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憂、燦々

音楽をつける。
ふと流れてきた「憂、燦々」
懐かしい。この曲には私の青春が詰まっている。
大学生の頃よく聴いていたバンド。

ほぼ毎日呑みに行っていたいつものメンバー。
恋愛が上手くいかないと愚痴りながら深夜まで安酒を呑んだ後、この歌を二次会のカラオケで歌ったっけ。
「この歌詞、共感できるよね~。」なんて言い合って、ネオンが煌々ときらめく飲み屋街を明け方に帰る。まだまだ子どもで、歌詞の内容なんて浅くしか理解していないくせに。
擦り切れるほど同じ話。同じ毎日の繰り返し。でも全然飽きなかった。

恋愛・お酒・友だち
この3つが大学生の時の中心で。
くだらないけど、かけがえのないもの。
私の頭を占め、常に新鮮な刺激を与えてくれた。悩んでいたはずなのに楽しかったあの時間。

もうあの頃には戻れない。
あの頃と同じメンバーで集まるのも、どんどん少なくなってきて。
集まっても、話すことは仕事の愚痴や結婚のこと。
二次会でカラオケなんて、いつから行ってないかなぁ。

何より自分が変わってしまった。
いつも頭を占めるのは仕事の悩み。恋愛が入る余地のない生活。定まらない人生。
戻りたい、
ひたむきに進めたあの頃に。
友だちが常に傍にいてくれたあの頃に。
独り食器を洗いながらそう思う。

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