花晴

自分と向き合う物語。

花のち晴れ、最終回。ついに、終わりました。最初は、花男にはかなわないって思ってたのに、いつの間にか火曜日が楽しみになってた。

どんな話だったか振り返ってみると、自分の気持ちを見つめて、自分とまっすぐに向き合った人は幸せになれるって話だった。自分らしくいること、それが幸せ(自分の生きやすさ、周りからの評価)に繋がる。

天馬くんが音に語りかけるシーン。天馬くんのために彼の側にいることを決意した音と、音のために彼女との別れを決意した天馬くん。

「音、ほんとにありがとう。今まで音がいてくれて、本当に救われた。音との思い出は、全部宝物だ。改めてきちんと向き合ってから、さらに音が好きになった。ほんとにほんとに、大好きだった。
けど、音を変えたのは僕じゃなくて神楽木だった。今日の試合もそう。いっつもミラクルを起こすのは、神楽木なんだ。ずっとわかってたんだ。けど、認めたくなくて。つなぎとめたくて。僕の大好きな音を、僕がつぶしかけてた。」

一言ひとことを、かみしめるように言う天馬くん。ついに、自分の気持ちと、そして音の気持ちとまっすぐに向き合う。

「もう終わりにしよう、音。
僕が音にできるのは、音が音らしくいるために背中を押すことだ。もう周りを気にしなくていい。自分の気持ちに従って。
ありがとう、音。最後まで僕を選ぼうとしてくれて。それだけで、僕は十分幸せだよ。
ほら、もう泣かない!僕のためにも、笑って!」

天馬くん、最高すぎか。最高すぎて、2回も巻き戻してしまった。
自分の”好き”を前に進めるために、最後まで言葉を伝える心の強さ。
好きで大好きで仕方ないくせに、相手の恋の背中を押す誠実さ。
相手の行動が義務感によることを見抜いているのに、感謝する愛の深さ。

これから、天馬くんにも幸せが訪れるといいな。というより、これまでの葛藤からの解放が、すでに天馬くんが生きやすくなる第一歩であり、幸せへ踏み出している。

このシーンも好き。

(みぃたんと結婚することになった紺野さんに対して)あいりん「そんな人と結婚して大丈夫?」
(あいりん、手厳しい!)
紺野サン「(私は)みぃたんといるときのウチが、宇宙一好きだから。

誰を好きなのかって、誰といるときの自分を好きなのかってことなんだ。
これを踏まえると天馬くんの「音を変えたのは神楽木だった」という一言が、より切なくなる・・・。自分といるときの音より、神楽木といるときの音の方が、”音”らしくて魅力的だったってことだから。

そして、めぐりん「宇宙一自分がキライになる前にケリをつけたんです。」
・・・
「音は、今の自分が宇宙一好き?」

音がハルトを好きなこと、みんな気づいてしまってる。それでも気持ちにフタをして、天馬くんの側にいると決意する音。

一方、ハルトと別れためぐりん。それはハルトの気持ちを応援するため。ハルトはやっぱり音が好きなのだ。めぐりんも、天馬くん同様、自分にも相手にもまっすぐに向き合っていた。だからこそ、ハルトへの気持ちにフタをする音を見ていられない。
めぐりんは、ハルトに失恋して間もないのに、その初恋の恋敵、けれど初めての友だちである音を、精一杯気遣って「音は、今の自分が宇宙一好き?(自分の気持ちにフタをしたままでいいの?)」と尋ねるのだ。

しかし、音は「うん、もちろん」と答えちゃうんだ。ハルトが好きって気持ちより、天馬くんへの罪悪感やめぐりんへの申し訳なさを優先しちゃうんだ。これ、周りの気持ちを優先しているようで、結局は自分が傷つかないための誤魔化しだから。
「私が我慢してでも、周りのみんなを幸せにしたい。」そう思っている音は、自分のほんとの気持ちを周りが知っていて、彼らは自分を想ってくれていて、動けなくなっている音を見て、周りが傷ついていることには気づかない。
ああ~もどかしい・・・。

それに引き換え、ドラマの序盤で失恋し、自分と向き合い始めたあいりんはカッコいい。

(前述のめぐりんの言葉に対して)あいりん「あいりもめぐりんも、たーっくさん恋して、宇宙一自分を好きになるんだから。わかった?」
(音と別れ、音の背中を押した天馬くんに対して)あいりん「失恋の先輩として言っておく。これから楽しいことたくさんあるよ。」

そして、天馬くんの母、リエさんの言葉。

「負けを知ったあなたは、もっと強くなる。」

うまくいかなかったってことは、自分と向き合えるチャンスを手に入れたってこと。これから、自分らしくいられる道に方向転換できるってこと。うまくいかなかったことを悲観する必要はないのだ。これから、どうにでもなる…!

最後に、音とハルトがお互いに好きだって認めたときの言葉を置いて、終わりとする。

「「大嫌いだった自分を、ほんの少し好きになれた。(あいつといるとき、)自分らしくいられた。」」

どんな自分を見ても。それが例え、キライな自分でも。
「自分は自分なんだもん、しかたないじゃん」って思えれば、キライな自分を認められて、自分らしくいる勇気が湧くんだろうな。

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