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「その後の成瀬」(やすらぎハムエッグ)

ついに待望の成瀬シリーズ最新作が
掲載されている「小説新潮5月号」を購入し、
成瀬の続編である「やすらぎハムエッグ」を読みました。

いやあ、冒頭から、
「えっ?成瀬って一人暮らしするの?」
と思わせる文章に、ひやひやしましたが・・・。

ネタバレしないように気をつけて書きますが、
今回の作品には
京都大学の学生生活を始めた
成瀬の新しい相棒「坪井さくら」が登場。
その誕生にワクワクします。

お互い不愛想なキャラということで、
関係が深まっていくのですが
私はキャリアカウンセラーなので、
人としての関わり方が今回の作品では
とっても大きな学びになりますした。

坪井さくらは幼馴染の早田くんに救われ、
これまで生きてきたのですが、
その早田くんと劇的な別れ。
その二人のコミュニケーションが
「十しゃべって、一つ相槌」という言葉で表現されている。
作品を読み進めていくとこの言葉が
二人の距離感をリズミカルに印象づけていて、
頭に残ります。
早田くんという人物、これまでの成瀬を取り巻く人間関係。
そこから、その人すべてを受け入れる人の存在の大切さを感じます。

そして、今回の作品での発見は、
著者の宮島さんと成瀬の接点がはっきり見えたこと。

今回の作品の中で
坪井さくらが成瀬に
「なんで観光大使になったの?」
という質問したことに対して、
成瀬は
「わたし以上の適任者はいないと思ったからだ」と答えるシーンがある。

この部分を読んで
かつてびわこアンバサダーを務めていた
著者の宮島さんに対して、
NHK大津局の「おうみ発630」というニュース番組で
記者が
「なんでこのアンバサダーに応募したんですか?」
と聞かれたとき、こんな返事を宮島さんがしていたから・・。

2024年4月24日放送のNHK大津局「おうみ発630」より

地元愛にあふれたこの回答に、
この人だからこそ、成瀬を生み出すことができたんだ!」
と納得。

成瀬作品は3部作で終了するとのことですが、
成瀬と成瀬に絡んだ人たちの物語を
これからもずっと書き続けてほしいと思える作品でした。

成瀬シリーズが終わると、
きっと西武大津店閉店のような
これまで当たり前にあったものを失う喪失感がハンパないと思う。
そして、日本中で成瀬ロスの人であふれかえると思う。
そのときまで、成瀬シリーズを読めるありがたさを感じておきたい。

以前、私が書いた「成瀬あかりのゆかりの地」を巡った
こちらの記事も参考にしてください。

詳細は→こちら

ちなみに、この成瀬を世に送り込んでもらった
作家の宮島 未奈さんの「未」という漢字には
無限の可能性が込められています。

詳細は→こちら

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スキしてもらうと、お礼に私が沖縄に行って、すごくパワーをもらった
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