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ちょい役でいいからその茶番に出演してみたい

とあるレストランで夕食をとっているときのこと、離れた席から高齢男性グループ客の居丈高な怒鳴り声が聞こえてきた。

鍋を予約していたのに席しか取れていないということらしいが、店員も、予約の電話では鍋はまた考えるということだったと反論、それに対し客側は、店長を呼べ、支配人を出せと平行線の泥仕合。
その成り行きをヤキモキしながら音声だけで楽しんでいたが、結局、店長も支配人も鍋も出ず、客は憮然としてそのまま帰った。

が、店員は平然としているし、残された空気もなぜかほのぼの明るく、もしやTVカメラが突然出てネタばらしかと身構えたがそれもない。
不審に思って近くを通りかかった店員に聞くと、「あの方々こういうのよくあるんです」。

えー! めんどくさ!

でも店員だけでなく他の常連客にとっては、めんどくさいどころか、なくてはならないその店の日常の一風景かもしれないし、もしかすると台本が用意されているのかもしれない。
次はぜひ、ちょい役でいいからその茶番に出演してみたいものだ。

(2019/9/26記)

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