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桃太郎はなぜ「桃」でないといけないのか?~『桃太郎』と『節分』の秘密とは?~【上巻】⑶黄泉の国ー日本最古の歴史書『古事記』⑥ー

こんばんは。りたろです。

自らの持ち味を社会に貢献する「『和』の学級経営」を軸に発信しています。


今回は、

「日本人のための『和の国・古典文学』講座」という主題のもと

『古事記』の中にある

「黄泉の国」(上巻)を紐解くことで、

『和の国・日本』とは何か?を考えていきたいと思います。



桃太郎はなぜ「桃」でないといけないのか?~『桃太郎』と『節分』の秘密とは?~
【上巻】⑶ 黄泉の国
ー日本最古の歴史書『古事記』⑥ー
【今日の内容】

1)「桃の実」が邪気を払う!『桃太郎』の秘密
2)『桃太郎』のお供はなぜ、犬・猿・雉なのか?
3)「節分」の豆はもともと『桃』だった?!



前回の記事では、

イザナキノカミとイザナミノカミの

『言霊』によって

「なぜ人は死ぬのか?」

「なぜ人は生まれるのか?」

の理由である。

というお話をしてきました。


今回の記事では、

少し脱線して、

日本の昔話と『古事記』との関係について

お話していきたいと思います。



1)「桃の実」が邪気を払う!『桃太郎』の秘密!



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イザナミノカミが黄泉の軍隊に襲われた時、

一番最後に使ったもの。


それが、


『3個の桃の実』


でした。


たった3個の『桃の実』で

1500もの黄泉の国の軍勢を撃退したのです。


ところで。


なぜ、『桃の実』なのか?


桃ってそんなにすごいの?!


と思われた方もいたのではないでしょうか?


実は、これは『古事記』の時代に

信じられていたことが色濃く反映されているのです。


『桃の実』が邪気を払う


というのは、


中国大陸では、古来より伝えらていたことなんです!


当時、『桃の実』というのは大変珍しいものなんですね!


日本国にもそのことが伝わり、

『桃の実』には邪気を払う力があると信じられてきました。


ここで、『桃』にまつわるある日本の昔話がありますよね?


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そうです!!


『桃太郎』


『桃太郎』というように

人々を苦しめていた「鬼」(邪気)を倒すために

登場したのは


どんぶらこ、どんぶらこ

と川から流れてきた


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『桃太郎』

でした。


なぜ、川から流れてきたのが『桃』だったのか?


『ぶどう』でもなく

『みかん』でもなく

『スイカ』でもなく

『メロン』でもなく


『桃』だったのか?



それは、


『桃』が邪気を払うものと信じられていたから


なんですね!


だからこそ、

「蜜柑太郎」でも

「西瓜太郎」でもなく

『桃太郎』でなければいけなかったわけなんです!



2)『桃太郎』のお供はなぜ、犬、猿、雉なのか?



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『桃太郎』で『鬼』というのは

「邪悪な存在」として描かれています。


『鬼』といえば、

上のイラストのように「角」「虎のパンツ」を履いているものがイメージされますよね?


これは、なぜだと思いますか?


じつは、


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『陰陽五行説』


が関係しているんです!!


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『陰陽五行説』とは、
中国の春秋戦国時代ごろに発生した陰陽説と五行説、それぞれ無関係に生まれた考え方が後に結合したもの。

【出典】https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B0%E9%99%BD%E4%BA%94%E8%A1%8C%E6%80%9D%E6%83%B3


で、


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子・丑・寅・卯・辰・巳・午・羊・申・酉・戌・亥


いう『干支』でよく知られていますよね!


その中で、

「北東」の方角

「鬼門」と言われており、

邪悪なものが存在すると信じられてきました。


「北東」の方角は『丑』『寅』


です。


だから、その象徴となる「鬼」は、

『丑』のように「角」が生えていて、

『寅』柄のパンツを履いているんです!


そして、


「北東」の反対側の方角に着目してみてください!


『戌』『酉』『申』


です。


桃太郎と一緒に鬼退治に行くのは誰ですか?


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サル・トリ(きじ)・イヌ


ですよね!


「鬼」・・鬼門
「犬」「猿」「雉」・・・鬼門の反対側の方角
「桃太郎」・・・邪気を払うもの


というように


『桃太郎』という昔話は

非常によくできた物語なんです!!


昔話がなぜこうなっているのか?

ちょっと知ることができただけで

なんだかワクワクしてきませんか???


僕は、このお話を聴いて

ものすっごくワクワクしました!!




3)「節分」の豆はもともと『桃』だった?!



実際に


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奈良県にある「纏向(まきむく)遺跡」

大量の『桃の種』が出土しました。


だいたい3世紀ごろの遺跡ですが

考古学的にも『桃』が祭祀として

扱われていたことが明らかになったんです。


イザナミノカミは

『桃』を投げて、邪気を払いましたが、

みなさんもこれと同じことをしてきたことを知っていますか?


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そうです!


『節分』


です!


『節分』は、「立春」の前日に行うものとされていて

2021年は、

「立春」が一日早くなり明治30年以来

124年ぶりに一日早く行われる年なんです!


そして、

その節分では『豆』を撒きますよね?


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では、なぜ『豆』を撒くのでしょうか?


それは、


『豆』を撒くことは、『桃』を投げることと同じ意味を持っているから


なんです!!



ただし!!


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スーパーに売っている『豆』では

全く効果がありません…


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実は、「神社」にも『豆』が売られているのを知っていますか?


スーパーの『豆』神社の『豆』

同じ『豆』でも大きな違いがあります!!


それが、


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「神社」の節分祭で神主さんが炒った豆を捧げて「祝詞」をあげます。


どんな「祝詞」かというと…


実は、


『古事記』の黄泉の国のお話


なんですよ!!


イザナキノカミが黄泉の国から逃げ帰るときに
桃の実を投げて悪霊を退散させた。
その桃の実の霊力をこの豆に授けてください。


という内容の「祝詞」をあげるのです。


そうすることで、

桃を投げるのと同じ力を発揮することができるのです!


本来は、

『桃』を投げなければ、何の意味もありません。


でも、

想像してみてください。


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毎年『節分』のたびに

『桃』を投げていたら

家中大変なことになってしまいますよね…?(笑)


だから、簡略化して『豆』が撒かれるようになったんです!



このように、

『古事記』の物語は、

現代の私たちの生活文化につながるんです!


『古事記』の物語には、

一つ一つ意味があるんです!!


いよいよ、次の記事で、

皆さんが知っているあの神様が登場します!


お楽しみに!




日本国は、建国してから令和3年で、2681年。

『現存する世界最古の国家』です。


『古典文学』に触れると、

1000年以上もの間、

いろんな時代の日本人が

「きれいだな!」

「おもしろいな!」

「大切に伝えていきたいな!」

と感じたり、考えたりしてきたことが分かります。


国際情勢が混沌とする時代だからこそ、

まずは、大人であるわたしたちが

日本人の失いかけていた、日本人の一番大切な部分


『和の精神』


を取り戻して、一人一人が輝く。

大人が輝けば、子供が輝く。

子供が輝けば日本国の未来も輝く。



一緒に、『和の国・日本国』を楽しく学びましょう!



最後まで、お読みいただきありがとうございました。


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