9月4日に放送された第1回のテーマは「猪子寿之と考える“デジタルアートの使命”」。ゲストにチームラボ代表の猪子寿之さんを迎えて、チームラボが国内外で開催している展覧会や、今後のビジョンなどについてお話を伺いました。(構成:籔和馬)

NewsX vol.1
「猪

もっとみる
テロの起きたパリで「境界のない世界」を実現したい! | 猪子寿之

テロの起きたパリで「境界のない世界」を実現したい! | 猪子寿之

チームラボ代表・猪子寿之さんの連載〈人類を前に進めたい〉。今回は、パリのラ・ヴィレットで開催中の展覧会「teamLab : Au-delà des limites」について、現地で話しました。多文化主義を体現しているパリの街。そこから見えてきたのは、デジタル・アートならではの「接続の美」のあり方でした。「本格的に作品同士が越境する」展覧会で実現されるその形とは?(構成:稲葉ほたて)

【お知らせ】

もっとみる
宇野常寛『汎イメージ論 中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ』第四回 吉本隆明と母性の情報社会(1)【金曜日配信】

宇野常寛『汎イメージ論 中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ』第四回 吉本隆明と母性の情報社会(1)【金曜日配信】

本誌編集長・宇野常寛による連載『汎イメージ論 中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ』。今回からは、「戦後最大の思想家」吉本隆明の代表作「共同幻想論」と、FacebookやLINE、TwitterといったSNSに象徴される現在の情報化社会との接点を探ります。 (初出:『小説トリッパー』 2018 春号 2018年 3/25 号 )

1  なぜいま「吉本隆明」か さて、連載二回分を費やした猪子寿之

もっとみる
宇野常寛『汎イメージ論 中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ』第三回 チームラボと「秩序なきピース」(後編)(2)【金曜日配信】

宇野常寛『汎イメージ論 中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ』第三回 チームラボと「秩序なきピース」(後編)(2)【金曜日配信】

本誌編集長・宇野常寛による連載『汎イメージ論 中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ』。人間と人間、人間と事物、事物と事物の境界線を消失させようとしているチームラボ。その試みは、究極的には人類が直面している最後の境界線、時間的な境界の無化へとつながっていきます。
(初出:『小説トリッパー』 冬号 2017年 12/30 号)

 人間と人間、人間と事物、事物と事物の境界線の消失——これらが達成され

もっとみる
ボーダレスな超大規模展示で、「立体的思考」を高めたい! | 猪子寿之

ボーダレスな超大規模展示で、「立体的思考」を高めたい! | 猪子寿之

チームラボ代表・猪子寿之さんの連載〈人類を前に進めたい〉。今回は、2018年6月21日から始まるお台場の大規模常設展「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」の制作現場からレポート! これまでにない圧倒的な規模の本展示を、編集長・宇野が先行体験し、猪子さんと語り合いました。展示会で作り上げられるボーダレスな世界と、
「身

もっとみる
新しいパブリックを実現した都市をつくりたい! | 猪子寿之

新しいパブリックを実現した都市をつくりたい! | 猪子寿之

チームラボ代表・猪子寿之さんの連載〈人類を前に進めたい〉。今回は、フィンランド・大阪・お台場……と、様々な場所でもうすぐ始まる展覧会を紹介していただきました。そして中国・深センで行うチームラボ初の「都市開発」の構想についても紹介! その都市で実現しようとしている、「新しいパブリック」のあり方とは——?(構成:稲葉ほたて)

【お知らせ】
この連載が元となった猪子寿之×宇野常寛『人類を前に進めたい 

もっとみる
宇野常寛『汎イメージ論 中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ』第三回 チームラボと「秩序なきピース」(後編)(1)【金曜日配信】

宇野常寛『汎イメージ論 中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ』第三回 チームラボと「秩序なきピース」(後編)(1)【金曜日配信】

本誌編集長・宇野常寛による連載『汎イメージ論 中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ』。今回も引き続き、人間と事物との境界をアートで消失させようと試みるチームラボ代表・猪子寿之さん作品とその意義を分析します。徐々に平面から立体へと進化していくことにはどのような意味があるのでしょうか。 (初出:『小説トリッパー』 冬号 2017年 12/30 号)

11 「棚田」としてのアート 前回の復習からはじ

もっとみる
宇野常寛『母性のディストピア EXTRA』最終回 三次元化する想像力(2)

宇野常寛『母性のディストピア EXTRA』最終回 三次元化する想像力(2)

2017年に刊行された『母性のディストピア』に収録されなかった未収録原稿をメールマガジン限定で配信する、本誌編集長・宇野常寛の連載 『母性のディストピア EXTRA』。映像の世紀が終焉したいまもなお、虚構を通してしか描けない現実がある。最終回の今回は、研究者でメディアアーティストの落合陽一さん、チームラボ代表・猪子寿之さんの取り組みへ期待を寄せながら、現代版にアップデートされた〈ゴジラの命題〉につ

もっとみる