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【マス研員の本棚企画 vol.1】住野よる作品と学生時代の思い出詰まる本棚


 読んだ本が私たちの糧になる。
ならば選び抜かれた本棚には、
その人を知る〈なにか〉が詰まっているはず…!
この企画では個性あふれる本棚を紹介しながら、
日々雑誌作りに関わるマス研員の裏側に迫ります。

 こんにちは、早稲田大学マスコミ研究会です!今回から新しい連載企画「マス研員の本棚」がnoteでスタートします!
 フリーペーパー『ワセキチ』作りの中で、個性豊かな企画を考案するマス研員たち。この企画では本棚からそんなマス研員の裏側に迫っていきます。これからも定期的に更新していくのでお楽しみに!
 第一弾の今回は、この企画を立ち上げた企画員と次期幹事長の本棚を覗いていきます。一体どんな本たちが並んでいるのでしょうか……。




一人目:「読書トーナメント決勝メンバー」

本棚の全体像 面白そうな本がちらほら

学部 学年 イニシャル:文化構想学部2年 M・H
所属分科会:企画分科会
好きな作家:窪美澄 寺地はるな 深緑野分 

・この本棚のこだわりは?
 ジャンルごとに分けて整理しているところ。大まかに推しゾーン、芸人、BL、文庫本、大きめの本、で分けている。

・好きな本、おすすめしたい本は?
①伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』


引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は――たった1冊の広辞苑!? そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ! 注目の気鋭が放つ清冽な傑作。

『アヒルと鴨のコインロッカー』より
https://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488464011

 終わり方はどんでん返しよりも絶望の中にある希望を見出す感じが好き。この作品含め、絶望的な内容なのにスラスラ読めるところが伊坂幸太郎のすごさだと思う。

②ニューヨーク『今更のはじめまして』


人気芸人ニューヨーク初のエッセイ本が完成。
田舎での学生時代、東京での浮かれた大学生時代、芸人生活など
屋敷、嶋佐それぞれが自身の人生を振り返る。
NSCで出会う前の2人になぜか多い共通点や、売れる転機となった出来事など。

ワニブックス『今更のはじめまして』より
https://www.wani.co.jp/event.php?id=7486

 いい意味で楽観的な嶋佐さんと、きちんと将来の事を考えている屋敷さんの対比がよい。二人の人間性を知れる、人格形成の過程を見られる感じが面白い。


・好きな作家と、その理由

好きな作家:窪美澄、寺地はるな、深緑野分

 窪さん、寺地さんは人間関係のリアルを描くのが上手。女性視点の恋愛関係のドロドロした感じや、残酷なシチュエーションが多いのだが、最後にはきちんと希望があるところが好き。深緑さんの作品は重厚で大河ドラマのような壮大さがある。人間描写の書き込みがすごくて、中でも絶望を描くのが上手いと思う。
 好きな作家は女性が多い。昔は男性作家も読んでいたが、最近は女性視点で描かれるものが好きで、よく読んでいる。

・図書館派?書店で購入派?
 図書館派。結構本を読むため、手軽に色々な作品に出会える図書館はやはり魅力的。今は徒歩30秒のところに図書館があって、とても通いやすい。たとえ遠かったとしても、図書館派だと思う。図書館のデメリットとしては、人気の本は借りられていて予約待ちしなくてはいけないため、読むまでに時間がかかること。芸人のエッセイは推し活感覚なので図書館ではなく書店で購入している。

・次に読みたい本は?
外山 薫『君の背中に見た夢は』
小学校受験がテーマということで、受験ものが大好きなため気になっている。受験ものは人間ドラマが泥臭くて好き。

凪良ゆう『汝、星のごとく』
話題作なので、ずっと読みたい。本屋大賞などトレンドはしっかり押さえるタイプで、ノミネート作品は全部読んでいい作品を漁っている。

・本棚企画員からのコメント
 女性作家が好き、絶望の中に見える希望が好き、と一貫した好みを感じられる本棚だった。繊細ながらに前向きであろうとする彼女らしいセレクトだと思う。
 また、好きなジャンルや方向性が明確ながらも話題の本を漁ったり、図書館でさらなる出会いを探したりしているところからはしっかり読書を趣味として楽しんでいる感じがする。ジャンル分けにこだわった本棚配置、推し芸人のエッセイは購入するなど、オタクマインドも垣間見えて、彼女らしい個性ある本棚だと思う。




二人目:「中高時代の思い出が詰まった本棚」

本棚の全貌 綺麗に整頓されている

文化構想学部2年 I.R
所属分科会:取材分科会、デザイン分科会(次期幹事長)
好きな作家:住野よる

・この本棚のこだわりは?
 ジャンルや本の種類ごとに分け、全体的に統一感を持たせている。部屋の雰囲気に合ったブラウンの本棚も好み。推し作家である住野よるさんの作品を最上部に置いているのがこだわりポイント!

①住野よる『青くて痛くて脆い』

人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学一年の春、僕は秋好寿乃に出会った。周囲から浮いていて、けれど誰よりもまっすぐだった彼女。その理想と情熱にふれて、僕たちは二人で秘密結社「モアイ」をつくった。――それから三年、あのとき将来の夢を語り合った秋好はもういない。そして、僕の心には彼女がついた嘘がトゲのように刺さっていた。傷つくことの痛みと青春の残酷さを描ききった住野よるの代表作。

Amazon『青くて痛くて脆い』より
https://www.amazon.co.jp/dp/4041090156?tag=neyneyv2-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1

 登場人物がいい意味で「こじれている」のが好き。大学のサークルの話なので、初めて読んだ中学生の時よりも今の方が共感しながら読める。

②新海誠『言の葉の庭』

雨の朝、高校生の孝雄と、謎めいた年上の女性・雪野は出会った。雨と緑に彩られた一夏を描く青春小説。

KADOKAWA公式オンラインショップ 小説『言の葉の庭』より
https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g321510000145/

 映画では語られていないストーリーが補完されており、映画の解像度を高めることができる。監督本人が書き下ろしているので、少ししか出ていないキャラの過去まで掘り下げられているのも魅力!

③珈琲『ワンダンス』

自分の気持ちを抑えて、周りに合わせて生活している小谷花木(こたに かぼく)。そんな彼が惹かれたのは、人目を気にせずダンスに没頭する湾田光莉(わんだ ひかり)。
彼女と一緒に踊るために、未経験のダンスに挑む!

アフターヌーン『ワンダンス』より
https://afternoon.kodansha.co.jp/c/wondance/

 言葉で表現できないことを表現できる「ダンス」の魅力が詰まった一冊。「絵」なのにダンスの躍動感が伝わってくる。キャラクター設定も好き。

・好きな作家と、その理由
好きな作家: 住野よる

 文庫本以外で一番最初に読んだ作家さん!きっかけは小学校高学年で読んだ『また同じ夢を見ていた』。最初は表紙の綺麗さに興味を持ち購入したが、読み進めていくと「こんなに面白いものが世の中にあるのか」と、自分の中での読書の世界が広がったような感覚がした。しかし、初読の際はストーリーを全部理解できてはおらず、主人公(小学生)と同じ理解度や価値観で読んでいた。大人の世界を頑張って理解しようとしている主人公と似たような立場で読むことで、作品の世界により没入することができた。
 住野よるさんが描く登場人物は明るすぎない。自分と似ている部分があるところもハマった理由の一つ。住野よるさんの小説で、人生観や青春観が形成されたと言っても過言ではない!

・図書館派?書店で購入派?
 書店派。図書館と違って、最新の小説が揃っているから。図書館の雰囲気は好き!
 本を買って集めるのはコレクションに近い。「読んだ」という証を形にして残したい。

・次に読みたい本は?
凪良ゆう星を編む』
『汝、星のごとく』を読んだので、続編を読んでみたい!
 今までライトな本をメインに読んでいたが、凪良ゆうさんの本で初めてドロドロした本を読んだ。人間の醜いところもきちんと書ききる内容の深みが新鮮だった。

住野よるの他の小説
 まだ読めていない本がある。コンプリートしたい!

・本棚企画員からのコメント
 『コンビニたそがれ堂』や『犬と私の10の約束』など多くの人が「あの頃」に通った本があり、どこか懐かしい気持ちになった。一方で、『汝、星のごとく』や『アオのハコ』など最新の本や、『こころ』など名作もあり、本に対する純粋な愛や探求心も感じる。『アクタージュ』があるのが寂しい……
 彼の素性を知っている身からすれば、本棚企画初回にふさわしい、解釈一致とも言えるような本棚だ。多様なジャンルの中に一貫した「彼」らしさを感じる。まるで住野よるさんの小説のような「実直」な本棚は、「彼になら幹事長を任せられる」そんな信頼感さえも抱かせる。



 一人として同じ人間がいないように、一つとして同じ本棚はありません。これを機にじっくり自分の本棚を眺めてみるのはいかがでしょうか?
 個性豊かなマス研員が作りだすフリーペーパー「ワセキチ」は以下のリンクから読むことができます!

早稲田で最もアツイ出版サークル-早稲田大学マスコミ研究会 


次回もお楽しみに!

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