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大人のショートショート「懇願から生まれる新しい形」
大人のショートショート「懇願から生まれる新しい形」
夜を迎えた繁華街。
男は千円札を握り締め、スーツ姿の男へ懇願する。
「お願いします。この千円分だけでいいんです。本当に1週間喰ってなくて。味わいたいんです。」
スーツ姿の男は呆れた顔で答える。
「お兄さん、困りますよ。風俗で”量り売り”なんてやってないんですよ。」
おしまい
大人のショートショート「理由」
大人のショートショート「理由」
「遠くまで飛ばせたな」
コーチは汚れた手をタオルで拭きながら私のことを褒めてくれた。この3年間、他の部員や親にも内緒で、コーチと一緒に隠れて特別な特訓をしてきた甲斐があった。
おしまい
大人のショートショート「不意に訪れる静寂と孤独」
大人のショートショート「不意に訪れる静寂と孤独」
彼女は僕の頭を撫でながらよしよししてくれた。
僕はすぐに頭に血が昇りいってやった。
会えなかった日々に溜まっていたものを彼女にぶつけてやった。その瞬間、彼女は悲しそうな顔を一瞬、見せたが僕には関係ない。
だってもう僕は賢者なのだから。
おしまい
大人のショートショート「泥棒」
大人のショートショート「泥棒」
男は泥棒の顔に笑顔で銃を近づけた。
「ようやくこの時を迎えることができたよ。」
泥棒も笑う。
「あら。嬉しいこと言ってくれるわね。私もよ。」と女は男の銃を握りながら言った。
どうやら女にとって男も泥棒だったようだ。嬉しさのあまり男の銃は暴発してしまった。
おしまい
大人のショートショート「我慢」
「我慢しなさい、男の子でしょ。」
こんな時ばかり男か女かで言わないでほしい。そんなことを言われたって無理ものは無理だ。
その数秒後、落胆した声を発した彼女だったが、その顔は艶やかに輝いていた。
おしまい
大人のショートショート「質問」
大人のショートショート「質問」
「ねぇ、どうなの?質問に答えてよ。」
彼女は俺が答えにくいことばかり質問してくる。いまは集中したいんだ。彼女が求めるような正しい答えはすぐには言えないが意識が朦朧としながらもなんとか声を発した。
「だったら俺の息子に聞いてくれ。」
彼女は俺の息子をせめた。
俺の息子はすぐにいった。
おしまい