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僕はずっと桜に恋をしている

今朝、花見をした。

今年桜を観なければ、病院のベッドで動けなかった昨年の自分に笑われる。
流動食しか口にすることができなかった自分に怒られると思ったのだ。

なんだかんだいって多忙は続いている。
なら、行けるのは朝しかない。

5時に起き、モーニングを作ってリュックに詰め込み、6時に家族を起こす。
さぁ近くの公園に桜を観に行こう。
立派に人目を気にするようになった大学生の娘も高校生の息子も、朝6時なら平気なようだ。
眠い目をこすりながらも着替え、いっしょに家を出た。

おぉ、桜だ、さくらだ。

高校に入学して間もない春、はちきれんばかりの美しさをもって通学の車窓に迫る須磨の桜に心を奪われた。
最初に観たときはなんてことなかったのに、翌日観たときに、好きかも…桜ホンマに好きかもと胸がキュゥッとなった。
なぜ朝夕にしか会えない。
授業を受けている間にも、ひとつまたひとつと散っていくのに。
高1の僕は、桜に恋をした。

それからというもの、僕はずっと桜に恋をしている。
わぁありがとう、私も…とは言ってくれないが、といってツンと澄ましてお高くとまっているふうでもない。
毎年出し惜しみない圧倒的なピンクを見せてくれるから、僕は会いに行く。
ただそれだけでいい。

用意したのは、トースト、ゆで卵、チーズ、サラダ、フルーツ、紅茶。

朝7時から飲むスパークリングワインもまた格別。

真新しくでっかいランドセルを背負った女の子が記念撮影している。
なんて平和な光景なんだ。
今年は入学式が桜に間に合いそうでよかった。

桜、桜、桜…

桜。

また来年。

(2024/4/7記)

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