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応募作品

30
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#いい時間とお酒

フォネティックコード

フォネティックコード

君は、何でもビールの名前で例える。
「アルファのA」
みたいに、
「スッキリして飲みやすいから、ケルシェ!」
とバナナジュースを飲んだ後に言う。
そこはバナナの味で例えればいいのではないかと突っ込みたくなる。
「ブラボーのB」
みたいに、
「あの子は腹黒いから、シュヴァルツ。」
と唇を尖らせていた時もあった。
決まってドイツのクラフトビールの名前を口にする。好きらしい。

ねえ、それってつまりどう

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髪も顔も声も全部

髪も顔も声も全部

「僕が捕まるとしたら、自分でビールを作ってしまった時だと思う。」
入道雲が立ちのぼる青空の下。うだるような暑さ。君と散歩中に何故か思いついた。
「なにそれ。」
と君は呆れたように笑った。
「クラフトビールは酵母によって違いが出て面白いんだ。桜の酵母で作られたものもあるぐらいでさ。」
「ふうん。ビール、本当に好きなんだね。」
横目で見た君は、くるくると人差し指で髪の毛先を弄っていた。またウンチクかと

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天使の分け前

天使の分け前

「樽に入れたお酒は蒸発して毎年数パーセントずつ減ってしまうんだ。その減った分を『天使の分け前』って言うんだよ。」
美味しくなるためには、天使がつまみ飲みする分のお酒が必要らしい。
…勿体ない。
「私は、天使の助けなんて要らないから全部手に入れたい。」
ムキになっているみたいな言い方になってしまった。しまった。少し子どもっぽかったかな。
案の定貴方は、
「そういうところ、可愛いね。」
と言って、ビー

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