なんだか言ったら負けのような
手術から9日、退院から2日が経過した。
術後の経過は順調だが、人為的に開けた大きな穴はそれだけで大きな負担。
さらに入院9日間のベッド生活ですっかり鈍った筋力が追い打ちをかける。
なんとかやりくりして一日を過ごすが、夜になるとぐったりとし、患部の痛み、さらに装具をつけていることでよけいな筋肉を使うからか、首から肩にかけてのハリ、痛みは相当なものがある。
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入院中から「カロナール」が処方されていた。
比較的安全な解熱鎮痛剤として、服用間隔さえ注意すれば、熱っぽいとき、痛むときに自分で飲んでよいと処方され、枕元に置かれた。
その代わり、服用時刻を報告をすることになっていた。
今日は大丈夫かなと思う日でも夕方頃になるとぐったり熱っぽくなる。
やむを得ず「カロナール」に手を伸ばす。
そして巡回の看護師に告げる。
「カロナール、17時に飲みました」
「はい。次は23時以降にしてくださいね」
「カロナール、15時に飲みました」
「今日も熱っぽいですか。次は21時以降ですね」
「カロナール…」…カロナール?…軽ろなーる?
調べてみたら、やっぱり「カロナール」は熱や痛みを除去して症状を軽くすることから「軽ろなーる」と名づけられたらしい。
そうと知ってからは、この一発ギャグ的「カロナール」を口にするのが憚られるようになった。
なんだか言ったら負けのような。
口にしたらよけいイタくなりそうな。
「解熱剤、18時に飲みました」
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関西の人はピンと来たかもしれない。
吉本興業の「オモシロクナ~ル」だ。
そのパッケージにはこう書かれている。
「カロナール」の秘密を知ってしまってからは、もう「オモシロクナ~ル」しか頭に浮かばない。
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退院後もやむを得ず毎夜「カロナ…」、いや鎮痛剤を飲んでいる。
(2023/4/7記)
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