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ある若者の心境の変化

今年、大学を卒業して、社会人4年目を迎えた。

季節は秋。
今年もそろそろ終わる。

今の私は「すでに固定化されている」ような毎日を過ごしている。平日は朝早くから会社に行き、夜遅くまで仕事のことに時間を使う。

休日は仕事の反動によって、失った気力と体力を回復させるために、ほとんどの時間を休息に当てる。ほとんどの休日は昼近くに起き、朝飯とは言えない昼飯を食べ、午後からは昼寝をする。

再び起きる時は、15時や16時になっている。

そこから少し家事をしたり、テレビやネットで動画を見て楽しんだり、オンラインショップのECサイトをみて、商品を買うわけでもないのにカートに大量に入れてみたりすることに時間を使っているとあっという間に1日が終わる。

そのため、夕食を食べたり食べなかったりすることも時々ある。

そして、また明日から戦場に向かうために就寝する。

このような日々を就職してからずっと変わらずに過ごしている。自分でもある意味すごいことだと感じている。こんなにも「日常が変わらないものか」と少しビックリするくらいだ。

ただ、不満があるわけではない。
周囲の人から見ても、私は大した生活はしていない。

それは自分が望んでいる生活スタイルだから。

と、この時までは思っていた。
それがあることをきっかけに少しずつ変化し始める。

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この年齢になると、私の周囲の動きが活発化していることに気がついた。

大学時代から交流のある友人カップルは、社会人4年目の夏に結婚をした。二人が付き合い始めたのが、7月だったからその時期に決めたらしい。来年には子どもも誕生する。

その時、時の流れがあっという間に加速したように感じた。

今まで感じたことがないようなものだった。

誰かが結婚して、子どもが生まれる話を聞くだけで、こんなにも時間の流れが早くなるものなのかと。自分でも驚きであった。

それだけ、心のどこかで将来のことに対して、不安を感じているのか?

この「固定化された日々」を過ごすことに恐怖を感じているのか?

友人からの報告はそれだけのインパクトがあった。

===

そんな”私は”というと、結婚を考えるような相手もいない。

まぁ「固定化された日々」の中で、現状を変えようとしていないから、当たり前だ。自分から行動しない奴の人生など変わらない。

そして、突然として世の中が変わってしまったことを言い訳にしたいのかもしれない。人と人とのつながりが難しくなってしまった世界の現状を言い訳にして、今の生活を続けたい自分がいる。

そう、望んでいる・・・。

でも、実際は、心のどこかで変化を望んでいる。

口では「別に不満はない」と言っているだけで、心のどこかでは不満に感じていて、何かきっかけとなる一歩を探していたのかもしれない。

そのひとつが、友人の結婚と子どもが誕生するという報告。

今までになかった現実を知ることによって、新しい風が自分に当たってくる感じがする。今までに感じたことがないような風を感じる。

自分に対して「変化を起こせ」と風が教えてくれているのかもしれない。

突如、心の中で思っていたことが、ふと言葉として出た。

『今の自分を変えよう』

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これまでの私は自分自身に対して「変化を起こさなくていい」と考えていた。しかし、もしかすると心のどこかで変化するタイミングを望んでいたのかもしれない。

固定化され尽くしていて、変わりようのない日々に対して、少しうんざりした気持ちになっていた。心の中に、人生に対してがっかりした自分が居座っていたのかもしれない。

そんな、ダメな自分を追い出す。

変化しなくてもいいと思っている自分を追い出すことで新しい自分を手に入れる機会を作る。

そのように思えるタイミングが来た。

人生で初めて、自分から何かをするために動きだしたと思えた。

それが、自分の新しい一歩になる。


人生における変化なんで、どのタイミングで訪れるかなんてわからない。そして、時代の流れが難しい時を生きている、働き者世代の若者はそう思っている人も多いはず。

ただ、チャンスはいつでも存在している。

それを掴むのは自分次第。
すべては自分が決めているんだと、友人のおかげで気がつくことができた。

このチャンスは二度と手放したくない。

これからの自分のために、この決まりきったと思っていた人生から脱却をして、新しい自分の人生を作る。

俺の挑戦はこれからだ。


(この作品はフィクションです)

#若者の日常
#2000字のドラマ
#フィクション

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