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人はやわらかい地雷を抱えて生きている

日本語教師のわかばです。京都を拠点に関西で日本語を教えています。
ときどきライターとして記事を書いたりもします。

今日はSNSで教えてもらった漫画を読んでいました。こちらです。

まだ2巻までしか読んでいないのですが、とてもいい話です。

ヤンキー君が、弱視で白杖を持った目が不自由なユキコさんと出会うところから物語ははじまります。この二人を中心にして、様々な生きづらさを持った人たちが登場します。その人たちが自分の事情を明らかにし、お互いに少し歩み寄り、生きづらさを和らげ、人生を切り拓いていく物語です。

わたし自身は、1巻のユキコさんのお姉さんの話に自分が重なりました。

ユキコさんと住んでいるお姉さんは、ユキコさんのことが心配で心配でたまりません。そこにヤンキーが現れたものだから、もっと心配になります。そして、心配のあまり、ことあるごとにユキコさんに怒ってしまうお姉さん。ユキコさんはお姉さんが怒っているのが辛いと感じています。

そんなお姉さんにユキコはこう言います。

「お姉ちゃんが見てるのは、わたしじゃないよ。自分の心だよ」
「お姉ちゃん、わたしを見て」

そして、ヤンキー君はお姉さんに「孤独なんじゃないですか?本音を話せる人はいますか」と聞きます。そう言われたお姉さんは思わず涙が溢れます。

お姉さんを自分に置き換えて、「ああ、これは娘の言葉だなあ」とおもいました。わたしも不登校の娘の将来に対する不安と恐怖にがんじがらめになっていたんだ、と。本当の娘を見ていなかった、と。

このように、読み進めれば読み進めるほどに、自分に置き換えて考えられるだけでなく、世界が広がり、自分は知らないことばかりだなあと教えられます。そして何より名言の宝庫です。2巻までの名言のなかでも特にここは名言です。

「世の中はな事情を知りゃあ見方がガラッと変わることばっかりなんだよ。世の中にはいろんな事情の奴がいる。そのことに気づくのが『大人』になるってことだ」

でもオトナでもなかなか気付けないのですよね。わたしもほとんど気づけておらず、反省しきり。

でも、みんな何も言わなければ、気づけないんですよね。大事なのは「きく」ことと「はなす」ことですね。わかってもらえなかったらどうしようとおもって、不安になりますけどね。「この人なら」とおもった人には話してみるといいかもしれません。

そして、もうひとつ、事情もあるけれど、最近、人はみんな心の中に「地雷」を抱えているんじゃないかと感じるようになりました。どうしてもふれられたくないものや、それを言われると感情があふれてしまうもの。それって本当に人のやわらかい部分にそっと存在しています。

でも、そういうものって、人と関わることによって、爆発しちゃったりしますよね。でも、そういう過程を経て、いい意味でも悪い意味でも「人は変わる」とおもいます。

誰かと出会ってはなすということは自分を変えるチャンスかもしれません。

では、また!

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日本語教師でライターが日常をみつめるエッセイです。思春期子育て、仕事、生き方などについて書きます。

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