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【朝食は抜いた方が良い】論争について、メタボ指導6,000人超えの管理栄養士が思うこと

メタボあるある、朝食抜き

「3食食べたら太りそうな気がする」
「朝はプロテインだけ」
「トレーナーさんに抜いた方がいいと言われた」
「オートファジーが良いと聞いた」

 いろんなことをきっかけに朝食抜きになる方は多いですよね。私自身、トレーナーからも、お客様からも、「朝食を食べた方が良いか」とよく聞かれます。

朝食を抜いてもいいのはこんな場合

① 朝食を抜いてもその他で必要な栄養量が問題なく摂れる
② 筋肉量が減らない
③ 血液検査の結果が問題ない
④ 内服薬がない
⑤ お子さんがいない

 上記に当てはまる場合は、朝食抜きやオートファジーにチャレンジしてもOKと、お客様やトレーナーさんには伝えています。

① 朝食を抜いても、必要な栄養量が問題なく摂れる
 →栄養量が十分摂れているか確認しましょう。

② 筋肉量が減らない
 →筋肉量を定期的にチェックして、減っていないか確認しましょう

③ 血液検査の結果が問題ない
 糖代謝(血糖値やHbA1c)は1日2食ではむしろ悪化することが多いです。特に糖尿病予備軍の方は、痩せても食べるタイミングや量、バランスが悪いと糖代謝は悪化します。メタボの方は、1日2食と3食で自分の血糖値がどう変化しているか確認が必要です。

出典:浜田内科・消化器科クリニック 参考文献:「栄養と料理」女子栄養大学 2017年5月号

④ 食後の内服薬がない
 食後に飲む薬は、食後に消化管のpHが変化することによって溶けて、吸収できるようになります。空腹のままだと胃内のpHは強酸性で低いままとなり、薬が溶けません。薬が溶けなければ吸収されずにそのまま排泄されるため、朝食抜きで食後の薬を飲んでも、本来の効果は得られないのです。
 余談ですが、脂溶性ビタミン(A, D, E, K)のサプリメントも、油脂と一緒に摂らないと吸収されないので、食後に飲むほうが良いです。

⑤ お子さんがいない
 親が朝食を抜く家庭では、お子さんも朝食を食べない食生活につながる社会問題です。朝食を摂らずに登園、登校する子どもたちは、午前中は元気が出ない、授業への集中力にも影響が出るなどの報告もあります。一人で食事を摂る「孤食」の場合は、「誰かと一緒に楽しく食べる」ことが出来なくなり、子どもの精神発達や偏食、食事のマナーを覚えることなど、多くのことに悪影響を及ぼします。
 目先の摂取エネルギーを減らすことよりも、食生活が周りにどんな影響を及ぼすか、多面的に考えていくことが大切です。

【朝食抜き】は、その影響をしっかり追って、管理していくのが大切

「わだらぼ」の、とあるお客様の初回面談時の栄養充足率

 

2週間後、朝食を食べるようになってからの栄養素の充足率

 上記のデータは、「わだらぼ」で食事管理をしているお客様の例です。  
 「血糖値が悪い」とご相談いただいたお客様でしたが、初回カウンセリング時は1日2食の食生活で、ビタミンやミネラルなど、足りない栄養素がたくさんありました。
 3食食べるようにしましたが、体重は「月2kg痩せる」という計画通り順調に減っており、他の栄養素も充足してきています。20年間朝食抜きの食生活でしたが、本人からは「調子が良い!」と元気な声をいただいています。これでもまだカルシウムが足りていないので、将来の骨粗鬆症のリスクを下げるべく、しっかり筋肉量は維持、体脂肪を減らして痩せながら、いろんな栄養素の補給もできています。
 朝食抜きでもこれらの栄養素が必要量を充足し、かつ筋肉量も減らない、朝食後の内服薬がない、お子さんがいない、という条件を満たせるのであれば、「あくまでも、私は、朝食抜きでも大丈夫!」と言っていただいて良いのではないかと思います。

お悩みの方は個別にご相談ください。

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