VUCA(ブーカ)時代とは?予測不可能な時代に生きる社会人
現代はテクノロジーの進化により、環境が複雑化し、将来の予測が困難な「VUCA(ブーカ)時代」と呼ばれています。この記事ではVUCAの言葉の意味と、VUCA時代を生きるビジネスパーソンに必要なスキルについて考察していきます。
VUCA(ブーカ)とは
VUCAとは、一言でいうと「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を意味します。VUCAはこちらの4つの単語の頭文字をとった造語です。
V(Volatility:変動性)
U(Uncertainty:不確実性)
C(Complexity:複雑性)
A(Ambiguity:曖昧性)
元々は軍事用語として生まれましたが、近年ではビジネス界でも広く使われています。
VUCA時代に起こり得ること
想定外の出来事が次々と起こる
経済やビジネス、個人のキャリアに至るまで、ありとあらゆるものが複雑さを増し、将来の予測が困難な状態にあります。今までやってきたことや当たり前だと思われてきたことが、ここにきて崩れ始めているように見えます。
例えば、新型コロナウイルスの流行、地球温暖化に伴う気候変動や異常気象、台風や地震といった災害など、予測していなかった出来事が次々と起こっています。
働き方においても、従来の日本の企業では当たり前だった終身雇用や年功序列といった制度もなくなりつつあり、フリーランス人材の活用を始め、雇用の流動性も高まっています。
これらの出来事が今後、世界や日本社会、個人にどう影響を及ぼしていくか、全てを見通すことは難しいでしょう。
業界の常識を覆す新サービスの登場
ビジネスにおいては、新たなサービスが次々と登場し、既存の業界の常識を覆しています。例えば、タクシー業界には「Uber」が登場し、従来のタクシー会社と異なるビジネスモデルを展開し、また、ホテル業界では「Airbnb」が現れ、既存のホテル業界に新たな競争をもたらしています。これらの新サービスは、既存の業界構造を大きく変える力を持っています。
他方で、これまで想定していなかった企業との競合や、売上低下の原因が予測できなかったりするなどの事態も起こっています。
元々の業界では、まったく異なるサービスモデルが生まれても、始めはなぜ売上が下がっているのか分かりません。
気付いたときにはそれらの競合が、業界の常識を覆すような新しいサービスへと成長しているのです。
そもそも業界という括りの概念が変わりつつあります。
「自分達は何と戦っているのか見えない」という状態になってきているのです。
今までの常識が非常識になる
これまで企業は設備投資や優秀な人材の雇用や教育を行い、会社資産として競争優位を築いてきました。しかしテクノロジー進化により、これらの資産が逆に負債となるケースも増えています。
経営資源は、即座に組み替えることは不可能です。例えば過剰だからといっていきなり従業員を解雇、といったことはできません。
そうこうしている間に新しいビジネスモデルで、新しい企業が勝ち上がっていく。このような事態があちこちで起きています。
つまり、既存プレイヤーの破綻や撤退が起き始めているわけです。
新しいビジネスモデルの出現により、既存の企業は迅速に変化しなければならず、常識が非常識になる状況が生まれています。
VUCA時代に必要な3つのスキル
VUCA時代を乗り切るために必要な3つのスキルをご紹介します。
テクノロジーの情報収集と理解力
自らの頭で考える哲学の力
ポータブルスキル
テクノロジーの情報収集と理解力
変化の起点であるテクノロジーの理解は必須と言えます。
それが自分たちの業界やキャリアにどう影響するかを押さえ、常に危機を抱き、先手先手で身の振り方を考えていきましょう。
自らの頭で考える哲学の力
「AIに人間の仕事が奪われる」という話は聞いたことがあると思います。
しかし、AIはデータが不足している新しい課題や、数値化できない人間の感性に基づく創造的な仕事には向いていません。また、オックスフォード大学の調査結果によると、10~20年後には日本の労働人口の約半数が、就いている職業がAIやロボットに代替されると推計されています。
これからAIとの共存社会がやってくる中で、私たちは人間にしかできない「考える力」にフォーカスし、高めていく必要があり、それが哲学と言えます。人間ならではの考える力=哲学を身につける方法はまた別の記事にて紹介していきます。
ポータブルスキル
VUCA時代には、誰もが急なキャリアショックに備え、「転職力」を磨く必要があります。転職力を磨く上でキーとなるのが、「ポータブルスキル(=持ち運び可能なスキル)」です。特定の業種や職種、時代背景にとらわれることのない、汎用性の高いスキルのことです。あらゆるビジネスパーソンにとって重要な「ビジネス教養力」とも言えるかもしれません。
ポータブルスキルを高いレベルで身に付けている人材は、どの会社でも必要とされる「市場価値の高い人材」です。
具体的なポータブルスキルの例としては、コミュニケーション技術、課題発見能力、リーダーシップなどが挙げられます。
まとめ
VUCA時代は、これまでの常識が通用しない新しい時代です。テクノロジーの進化や予測困難な環境に対応するため、常に情報を収集し、自ら考える力を養い、汎用性の高いスキルを身につけましょう。主体的に学び続けることがVUCA時代を生き抜く鍵となるでしょう。
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