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上級に日本語教科書はいらない

日本語教師のわかばです。京都を拠点に関西でフリーランスをしています。ときどきライターとして記事を書いたりもします。

よくTwitterで「上級のいい教科書ないかなあ」というツイートを目にします。

そこで言いたい!

「上級に日本語の教科書は必要ないです!」

もちろん教材は必要です。でも、生教材を使えばいいと思うからです。もちろん、著作権のことは考えなければいけませんけども。というわけで今日は「生教材を使う上級」について書きます。無料版です。

レベルが上がるにつれて、聴解、読解、口頭表現に分けてスキル別に授業することが多くなります。ですから、上級の聴解、上級の読解、上級の口頭表現と色々探してしまいがちです。でも、レベルが上がると、学習者の目的やこのみも様々になってきます。

その中間をとったようなテキストは内容がつまらないし、例えば、ビジネスやアカデミックなど目的に特化したものは、本当に合っているならいいけど、学習者の目的にぴったり合うことは本当にまれです。

だからこその「生教材」です。以下に使える生教材をあげておきます。

読解

①本を買ってもらう

なんでもいいので、学習者が楽しく読める本を一冊買ってもらってそれを教材にしてしまう方法。今までわたしが学習者と読んだことのあるのは、星野道夫「旅をする木」です。N2くらいでスラスラ読めます。
https://amzn.to/3c4hsjm

それから、ビジネスパーソンで接客業だった方には、日本人向けに書かれた接客の本を買ってもらってレッスンしたこともありました。
https://amzn.to/38Zc7HY

文庫本や新書は1000円以下で買えてとても安いのが魅力。わたしはいつもいくつか持って行って少し読んで選んでもらっています。

ビジネスの本もいろいろ出ているから、学習者と一緒にアマゾンとかみながら選ぶこともできるしそれだけでも勉強になります。

②青空文庫を使う

青空文庫もおすすめです。もちろん昔の文学作品が多いので、上級者でも難しいものが多いのですが、普通にN2くらいで読めるものもあります。詩なんかだとたくさんあります。宮沢賢治の「雨にも負けず」とかN2くらいなら読めますし、音読の練習にもぴったりです。

聴解

①ニュースを使う

みなさんおなじみのNews web easyは、N3くらいからいけますし、他にもAbemaニュースとかもいいですね。ニュースは一緒にみてもいいですけど、ニュースを指定してリンクを送って、どんな内容だったがきいたりしてもいいです。そのあと意見などを交換できるとさらにいいですね。ニュースはいきなり使うとびっくりするので、最初は天気の話題なんかを取り上げると入って行きやすいです。

②TEDを使う

TEDにはたくさんの日本語のスピーチ動画があります。これだけで15回の授業が作れそうなほどです。

③CMを使う

TEDもニュースも一人語りなので会話を聞かせたい時は、CMがいいですね。わたしは東京ガスやTOYOTA、SAPPOROの大人エレベーターのCMをよく使っています。

そういえば、以前ブログにこんな記事も書いていました。こちらもご参考までに。

それから、口頭表現は完全に自分でオリジナルの素材を作りますね。それについてもまた次回記事にしようとおもいます。

生教材を使うには、生教材を見つける眼をいうのも養っておかなくてはいけません。日々、いろんなものにアンテナをはっておく必要がありますね。

では、また!

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日本語教師でライターが日常をみつめるエッセイです。思春期子育て、仕事、生き方などについて書きます。

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