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約束守るなかれ

『不道徳教育講座』 三島由紀夫 より

大体人間の身体は細胞が何年かですっかり新しく入れかわるのだそうで、
「あれからみんな細胞を入れかえたから、
あの時の約束したオレは今のオレじゃない」
と言えば言えないこともない。




「約束は守るな」とか
「大いにウソをつけ」とか
「人の恩は忘れろ」とか…

一見書いてあることは大変悪いことばかりなのだけれど

作中の「約束を守るなかれ」という言葉は
度々私の気持ちを楽にさせてくれる。

過去の自分はすでに“今の自分”とは全く別人のような、他人のようなものだから
多少の失敗や挫折はすっかり忘れ去っても問題ない!
というような気持ちになる。

だから不安でなかなか踏み出せなかった挑戦にも
挑むことができるようになった気がする。

まぁ、ヒトから見たら些細な挑戦かもしれないのだけれど。。。

それでも上の一文は何か新し事を始めようとするたびに
思い出される一文なのだから、良いご縁に恵まれたものだ。

と、思う。



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