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振袖と卒業~在りし日の亡霊編~

劇団WAGNASオンダです!

一応これは前編ですが内容にあまり関係はありません!

今回は本当に卒業の話です!振袖はあまり…いや全く関係ないですが!

僕は卒業式に思い出や思い入れはありませんでした。
母校の中学校の卒業式なんかは卒業生の7割超がボロボロ涙を零していましたが、「今生の別れでもあるまいに…」と、白けた気持ちで参加していました。

実際僕の地元は東京に非常に近い埼玉という事もあり、親の事情の引っ越しや特殊すぎる分野を学びたくてそれが地方にしかないという場合を除いて、住まいや生活圏は全員変わりませんから。

それは高校も専門学校の卒業式でも変わらずでした。

どうせ何も変わらんでしょと。
人間の肩書が変わるだけで、その肩書に何の価値もないと思っていたわけです。

しかし小学→中学→高校→大学は確かに肩書が変わるだけですが、大学や専門学校の卒業は肩書が変わるのではなく、肩書が外れることなのだと専門を卒業してすぐ気づかされました。

きっと大学もそうなのだろうけど、言わばモラトリアム的な、一見何もかも自由に見えるけど本当はすごく守られているという、「学生至上最強にして最後の肩書」を行使できる期間です。

堂々と22時以降も外出やバイトが出来、成人していれば酒も飲めるしタバコも吸える。
賭場に入ってギャンブルも出来るし、当人同士の合意があれば堂々とラブホテルにだって行ける。
それなのに、犯罪やあまりに逸脱した行為でない限りは、最終的に親や学校が守ってくれるわけです。

僕自身、そんな専門学校時代は毎日が本当に楽しかったし、その卒業式そのものは悲しくなかったけど、一種のチュートリアルが終わったんだなという寂寥感と妙に爽やかなふわふわした気持ちを感じたのは覚えています。

そしてなんやかんやと時を過ごし今日に至るわけですが、今でも不思議なことに月に1度程度専門学校の卒業式の夢を、かなり鮮明に見ることがあるのです。

目黒の会場で朝の集合から式典を経て、夜はクラス全員で渋谷のバーを貸し切ってオールナイトでドンチャン騒ぎ、朝になり大体は解散しましたが、
それでも残った数名で何故か池袋のサンシャインに行って、夕方までダラダラ遊んでいた記憶が、サーーっと流れていくのです。

最後はサイゼリヤへ行ったのですが、もはや話すネタもなかったのか各々が最後の時間を噛み締めていたかったのか、あまり会話もありませんでした。

きっとそのとき最後まで残っていたメンバーは、今ここで別れたら次会う時は学生ではなくなっていると、せめて今この時間だけでも学生を延長出来ないものかと考えていたに違いありません。

そんな当時の感情の機微まで感じられるような、リアルな夢なのです。
しかも最終的に「明日からの社会人人生どう生きてやろうかな!」みたいなひどくポジティブな気持ちと同時に目が覚めてしまうのです!

ゆえに目が覚めた瞬間の絶望も半端ないのです…

さっきまで希望に燃えていたフレッシュな二十歳の自分が、目を覚ますと倍近く年齢を重ねてくたびれて男になっているわけだから、それも当然ですが(笑)

とまぁ、この夢のたびに専門学校のことを思い出します。

ワグナスのnoteをよくお読みの方はご存じと思いますが、副長アキラとは専門学校の同級生です。

専門学生の時、まさかこれが終わったら本当に社会に放り出されるとは思ってもいませんでした。
いや、わかっていたのでしょうが、そう思いたくなかったのかもしれません。

冒頭にも述べましたが、学生の肩書を失ったとたん、すべてが自由で自己責任になりますから、その中で自己を確立して生きていくことは大変だった。

それでも、なんやかんやと苦労したりしなかったり、定期的に楽しいこともありつつと、今日のこの日まで生きながらえてきました。

輝いていた専門学校時代に、楽しかったなぁとも戻りたいなぁとも思いますが、やり直したい的な後悔を持つことは意外とありません。
もしかしたらアキラはこの発言に違和感を持ったりチキンなどと言うかもしれませんが、本当にそうなのです。

まぁ…もう少しうまくやれたかなとは思いますが、あれが僕にとっての最良のハッピーエンドだったのだと思っています。

ただ、もしかしたらトゥルーエンドもありえたかもしれない…
そんな僕のみみっちい後悔から生み出す惜別のような気持ちが、「在りし日の亡霊」となって、今の僕に楽しかった頃の夢を見せてくるのかもしれません…。

とはいえ、タラレバはキリがないし、当然ゴールは一つではない。

オンダ的には正解でもアキラ的には不正解だったり、その逆もあるかもしれないし、それも本当にキリがない。
自分の気持ちに嘘をつくこともあれば、他人の気持ちを勝手に想像して決めつけてしまうこともあるかもしれない。

でも、あの頃ああだったよなーとかああしておけば変わったのかなーとか、あの日の亡霊が過去の記憶を呼び覚まし、今宵のお酒を美味しくしてくれます。
ゆえに僕が「在りし日の亡霊」から卒業するのは、まだまだそれなりに先になる事でしょう。

いや…むしろ僕こそが「亡霊」であり、「在りし日」という名の呪いに死ぬまでに縛られ続ける存在なのかもしれません。

その位に学生時代の思い出は「濃い」ものです。
特に大学生や専門学生など最後の学校となる皆さんは、限られた今を思う存分に楽しんで欲しいと切に思います。


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