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ソフトバンク周東選手の盗塁記録とマインドフルの関係性

本日のテーマですが、先週同様、日本シリーズ4連覇をはたしたソフトバンクから周東選手を取り上げたいと思います。

周東選手ですが、パ・リーグの盗塁王を獲得して、13試合連続盗塁と世界記録を更新しました。そして、この記録がどれだけ凄いのかや盗塁について調べてみると、興味深い記事を見つけました。

その記事のタイトルは、NewsPicksの「一流の鉄則 本番は何も考えないはどう作られるか」という記事でした。
私はこの記事をみて、盗塁の奥深さを知り、盗塁の概念が変わりました!

今日はこの記事を中心に仕事に役立つTipsについて考えたいと思います。それでは本編スタートです。

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。

周東選手の経歴及び13試合連続盗塁の凄さについて

まず、このチャプターでは簡単に周東選手の経歴についてお話します。

・2017年に育成ドラフトの2巡目で指名されてソフトバンクに入団
・注目されたのは2019年。世界一に輝いた、世界野球プレミア12で日本代表に大抜擢。
・代走要員ながら、大会最多の4盗塁を記録してチームの世界一に貢献しました。

・そして、今年の2020年シーズン、シーズン前半は守備固めでの出場でしたが、9月中旬から打撃の調子を上げて、レギュラーとして定着しました。
・今シーズンは、シーズンを通じて50盗塁を記録し、盗塁王を獲得。
・育成ドラフトでの打撃部門のタイトル獲得は、史上初の快挙のようです。
・そして、10月30日に世界記録を更新する、13試合連続盗塁を記録しました。

今季の周東選手の出塁率ですが、325(3割2分5厘)
1試合4〜5打席と考えた場合、1試合で出塁できるのは、平均で1回か2回。

そこから、盗塁するべきかのタイミングをを見極めて、13試合連続で盗塁を成功するということは、統計上の数字から考えても、凄い記録と言えるのではないでしょうか。

このように、世間一般に公表されている統計データから考えても凄いんですけど、プロの考察を交えると更に面白い発見がありました。

その考察が冒頭お話した、NewsPicksの「一流の鉄則 本番は何も考えないはどう作られるか」という記事です。

この記事で、元ジャイアンツの鈴木尚広さんは、盗塁という行為を、不可能を可能にする仕事と分析していました。
なぜかと言うと、
・一二塁間の距離と走塁速度から計算される到達の時間
・ピッチャーからキャッチャーにボールが届き、そこから、二塁に投げる送球速度、到達時間
のみを比較すると、物理的には不可能だからです。

ざっくりいうと、
・ランナーが一塁から二塁への走塁して到達するまでの時間は3.5秒。
・対して、ピッチャーが投球してボールが、キャッチャーに届くまでの時間は約1.2秒、キャッチャーが2塁に投げて到達する時間は2秒で、合算すると約3.2〜3.3秒

ということで、この時間差は0.2〜0.3秒あり、理論値だけで考えると盗塁は不可能ということです。

この不可能を如何に可能にするかという観点で解説したのが、元ジャイアンツの鈴木尚広さんです。
鈴木さんですが、現役時代は、228の盗塁を記録して、成功率はなんと、82.91%を誇りました。
鈴木さんですが、約20年間、走塁、盗塁の切り札として、長い間活躍しました。
30代になってくると肉体的に衰えも見えてくる、そんな中で盗塁を成功しているのは、足の速さ以外の要素もありそうです。

次のチャプターでは、不可能を可能にする要素「主体性」と「再現性」について掘りさげていきます。

盗塁とは不可能を可能にする仕事 成功率を上げるための準備とは?

ここからはどのようにして成功確率を上げていくのか、NewsPicksの記事
“【一流の鉄則】「本番は、何も考えない」はどう作られるのか”を中心に掘り下げていきたいと思います。

まず、「ポイントは主体性と再現性」という項目を抜粋します。

ランナーとバッテリーによる約3秒間のせめぎ合い。
鈴木はその「3秒の世界」の達人である。特筆すべきはその成功率、「82.9パーセント」。先述の通り、通算200盗塁以上を記録した選手の中ではNo.1の数字だ。
鈴木にその秘訣を聞くと、真っ先に「主体性と再現性、この2つが全て」と言い切った。
「よく野球は、ピッチャー以外は受け身であると言われます。ピッチャーがボールを投げないと試合が始まらないし、どんな球種を投げるか、どこへ投げるか全ての始まりがそこにあるからです。
ただし、いいバッターというのは、そうした状況においてもピッチャーのボールに合わせていくのではなく、自分の“間合い”に引き込んでいく。
これは盗塁も同じです。周りから見れば、ピッチャーが投げた瞬間に走り出しているので、受動的だと思われがちですが、常に自分の意思でスタートを切ることが成功には欠かせない。
それが主体性です。そしてその結果は決して、偶然や一か八かであってはいけない。再現性(失敗しない盗塁を繰り返せること)が必要です。

この鈴木さんの発言
・野球は受け身のスポーツ
・準備が必要
・自分の間合いに引き込んでいく
という考えは、過去の放送回で取り上げた「野村克也さんの準備の一流になればいい」にも通じるなと思いました。

では、戻ります。

鈴木さんは、自身が盗塁する際の「状態」ー主体性と再現性が揃った感覚を3つに分類していました。

・1:自分を理解していること
「盗塁を成功するためには為には、大前提として自分を知る必要がある」ということ。
ランナーは自分が一塁ベースに立ってリードをとるのですが、試行錯誤の末に、このリードの距離、基準点を鈴木さん見出していました。


・2 :無、何も考えていない
塁上では何も考えない、すなわち無の境地です。達成したいと思うと、力んでしまい判断が遅れます。

0.1秒で結果が変わる戦いなので、考えてしまうと判断が遅れるとも言っていました。であるので、無意識に反応できる状態で臨む必要があります。


・3: ぼやっと見ている
これは、ピッチャーとキャッチャーの一点に集中するのではなく、ピッチャーを中心にキャッチャー、ショート、サード、ベンチ、スタンド含めて全体を俯瞰してみるということ。

1点に集中してしまうと重心が前のめりになってしまうので、俯瞰することで、状況に柔軟に対応できるということです。この状態を、鈴木さん独自の感覚だと思いますが「ぼやっと」と表現しているのは面白いですね。


以上が、必要な3つの状態です。

ピッチャーの一挙手一投足、駆け引きに物凄い注力していると思ってたので、この考え方は結構意外だなというのが、私の感想でした。

ただ、力を抜いていれば、いいわけではありません。
では、再現性、成功確率をするために何をしているのか、そこで大事なのが4つの準備する力でした。

では、記事に戻ります。

1:1,000人近いバッテリーの特徴をまとめる。
特徴をまとめるために活用したのは黒い革の手帳。
手帳にはびっしり、過去に対戦した全選手の特徴やクセが事細かくメモされています。
そして、記憶に定着させることで、試合中は考えなくてもいいところまで持っていったということです。


2:自分の世界に入る
1つめの手帳をつけて準備をしているので、試合に入ってからは心の準備 段階的にスイッチを上げてきました。

スイッチの上げ方は。こんな感じです。
ピンチランナーで出塁することの多い鈴木さんは試合の序盤は観客目線で試合を観戦し、中盤にかけて徐々に集中力を上げて80%の状態をキープ。声がかかったら、どんと100%に持っていきます。


3:3秒に1日7時間をかける
対戦相手の情報は全て頭の中にインプットして、何度もシュミレーションをしておく。鈴木さんもこのように振り返っています。

こんなことを10年間以上も続けてきたわけですから、「変なヤツだな」と思われていたと思います。
しかしこの「3秒のための準備」があったからこそ、緊張感のある場面で冷静にプレーすることができたと思っています。
1日7時間365日、10年間以上の時間、誰よりも盗塁に集中してきた事実は、負けるはずがないという自信に生まれ変わっていました。

頭に刷り込ませて僕の体が勝手に反応すれば、どんどん成功率が高まってくる。


4:大きく見せる
相手を自分の世界に引き込むこと。
あえて自分を堂々と見せるように心がけてきました。

以上が4つの準備の力です。
そして、記事ではこのように締めくくっていました。

冒頭でも言いましたが、ランナーは常に有利な状態ではありません。
その状況を逆手にとって、僕はランナーに有利になるような“工夫”をしてきました。正しくは、有利になるのではなく、有利になるように“見える”ようにしました。これも盗塁の技術です。

以上が対談の抜粋でした。
この記事を読んで、色々参考になる点も多く、盗塁についての見方が変わった記事でした。
当チャプターに、記事のURLを貼っておきますのでお時間の有る方はぜひアクセスしてみてください。

さて、次のチャプターでは、仕事や日常生活に活かせるTipsについて考えて行きたいとおもいます。

Tips マインドフルであるための準備や再現性を高めることの重要性

さて、今回の放送ですが、周東選手の盗塁記録やこれまでの経歴を中心に取り上げてみようかなと、当初は考えていました。
ただ、色々と調べてみると、20年間、主に代走で活躍していた鈴木尚広さんの記事がきっかけで、盗塁の概念が変わったので、盗塁という行為も取り上げてみました。

まとめてみて、自分は武道には、そこまで明るくないけど、盗塁は武道にも通じるなと思いました。
また、「無の境地」や「ぼやっと見ている」「でも感覚は研ぎ澄まされている」というのはマインドフルな状態でもあるのかなとも思いました。

それでは今回のTipsについてです。大きく2つあります。
・大事な局面こそマインドフルの状態が大事
・そしてそのためには、徹底的な準備をして、安心できる状態に持っていこうです。

マインドフルって大事ではありますが、ただ、その状態に持っていくためには、準備や経験や自信を持つというが重要です。
そうでないと、「あーすればよかった」とか「こーすればよかった」という雑念が入ってしまいます。
であるので、「準備をしたんだから大丈夫」と言うところまで持っていくのも同じくらい重要なんだなと思いました。

今回、NewsPicksで周東選手の盗塁の解説記事などをまとめてみると、
・本番では、頭で考える前に、無意識のうちに動かせる状態に持っていく
・そのためには地道な準備をして再現性を高める努力を怠らないこと
・そして、自分の頭で考えて動き、主体性を持って取り組むこと
がパフォーマンスを発揮する上で、物凄い重要な要素なんだなと思いました。

おまけ 日本シリーズの盗塁をめぐる攻防 その他チャンネル紹介

さて、本日の放送はいかがでしたでしょうか?
個人的にはいろいろな発見があって、まとめてみて面白い回でした。
ちょっと本編では取り上げられなかったことが色々ありましたので、このチャプターでは、おまけとして触れさせてください。

・まず1つ目:
過去の日本シリーズを思い出してみると、盗塁をめぐる両チームの攻防が結果につながることも多かったなと思い出しました。

例えば、2018年の広島対ソフトバンク
ソフトバンクのキャッチャーの甲斐選手が、広島の盗塁を完全に封じたことがソフトバンクの優勝の一因になりました。
このシリーズ、甲斐選手はシリーズMVPに輝き、甲斐キャノンという あだ名が付けられたことはリスナーのみなさんで覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

他にも、2005年の阪神対ロッテ
このシリーズでは、ロッテの4連勝で幕を閉じるのですが、ロッテのキャッチャーの里崎選手が、阪神の一番バッターの赤星選手を出塁させないように徹底的にマークしていたと、引退後振り返っていました。

不可能を可能にするという盗塁は、チームの勢いに影響する、それが試合結果を左右する要素って考えると面白いですね。
今シーズンは終了しましたが、来シーズン以降も盗塁に注目してみてはいかがでしょうか?


2点目目:
今回の放送ですが、結構過去の回のTipsも参考になるなと思いました。
・10月4日放送の「今日から使える準備の力 野村克也氏/佐藤可士和氏を参考に」という回での野村克也さんの準備の一流になればいいというチャプター

・8月3日放送の「イチローが語る自分のやり方を貫くために必要な3点」での「自分で説明できる状態にしておく」考え方

・7月1日放送の「中村俊輔選手のサッカーノートから学ぶ継続と習慣化とは?」でのサッカーノートをつけて見返している習慣化の方法
などです。

・3つ目:
チャンネルの紹介になりますが、Voicy公式1日5分でマインドフルネスというチャンネルもあります。
今回のTipsではさらっとしか話せなかったのですが、こちらのチャンネルでは、「マインドフル、瞑想」について、色々なアプローチで放送されていますので、こちらも併せて、フォローしていただけたら嬉しいです。

・最後に4点目
当チャンネルの先週土曜の放送でも、ソフトバンクを取り上げました。この回では、3軍制を設けている狙いや投資戦略について触れました。
正しい投資をしているから、周東選手のような一芸に秀でた原石を獲得できるのかなと思いました。

こちらもお時間ある時に併せてお聞きいただけたらと思います。

さて、本日も最後までお聴きいただきありがとうございます。
それでは、今日もいい1日にしていきましょう。いってらっしゃい!

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。
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併せて以下のnoteもご確認ください

今回の放送で、例に出した過去の放送回のnoteはこちらです。


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