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「私を支えるもの」を読んで

月曜日の無料版です。

先週は「わたしを支えるもの」という2冊の本を読みました。同じタイトルの本を時を同じくして2冊読むというのに運命のいたずら的なものを感じます。

一冊は益田ミリさんのすーちゃんシリーズの最新作の「わたしを支えるもの」

益田ミリさんの本は「読む精神安定剤」です。どうしようもなく心がザワザワする時、読むと心のザワザワがどこかに落ち着いて行くのです。まるでマッサージで凝り固まったリンパを流すように。

それはどうしてかというと、本当に淡々とした日々の何気ない出来事にスポットを当てて、そこに意味を持たせてくれるからだとおもいます。

今回もそんなふうにして読みました。以下はあらすじです。

すーちゃんは40歳、独身で保育園の給食室で働いています。将来の不安やひとりぼっちの寂しさを抱えながら生きています。そんな時、お父さんが急死。職場の同僚も、病気で倒れてしまいます。すーちゃんは好きな料理で、病気で休職中の同僚を支えていきます。

わたしもそうなのですが、本当に今の世の中ってコロナ禍もあって「自分の人生、これでいいのか?」って思っている人がたくさんいるとおもいます。

でも、どういう状態になれば「これでいい」と思えるのかはわからなくて迷うのですよね。

それは自分の心持ちひとつです。

心持ちを変えるには、世界の見方を変えるしかなくて、どうすれば世界の見方が変わるかといえば、それは自分と向き合うことしかないのです。「自分と向き合う」ってなんだか自己啓発みたいな感じがしてあまり好きではないのですが、つまり自分と会話するってことです。すーちゃんがそう教えてくれました。

人ってこうやってずっと自分とおしゃべりして生きている。
それは友達を一人連れて生まれてきたということでもあり
その友は、死ぬまでいっしょにいてくれるのです。

自分との会話のなかに、世界の見方を変えるヒントが隠されています。

すーちゃんはこのあと、危うく不倫しそうになるのですが、自分を支えるのは、他人に寂しさを埋めてもらうことではないと気がつきます。自分を支えているのは、誰かを支えている自分だとおもい、そんな自分を大切にしようと決心します。なんだか最近考えていたこととものすごく重なって、ホロリとあたたかい涙がでました。

最後にすーちゃんのともだちのさわ子さんがこういいます。

もうアレ言うのやめようと思って。
「年をとってしまった」って言い方。
40歳になってしまったとか
45歳になってしまったとか
しまった、しまったって生きてくの、いやになっちゃった

自分を大切にするには、自分を傷つけるような言葉を自分で使わないことが大切ですね。

では、また!

ちなみにもう1冊はこちらです。
次回、レビューを書きます。


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日本語教師でライターが日常をみつめるエッセイです。思春期子育て、仕事、生き方などについて書きます。

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