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どうやらアニメ魂が胸のあたりに棲みついているらしい

以前こんな記事を書いたことがある。
昔懐かしの8ミリフィルムで親が幼少期の自分を撮りためていてくれた話。

この記事には、中学生の頃にクレイアニメを制作したことも書いた。
クレイアニメとは、粘土の形を少しずつ変えながらコマ撮りしていくアニメで、いわゆるストップモーションアニメの一種。
総合学習の時間に、友だちと3人で半年かけて8ミリフィルムで撮影した。

8ミリフィルムは文字どおり幅が8ミリで、これが16ミリ、35ミリとなるにつれ画質も上がり、映画館で上映する映画は一般的に35ミリ。
とはいえ、家庭向けの8ミリであっても光学フィルムゆえ画質はよく、映写機で100インチ以上に大きく映し出しても粒子は気にならない。

…つらつらと思い出していると、急にその日の情景を描きたくなった。
こんな感じだったか?

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右の、カメラを構えているのが僕だ。
色をつけてみよう。

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ふむふむ、こんな感じだった。

使っていたカメラは18フレーム、つまり1秒間=18コマだった。
映画の24フレーム、テレビの60フレームに比べて秒あたりのコマが少なく、動きはその分ぎこちなくなるが、それが8ミリフィルムの味というもの。

粘土の怪獣やプラモデルの戦車や飛行機を少しずつ動かしながらコマ撮りしていく。
たとえば怪獣の表情をアップで1秒撮る場合は、カチカチ…と18回も同じカットを撮影することになるし、逆に3コマ撮るごとに怪獣や戦車の向きを少しずつ変えていけば、滑らかに動くように見える。

10分間の作品を作るには、なんと10,800コマもの撮影が必要になる。
実際には使えないカットも多いから、2万いや3万コマは撮影したのだろう。
とにかく先の見えない作業だった。

なんとかクランクアップしたら現像し、そこからまた膨大な編集工程。
ハサミで切って不要部分を捨てたり、順序を入れ替えて繋いだり。
編集専用の機械を使えば楽だが、中学校にそんなのあるはずもなく、ひたすら灯りにかざしてコマの画を確認し、ハサミで切った。

そうしてできあがった苦労の結晶は、残念ながらもうない。
文化祭で上映したあと、美術室にそのまま置き去りにしてしまった。
中学校はもう廃校になったから、処分されてしまったに違いない。
実にもったいない。

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時は流れ、大人になって、ストップモーションアニメを子どもといっしょに作ったことがある。
さすがに家に8ミリフィルムのカメラはもうないので、デジカメで。
残念ながら、オチがないのと、無断借用のBGMが著作権的にアウトなので、ここに貼ることはできない。

記事を書きながら、胸のまんなかがザワザワしてきた。
どうやらアニメ魂がそのあたりに棲みついているらしい。
大公開できるような小アニメを近いうちに作れたらと思っている。

(2021/9/20記)

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