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モチベーションが上がらない原因を他責にして終わらせてはならない

現代では、様々な場面でメンタルという言葉が使われています。
これほどまでに注目されているのは、成長するためであったり、目的や目標を達成する上で欠かせない要素だからです。

例えば、目標を達成するためには、経験に裏付けられた知識や技術などが必要ですが、その時のメンタルの状態が重要視されます。
メンタルとは、心や精神そのものではなく、そこに関連する心理状態や調子ですので、その時々で、好不調があるのが当たり前です。

失敗ばかりを繰り返すことで自暴自棄になってしまうと、ネガティブなメンタルとなり、何をしても良い結果が得られなくなってしまいます。
対して、成功が続いていることで、何をやっても上手く行くようなポジティブなメンタルとなり、何をしても良い結果が得られる可能性も高まります。
その意味でも、如何にして、メンタルをポジティブな状態に保てるかが重要となります。

そのためにはモチベーションという動機付けが必要という考え方があります。
これは、1950年代に研究された理論で、日本で使われるようになったのは、比較的最近の2000年以降といわれています。

モチベーションは、内発的モチベーション外発的モチベーションに分類できます。

内発的モチベーションとは、自身の欲求を満たすために能動的に湧き出るものです。
対して、外発的モチベーションは、外部から与えられた賞罰により受動的に起こるものです。

組織に属する個々は、人格が異なるのは当然ながら、能力にバラつきがあるのも事実です。
そのため、全ての課題に対して、全ての人たちが、内発的モチベーションを持つのは困難かもしれません。

よって、組織としては、一時的に外発的モチベーションを有効に活用して、個々の行動を促すことも必要かと思います。
しかし、注意すべきは、一時的であることです。
外部モチベーションを部下に与え続け過ぎると、部下の中には、モチベーションとは与えられるものと錯覚してしまう人がいるからです。

内発的モチベーションを高めるための指針を、アメリカの心理学者のマズロー氏が説いた自己実現理論で考えてみます。
これによると、人の欲求は5つの階層に分かれています。
第1階層から順に、「生理的欲求(食べたい・眠りたい)」、「安全欲求(安全かつ健康に暮らしたい)」、「社会的欲求(組織に所属したい)」、「承認欲求(誰かに賞賛・評価されたい)」、「自己実現欲求(理想の自分になりたい)」です。
そして、これらは必ず「低次の欲求」から順に満たされていくとされています。
よって、まずは、外発的モチベーションとはなりますが、生理的欲求や安全欲求を満たしてあげることからが大切です。

外発的モチベーションですが、必要以上に促し過ぎると、極端な話し、指示を受けないと行動することが出来なくなってしまいます。
しかし、外発的モチベーションは有限であり与えるには限界があります。

認知バイアスの一種に、ダニングクルーガー効果と呼ばれるものがあります。
これは、能動的に行動できないにも関わらず、それを受け入れず自分を過大評価してしまう現象です。
この場合、自分が行動できないのは、自分に問題があるのではなく、指示を与えない側に問題があると捉えてしまいます。

モチベーションですが、まず、個人的には、受動的な外発的モチベーションに依存することなく、能動的に行動することができる内発的モチベーションを創造することが大切です。
そもそも、内発的モチベーションで行動を継続することで、それがあたりまえの基準となり、いずれ、モチベーション云々ではなく、やらずにはいられなくなるはずです。

また、組織としては、外発的モチベーションを与えつつも、個々に内発的モチベーションを創造してもらえるような環境、文化を整える必要があります。

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