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【キネマ救急箱#3】Netflixオリジナル『マーダー・ミステリー』〜J・アニストンの肩肘張らない達人芸〜

※本記事はネタバレを含みます。ご注意ください。

こんにちは!
一人称を「私」と「ジャガス」で決めかねているニク・ジャガスです🧜🏻‍♀️

特にこだわりなく、最近見た映画をセレクトするキネマ救急箱。

第3回目はNetflixオリジナル映画『マーダー・ミステリー』です。

笑い死ぬかと思ったわ!!まだこっちが笑ってる途中なのに、もう次の笑いをぶち込んでくるんよ奴らは!!

アダム・サンドラーとジェニファー・アニストンは二度目の共演のようですが、「ここまで息合う?」ってくらい本当に15年間の結婚生活が透けて見えるかのような掛け合い

『みなさん笑ってくださいね!ここ面白いことしてますよ!』みたいな押しつけ感は一切無くて、ただコチラのツボを愚直に100分間狙い続けてきます。

物語の本筋となる推理の伏線回収もさることながら、個人的には笑いの回収も見事だな、と思う作品でした。

きっとアドリブも多いんでしょうけどね、境目が本当にわからないですよ。

あらすじ

かねてから約束していたヨーロッパ旅行へ妻を連れて行くことになったニューヨーク市警の警官 。飛行機内で出会ったミステリアスな男性から身内だけの豪華船上パーティーに招待されるが、ヨットの持ち主である大富豪の老人マルコム・クィンスが殺害されたことで、夫婦は殺人事件の第一容疑者になる。

フィルマークスより

個性が大爆発している登場人物たち

鑑賞中、1分間に2回くらい笑ってたので回収が追いつけてないかもしれません。

時系列に思い出すのが難しいので、キャラクター別に笑えた描写を振り返ろうと思います。

ニック・スピッツ(アダム・サンドラー)

⇨本作の主人公でオードリー(ジェニファー・アニストン)の夫。結婚15周年を迎える。絶望的な射撃センスのせいで、刑事に昇格できないニューヨーク市の警官。

コメディ俳優として知られるアダムですが、表現する面白み?コメディの要素?が意外と画一的でなく、バラエティに富んでいるよな〜と思います。
純粋なダメ男の時もあれば、そこに何故か頼もしさが付加されることがあったり、無駄にかっこいい雰囲気を纏う男前なことがあったり。

今回は、どっちかといえば純粋なダメ男で、15年前に妻に約束したヨーロッパ新婚旅行を踏み倒そうとしている夫。笑

本編でも、期待通り沢山笑わせてくれます。

飛行機でオードリーが他の男と談笑しているのを発見したニック。
ファーストクラスからニックを追い出そうとするCAさんの「警察を呼びますよ?」が終わらないうちに、自分の警察バッジで秒クリアするのは卑怯!!笑

そして、発するセリフが全て的を外れてるのが最高です。
まともな台詞なかったんじゃない?
本作を見た方、頷いてくれますか?笑

容疑者がいる部屋に踏み込んだ第一声が「元気か!?」だったり。

自分達にかかった殺人の濡れ衣を案外スッと受け入れて「イタリアの刑務所はグルメだぜきっと」って少し胸躍っちゃったりとか。

夫婦で乗り越えたことの走馬灯が、妻のために、資金繰りのために何の落ち度もない人の車に違反切符を切ったこと等々、15年の結婚生活を表すのには薄すぎたりとか。

大袈裟な表現でなく、シンプルな一言だから、可笑しさが際立つ!
次は如何にちっちゃいところを突くかな?って思わず楽しみに見てました。

オードリー・スピッツ(ジェニファー・アニストン)

⇨美容師で殺人ミステリー小説愛好家。ニックの妻。

さすがコメディの女王ジェニファー。
冒頭の登場シーンからお見事。

美容室の客との世間話で、15年間踏み倒され続けている新婚旅行のことに「(15年あれば)ヨーロッパまで歩けたわね」とサラッと一言!!

洒落たジョークが呼吸のごとく出てくるあたり、『フ・レ・ン・ズ』で鍛えた反射神経を感じずにいられません。笑

そして終始メチャクチャしゃべくりまくってるのに、不思議とうるさい感じがないんですよ。
細かい台詞に至るまで、無駄のないコメディセンスが宿っているからだと思いました。

まぁ何と言っても、ジェニファー・アニストンの魅力は演技や振る舞いに何となく品とキュートさを感じるところですよね。

アダム・サンドラー単体のコメディだともう少し下品になるかな(失礼!)と思うんですが、ジェニファーの存在感がピュアな笑いにしてくれます。

本編最後に無理やりぶち込んでくるカーチェイスのシーン、急に「いやいやいや!」となる現実離れした展開ですが、「まぁジェニファーならあるか。笑」で押し通せる。

本国アメリカでも、女性から爆裂な支持を受けているというジェニファー。
この世のものではない、とまでは綺麗すぎず、それでいてチャーミングでヘルシーで誰からも愛される女性。

ジェニファー・アニストンはアメリカの宝ですね。

チャールズ・キャビンディッシュ(ルーク・エバンス)
⇨子爵の称号を持つ貴族。移動中の飛行機でオードリーと出会い、叔父の関係者が集まるクルーザーの旅に夫婦を招待する。

出ることを知らなかったから、画面に写った時「ヒィヤァァァァ!!!」と叫びました。

顔面世界遺産ルーク・エバンス様。
流石、貴族っぽいわ〜。

殺人犯に近づきすぎて物語中盤に殺されてしまうのですが、泡吹いて死んでいるチャールズを見て「死んでてもハンサムだぜ」って絶句するニックの一言に、それじゃない感を感じつつ、(だよな……😇👍)と同意を禁じ得ない。

グレース・バラード(ジェマ・アータートン)

⇨チャールズの叔父を殺した犯人のうちの一人。女優。

彼女に至っては、ラストまでそんなに…って感じだったのですが、駆け出しの頃に出演していた「矢吹き姫」の役柄が“吹き矢使い“だったことから犯人に結びつく事となります。

…いや、「矢吹き姫」って!!笑
タイトルだけで十分笑えたのに、畳み掛けてスマホに表示された「矢吹き姫」のDVDパッケージ画像を見て笑い死んだ。

細かい!パッケージ画像が映るのなんて、たった1秒なのに!
我々のツボは最後まで狙われてました。

ローラン・ドラクロワ(ダニー・ブーン)

⇨モナコ警察の警部補。スピッツ夫妻を殺人容疑で調べている。悩ましい表情でタバコを吸いながら、その煙で輪を作り出す癖がある。

個人的に一番好きだったキャラクターです。

人質としてカーチェイスに巻き込まれて車がクラッシュした後なのに、苦悶の表情でタバコを吸って煙の輪を作るあたり。
何の捻りもないのに面白い。

スピッツ夫妻を指名手配犯としてニュース速報流してる時も、何を話してるのかわからないけど、とりあえずニックが刑事への昇格試験に落ちたことだけなぜか英語に翻訳して念押し。
絶対ニュースでいう必要ないのにね。笑

ただ一点だけマジレスすると、そのショットは向かって左側にスピッツ夫婦、右側の大きい鏡越しにバーテンダーっていう構図で、急な洒落た演出にヤられました。

スージー・ナカムラ(忽那栞里)

⇨キャヴェンディッシュの元婚約者で現在はチャールズの叔父の妻。

こちらも出演していることを知らなかったからびっくり!

『デッドプール2』への出演といい、英語が堪能なことは日本の女優さんにとって最強の切り札なんですね。

世界のジェニファーと、堂々と掛け合いするシーンも最高でした。
日本人として、見ているだけなのに勝手にテンションが上がる!

ハリウッドの映画製作と、スター俳優たちの役作りなど、間近で体験することで、栞ちゃんはこれからも想像を遥かに超えるステージに上がるのでしょうね…。

死に際、ハンドサインで犯人を伝えようとするのに、オードリーに一生当ててもらえないまま絶命しちゃうのは、可哀想だったけどファニーでした。


と、まぁまぁ。

他にも沢山ツッコミ待ちの登場人物がいたはずなのですが、記憶が薄れてきたので、この辺で終わります。

次回作も激しく期待!

3年の時を経て、続編製作が発表されている『マーダー・ミステリー』。

今回、『オリエント急行』にすまし顔で乗るオードリーのラストショットに「また殺人事件巻き込まれるがな!笑」と全視聴者を総ツッコミ化させてたあたり、期待はしてたけども!!
またアダムとジェニファーが殺人現場に帰ってくるのを、楽しみに待ちたいと思います。

久しぶりに誰かとハシャギながら、もう一回見たくなる映画でした。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。




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