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街ならではの便利と混乱

街には振替輸送という便利な制度がある。
ある交通機関が何らかの原因で運行不能となったとき、並行して走る他の交通機関に手持ちのきっぷで乗れる、というものだ。
いろんな路線が網の目のように走る都会では特に有効だ。

先日関西のJRに乗っていると、早朝の踏切トラブルの影響でダイヤがまだ大幅に乱れているため、並走する私鉄への振替輸送を実施しているとの車内放送が流れ、多くの乗客が振替の乗換駅で下りた。
が、しばらくすると、その私鉄の別区間が人身事故で止まり、なんと今度はJRへの振替輸送が案内されていた。
おっと、お互いに振替?

いや別区間なので、もちろん両社とも空手形を切ったわけではないが、便利と混乱の入り交じった、街ならではのなんとも珍妙な状況。
昔、街に住んでいた頃、振替なんてこんな頻繁に発動されなかったような。

電車もなければ車もまばらな愛媛の山奥で、日ごろ不便を嘆いてはいるが、その代わり無用な混乱もない日々も悪くないと、そう思えた。

(2016/6/16記)

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