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人の創造性を数値化しイノベーションを加速する「イノベーションテック」とは?

2020年9月、新型コロナウイルスの影響が日々報道される中、世界の経済、人々の価値観は大きく揺れ動いています。一体誰が東京オリンピックが延期になり、リモート勤務がたった一年でここまで浸透することを予測できたことでしょうか。

はじめに

今回の新型コロナウイルスのような特殊なケースを差し置いても、ビジネスのグローバル化、そしてAIを筆頭とする急激な技術革新が進む中、市場はかつて無い変化を遂げています。また、従来のビジネスにおいて業務の大半を占めていた「解決策の実行」をAIが実行していくようになることから、不確実性の中でいかに創造性を発揮し、課題発見・解決策の創出をしていくかが企業や私達個人にとって非常に重要なテーマとなっています。

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VUCA時代を生き抜く、人の創造性を最大化したい

私の会社、VISITS Technologiesは、世界中の誰もがクリエイティビティを発揮し、社会価値を創造し、貢献することの喜びを感じることが出来る、そんな世の中を作りたいという思いから始まった「イノベーションテック・カンパニー」です。

イノベーションテックについてご説明する前に、私についてお話させていただくと、2009年、リーマンショックが起きた当時、私は新卒で入社したゴールドマンサックスという外資系の証券会社で金利デリバディブトレーダーとしてAIによる分析をしながら、トレーディングに携わっていました。確率論や従来のデータから学習するAIでは予測できない極端な現象、いわゆる“ブラック・スワン”現象の発生により大きな損失が出たことから、退職後設立したヘッジファンドでは「株の値動きではなく、それを分析するアナリストの分析」を行い、人に着目した合意形成におけるアルゴリズムに興味を持ったことが分岐点となっています。現在、私が代表を務めるVISITS Technologiesは、このアルゴリズムの考え方を応用し、「人」だけが持つ能力に着目し、人のアイデア創造力、目利き力、アイデアの価値を数値で表すということを可能にしています。この独自の合意形成アルゴリズムは「CI技術(コンセンサス・インテリジェンス技術)」といい、世の中のイノベーションや、人のクリエイティビティの発掘を支援しています。

物事を創造するための「一人一票の重さ」は同じではない

少し噛み砕くと、ファッションのトレンドは、ファッション誌を見て服装を決めている多くの人ではなく、一部のおしゃれな人が作っていますよね。一方で、企業や何かのコンクールで意思決定をする際に、目利き力がある人材の一票と、そうでない人材の一票が同様に評価される多数決や、鶴の一声によって物事が決まるケースは少なくありません。そういった場面でこのアルゴリズムを導入することにより、一票の重さが、その人の目利き力を加味した上で自動調整されます。

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現在、企業の新規事業アイデアの意思決定や、経産省における補助金審査に活用されています。今まで可視化が難しかったものを数値化することにより、意思決定スピードを劇的に加速化することが可能になります。使い道は様々ですが、イノベーション創発を支援するインフラとしての「イノベーションテック」で、日本のビジネスを加速していきたい、それが私の思いの根幹にあります。

イノベーション創発クラウド「ideagram」の誕生

CI技術を使った最初のプロダクトは「ideagram」といって、未来のアイデアの新規性や実現性をアルゴリズムで数値化し、新規事業創造の現場などでの支援を目的としていました。「創造性を可視化」と言うと、最初は多くの皆さんに不審がられましたが、現在では150社以上で使用いただいています。

具体的な使用手順としては以下のような感じです。

①新規事業アイデアの種を発掘
オンラインセッションを通じて、多くの良質なアイデアを収集できます。
デザイン思考の考え方を基に独自に開発した発想プロトコルを組み込み、参加者の創造性を引き出します。自社で導入した場合、1回の実施で数千から数万個単位のアイデアの収集が可能となります。

②アイデアの価値を定量化
オンラインセッションから得られたデータを独自開発のコンセンサスアルゴリズムに入力することで、 各アイデアの価値を数値化できます。数値は、アイデアに対するニーズ予測、新規性、実現可能性に対する蓋然性から算出されます。

③個人のアイデア創造力・目利き力を定量化
同時に個人のアイデア創造力、目利き力も数値化が可能となります。
創造力は、アイデアを作る際に用いた5W1Hの組み合わせパターン、 その結果創出されたアイデアに対する他の参加者からの評価データを基に、評価者の目利き力も考慮して算出されます。

今後はもう少し具体的な取組についても発信をしていければと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。




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