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オランダ発Miso屋:Miso屋を個人事業レベルなのに、日本の田舎と海外二拠点で起業。エコ移動式味噌蔵建設への道⑦

お久しぶりです。というより、お久しぶりになってしまいました。
ごめんなさい。もうすっかりロッテルダムは肌寒く、クリスマスのイルミネーションもちらほらしてきて、あぁ今年も終わる。と感じさせられる日々です。
オランダに戻ってきて、もうすぐ2ヶ月です。自営業だと、もう完全に毎日がスペシャル(by竹内まりや)で、何をしていたら、こんなに時間が過ぎるのだ?!と思う程です。

今週まではかなりタイトな予定なので、これから数回は以前に別の所で、私が書いたもののアーカイブを載せたいと思います。ご勘弁ください(笑)。



道中

2022/03/16

かなり一人旅慣れしていると思っている私でも、ヨーロッパまで24時間かけての旅は人生で初めてかもしれません。ご想像の様に、現在の成田空港は本当に、本当に静かです。コロナ前は電光掲示板にいっぱいだったフライトもほぼなくなって、コロナ以外の世界情勢的な外因もあるからかでしょうか?キャンセルになっている便は前より増えているのかもしれないです。3月の初めにオランダ、ロッテルダムに戻ってきました。


成田→アブダビ (フライト:11時間45分)
→乗り継ぎ待ち (6時間)
アブダビ→アムステルダム(フライト:7時間5分)

最終目的地の国によって用意しなければいけないドキュメント(陰性書類、ワクチン証明など)が違ったりするため、もちろんチェックインにも時間がかかります。成田〜アブダビは搭乗客は満席とは程遠い状態でした。

アブダビでは乗り継ぎの飛行機が遅れたり(よくあるレベル)、乗り継ぎのターミナルが2回変わったり(まれにあるレベル)、アムステルダムでは飛行機の搭乗客全員分のラゲッジが空港内で何故か紛失したり(どうしたらそうなる??レベル)、その為受け取りまでに数時間かかったりして、なんだかんだでロッテルダムの自宅に着くまでに33時間かかりました。

「アブダビからの便に搭乗していた皆様、空港内で紛失していたみんなの荷物が今見つかったよ!イェーイ!」という空港アナウンスと共に、何故か生まれたスタッフと搭乗客全員の団結、拍手と歓声が荷物受け取りフロアーを包みます。よくわからないけど、みんなで何かを達成した気分で、私ほぼ一日寝てないけど、とりあえず、わーい!

電車が遅れて20分待たされた挙げ句に、キャンセルになったり。ポストに入っている宅配表が「ご不在でしたので、代わりにご近所さんにお渡ししました。宅配完了。」になってて、え?マンションだからとりあえず50部屋くらいこの1棟にあるけど、ご近所さんってザックリし過ぎてて、一体どの部屋?誰?!駅の郵便局18時まで営業だから、17時55分前に着けばギリギリ間に合う!っと思って、急いで行ったら17時50分にはシャッターを閉めようとしている、スタッフのおじさん。「お客はいないし、僕はお腹空いてるし、ケバブ買って18時5分の電車で家に帰りたいんだよ。」

自分のテリトリーでは「常識」である事が、思いっきり斜め上を行った形で返され、それが違う場所では「日常」だったりする新鮮な世界に触れる度に、自分の力が及ばない事はイライラしない、予想外の物事はむしろ自分の経験値をアップできる面白く意外な機会!と感じる様になりました。そして、そんな意外な機会は素敵な出会いや体験を運んできてくれるものだったりもします。「トラブルなんて起きるものだから、みんなそうなんだし、一緒に解決できたら、団結感!」正に空港でのラゲッジ、ロスト&ファウンドです。

電車がキャンセルになったのが寒い日で、「あーもう、遅れるの確定だし、ココアでも買って次の電車待とう。」とキオスク行ったら、「電車キャンセルになっちゃったから、鉄道会社が無料で暖かい飲み物お客さんにあげてーって。あら、それ着物?凄く素敵ね。」キオスクの人はニコニコとココアくれたり。

荷物を探して数件ご近所さんを回ってた時、玄関にスケートボードを置いてある女の子に出会って、「スケートするの?女スケーターって本当にいないよね。今度一緒に滑り行こうよ!」となったり。

私がおじさんの代わりにケバブ買ってくるから、その間に荷物出しておいて!おじさんも「よし、分かった!」。それから駅を通る度に挨拶するようになって、荷物持って行く度に仲良くなったり。

順調に物事が進んだら、むしろその事だけで純粋に凄いし、素直にありがとう。

アブダビまでの飛行機でどの映画観ようかな?と思って選んだのが
「Into the wild」でした。何度も観たこともあるけど、久しぶりに観ました。初めて観た時は主人公のクリストファーと同じ歳くらいでした。ロンドンで多様な価値観に触れて、バックグラウンドの異なる人に出会い、大学の授業では「ビジネスとは売って、売って、成長し続けるもの」という言葉にどこかもどかしさや、大量生産・消費に違和感を感じて、一人専攻のマーケティングとは畑違いの分野の本や文学を読んだり、様々友人達とな夜な夜な語ったり。それこそ、この映画にも出てくるトルストイもよく読みました(トルストイは私の好きな小説家の一人、この話はまた今度)!

高校の時から18きっぷで休みごとに日本中を放浪、ヒッチハイクして、「旅人」と高校3年の時の進路で書いてしまう私にとって正に旅は永遠のテーマです。当時この映画の事を母に教えたら、映画を観た母は「もしかしたらエリちゃんは、このまま旅に出て、いなくなっちゃうんじゃないかしら?」と心配になったそうです(笑)。「旅」って、気合を入れて休みを取って行かなくても、実は自分を見つめ直す時間だったり、慣れきったコンフォートゾーンから一歩踏み出す事であったり、人との出会いだと今は思います。家の扉を開けたら全く違う出来事、発見があるという事に気がつけば、むしろ毎日が珍道中。

写真はロンドンの時に仕事を2週間休み、「私砂漠で一人、満月を観てきます。」と上司に告げて、スペインのタバナス砂漠に行った時のモノクフィルムのセルフポートレート。旅ってほんと予想外の事しか起きない。この時も、最後の村で砂漠に一人入る前に水と食料買ってかなきゃなぁ。って思ったら、ガッツリ財布忘れたとか(笑)。でも言葉にならない、息を呑むほどの美しい満月を見ました。

映画でクリストファーが「Happiness is only real when shared」(幸せは共有された時のみ本物になる。って感じでしょうか?)とノートに書くシーンがあります。美味しいものも、好きな人と一緒に食べた方が、美味しいですものね。

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