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わかおの日記4
つまりはやることがないのである。誰からも何も強制されず、また「これをしなければ後々困る」といったようなこともないのだ。もともと強制されたことに従う性分でもないけれど、ここまで暇だと逆に困ってしまう。
朝起きてすぐに散髪に行った。家の隣の理髪店は、割合に技術がよく、顔剃りやシャンプーを付けても2000円なので通っている。半年前に染めた髪の毛が、さすがに色を失ってしまったので、染め直そうと思った。
しかし理髪店に行ったことで1日分の対人ゲージ(わかお固有の概念。他人と接するときに消費されるエネルギーの総量。その日の体調、精神状態によって大きく左右される。特に同世代の異性や、個別指導塾の教え子、または教室長などと会話すると大幅に減少する)を使い果たしてしまったので、薬局でヘアカラーを買って自分でやることにした。
ぼくには小学校二年生の弟がいる。ぼくとは正反対のような弟で、女の子によくモテるうえに社交的だが、頭のできはあまりよろしくない。おまけに口から生まれてきたのかというくらいよくしゃべるので、正直うっとうしい。
その弟がハムスターのトイレ砂を買うというので、ヘアカラーを買うついでについて行ってやった。弟と外出するのは気が乗らなかったが、実の兄にも愛されない幼い弟の不憫さを考えると胸が痛んだので、頭を撫でてやった。憎まれ口ばかりたたく生意気な弟であるが、あれでいて人一倍動物をかわいがるなど、純粋なのである。
染髪はうまくいった。なんかもう茶髪にしないと落ち着かなくなってきている。別にぼくの髪の色など誰も気にしていないとは思うけれど、なんか茶色のほうがしっくりくる気がするのだ。病気だろうか。
その後はとくにすることもなく、ラジオを聞きながら昼寝をしたり、ギターの練習をしたり、筋トレをしたりして時間を潰していた。京都にいた間の暴飲暴食のせいで、2キロ近く太ってしまったので、痩せなければならない。しかしぼくは、「有酸素運動は親の仇でござる」という名言を残すほどの有酸素運動嫌いなので、ダイエットの道は前途多難である。くわえて明日から怒涛の5連勤である。理由もなく個別塾のバイトを始めたぼくが悪いのだ、生徒にはあたらないようにしたい。
追伸 ペットショップで見た猫が、可愛すぎてなんかふつうに腹が立ちました。
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