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最近は七草が一つのパックに入って手軽に揃うから楽チン

今朝は七草粥だという。

せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな 、すずしろ 
これぞ七草

昔はそういう縛りが好きではなかった。
暦に操られるなんて。

それ以前に粥が好きではなかった。
鍋の後の雑炊やおじやは大好きなのに。
いやむしろそっちが好きだから、味気ない粥が苦手だったのだ。

胃腸が弱かった僕は、よく腹痛で学校を休んだ。
そのたび母が粥を作ってくれたが、匂いからしてのどを通らなかった。
粥を食べるくらいならもう二度と腹痛なんか起こさない、と決意する。
しかし弱い胃腸は決意くらいでどうにかなるものではなかった。
結果として僕は毎月のように粥と向き合わなくてはならなかった。

そんな粥を、なぜ1/7は元気なのに食べなくてはならないのか。
僕にはまったく理解できなかった。

***

大人になって、粥もしきたりも克服した。
逆に淡泊な粥が今は大好きだし、暦に副うことも大切に思うようになった。

だから今日の七草粥を楽しみにしていた。
昨年末からの暴飲暴食もこれでリセットされるはず。

最近は七草が一つのパックに入って手軽に揃うから楽チン。
ゆでて刻んで粥に混ぜるだけ。

せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな 、すずしろ 

おいしい! これぞ七草。
整うねぇ。

パックを見る。
えぇぇぇ? なんだ、これぇぇぇ!

小松菜、みずな、菊菜、しろな、ラディッシュ、青ねぎ、三つ葉

かみさんが間違えて買ってきたのは「七種の野菜セット」だった。
どひゃー!

かみさん曰く、
――これ、冷蔵庫の中から七種選んで入れるのと変わらんわ。

(2022/1/7記)

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