スマホARx広告xEC の衝撃 -化粧品、自動車、家具のトレンドを考察-
Volumetric Video/ホログラム専門家の小池です。
今月に入ってAmazonとYoutubeがスマホでバーチャルメイクが出来るサービスを立て続けに発表しました。
各サービスの詳細については、それぞれの記事でご確認下さい(^^;
女子の間では数年前から当たり前だった事が、ビジネスとして確立してきたのかなと思っています。
今回はこのあたり"スマホARx広告xEC"について書いていこうと思います!!
スマホARx化粧品
僕が住んでいたバンクーバーは中華系の方々も多く、彼女たちの間ではメイク(自撮りを盛れる)アプリが大流行していて、
日本人はメイクで可愛くなり
韓国人は整形で可愛くなり
中国人はアプリで可愛くなる
と、よく言っていました(^^; (←僕が言った訳ではないですし、誰の悪口でもないですよ〜!!)
一番有名な会社はMeituで、累計15億DLを超える自撮りアプリに特化したスタートアップ(IPO済)で、先日もMeituブランドのスマホがXiamiから発売されるなど、女子に圧倒的に影響力のある会社です!! (※XiamiはMeituのハードウェア部門を買収しています)
先月発表されたASUS ZenFone 6といい、自撮りに最適化したフリップ式カメラがトレンドになりつつありますね(^^)
元々は撮った写真を加工するアプリでしたが、技術が発展し、カメラに映った顔に対してリアルタイムにARエフェクトをかける事が可能になり、現在のバーチャルメイクとして発展してきました!!
今話題のTikTokのやSnapchatのコア技術もここですね!!
AmazonのサービスにはModiFaceの技術が使われており、今回が実は初めての日本向けのサービス展開だそうです。
ModiFaceはカナダのARメイクのスタートアップで、世界で100以上のクライアントを持っていて、2018年3月にロレアル(L'Oréal)に買収されています。100年の歴史を持つ化粧品会社にとっては初めてのテック企業買収であり、注目度と期待値の高さが伺えます!!
GalaxyS9にデフォルトで搭載されているの↓Bixby Vision↓もModiFace製です
ModiFaceの競合にはパーフェクト(台湾)の"Youcamメイク"(7億DL)や、SNOW(LOOKS)(韓国)(3億DL)などがあります。
Youtubeに関しては、Research at GoogleがFabbyを出しているので、内製だと思います。
ARxEC
ここからが本題です(笑)
もう↑が"すべて"です↑
①インフルエンサーがライブ配信する
②ARでシュミレーションする
③購入する
①〜③がスマホの同一スクリーン内で完結しています!!
私に似合うのか?って一番の疑問を、スマホ見ながらシームレスにARで解決し、そのままポチっとな💰こんな無敵なUXありますか??ページ移動なしですよ(>_<)
そしてテストでは、
・視聴者の30%がAR口紅を試し
・AR口紅を80秒以上試し続けた
と報告しています。(※実際の購入に関する数字は不明です。)
ポイントは、検討期間の短縮化です。
EC/ライブコマースを見るという受動的な行動を能動的な体験に転換し、その場で即決させる💸
まさに
by. スラムダンク🏀
僕には(男なので)流行るかどうか分かりませんが、このプロダクトの美しさには嫉妬します!!
リアリティのあるシュミレーションが検討期間の短縮化に有効だと確信しているので、メイク以外で何か仕掛けたいな〜なんて思ったり(笑)
AR×広告
SnapchatがAR広告の覇者だという事は何度もブログで紹介していますが、改めて(^^;笑
Snapの1日あたり1億8600万人のユーザーの75%が、Lensを使って毎日プレイしており、これまでの累計プレイは150億回に達している。40万個のARLensがあります。
例えばヘッドホン"Beats"のARエフェクトとか結構好きです(笑)
商品の最大の魅力"爆音"を2秒で見事に表現しています!!っというより、ユーザーに再現させています!!脳天直撃っすね(笑)
ポイントはユーザーが勝手にARエフェクトで遊んで、動画広告を友人にシェアしてくれるところです!!
普段嫌われるはずの広告が、ユーザー自ら広告になる!!すごい発明だと思いませんか??
AR広告は、①コンテンツをシェアしてもらいバズらせる戦い!!から②ユーザーが自主的に広告塔になる!!というレイヤーに変化したのです。
まさに
by. スラムダンク🏀🏀
そして、必ずしも自撮りの必要はなく、コンテンツ的なAR広告も多くあります!!
個人的にはシンプルでオチのある物orかわいい/おもしろい/癒しなど分かりやすく感情に訴えかける物が好きです(^^)/
この緑のおじさんは"CG"ですが(※Snapではなく8thWallのWebARです)、僕のやっているホログラムだと実際の人を3Dキャプチャーするので、実写のアバターをARにする事が出来ます!!
インスタグラムでは既にホログラムのARエフェクトが登場しています!!(※まだ簡単なテストではありましたけど)
お酒のキャンペーンでARの事例は多くありますが、どれも動画を表示するシンプルな物なので、是非、リアリティのあるホログラムと乾杯したいですね〜(^3^)/
AR広告の中で、今後ホログラム(VV)が求められる事が多くあると思うので、全力で皆さまにお届けできるようにVVでぶいぶい言わしていきます!!
AR×自動車xEC
自動車メーカーもARを積極的に活用しています!!(※実は7-8年くらい前から導入しているメーカーが多いです)
ポルシェのARアプリ
BMWのARアプリ
メルセデスベンツのARアプリ
もちろん他のメーカーもあります。特徴として、車のデザイン、色、内装をシュミレーションでき、かなり快適にそして細部までリアルに確認できます!!
数年前、ある自動車ディーラーの方から、購入客の平均来店回数は2回以下だと伺いました。
ほとんどの方は、どれを買うか決めてから来店すると。そして、その方々は初来店で新車を契約すると。さらには、いづれオンラインで購入する流れになるだろうと。
実際にテスラは今年2月にネット販売への全面移行を打ち出しました。(ディーラーの猛反発にあい、店舗の半分は残すと計画を変更したようですが(^^;
ポイントは、テクノロジーの発達により、リッチな情報を発信する事が可能になった事。そして、ARがそこで真価を発揮している!!という事です。
今後、テスラに続く自動車メーカーも出てくるだろうと思っています。
そうなると、上記のようなアプリでAR〜購入まで完結させるのかなと。
AR×家具xEC
ARを上手く活用している事例として、IKEAがよく紹介されます。
家具の配置をARでシュミレーションしたり、組み立て方をARで表示したり、ARを積極的に活用している会社なのですが、先月末にビジネスモデルを大きくピボットすると発表しました。
今までは都市郊外に大規模店舗を出店し、迷路のようで魅力的なショールームを展開していたのですが、今後はアプリに注力し商品の確認(AR)〜購入までサポートするようです。(今までのARアプリでは購入は出来ませんでした)
先月、Amazonは家具などのARビューを日本でもローンチしました!!
ARxECの流れが加速している理由は、大きな成功事例が出ているからです。
家のリフォームアプリHouzz(ユニコーンです)のEC事業がARを活用した後、CVRが11倍になったと発言しています(^^)/
XR業界で話題のWIRED vol.33でも紹介されています。
↓雑誌の抜粋が下記リンクで読めます↓
僕は2016年にHouzzをよく触れていた(Houzzのメイン事業はリフォーム業者の仲介)のですが、まぁ使い辛い。広告はウザい。で、正直大キライでした。なので(元々の数字が悪かっただろうから)、ユーザーはARを信じているんだなと!!
(HouzzはIPOに向けて今年1月に大量リストラしたのも、ARxEC事業の成功が影響していると思います。)
by. スラムダンク🏀🏀🏀
ARは3Dデータを空間でインタラクティブに扱う事が出来ます。
→情報のリッチ化とシュミレーションが可能で、購入に至る信用に繋がるのかなと!!
よく、それVRでやる意味ある?ARの必要性ある?って議論されると思うのですが、世界がECへ加速する中で、EC=ARに関しては、疑問を持たず提供して良いと思っています。AR=信用できる情報=検討期間の短縮化と決断の後押しになると。
P.S
最近、初対面の方にブログについてお言葉を頂く事があり、自己満足で始めたブログが、何かのお役に立てているのかな?と嬉しく思っています(^^)
XRの盛り上がりとXRの魅力を少しでも多くの方に届ける事ができればなと思っています。微力ながらXRの普及に向けて貢献できればなと!!
そして、スラムダンクをゴリ推しした理由は、カナダのラプターズが初優勝した事と、八村選手がNBAでドラフト指名されたので、僕の中でバスケ熱がヤバイんです(笑)
2019.6.23 Hiroki Koike