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もしかしてエンドレス? と自問自答の一人宴会

限りある人生、どうせならちゃんとしたものを食べたい。
外食だって店を選べるならきちんと選びたい。
でもいつもそんなことを言っていては財布は軽くなる一方だ。

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王将に行くことがある。
餃子の王将、いわゆる京都王将と呼ばれるアレだ。

店に入ると、一人なのでカウンター席に通される。
各席にはグランドメニューが置いてあるが、一人客はたいてい定食を選ぶのか、一枚ものの定食メニューを手渡される。
確かに左右チラリと確認しても、餃子定食、焼飯定食、唐揚定食など、定食オンパレードだ。
でも定食メニューはいらない。

①たいてい、まずは生ビール、餃子、ニラレバ炒めを注文する。
②餃子とニラレバがなくなる前に生が空くので、次は瓶ビール。
③続いて餃子とニラレバがなくなるので、鶏唐揚と焼きそばを。
④そしたら瓶が空くので、次は酎ハイ。
⑤酎ハイ空いたら紹興酒…と続いて、ポッコリお腹を抱えて店を出る。

最初にカウンターに通してくれたスタッフが、しまった、皿を置く場所がないという表情を浮かべるのは、③あたり。
特別オプションで回転テーブルを出してほしいくらいだ。

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サイゼリヤに行くこともある。
ドリンクバーに群がる高校生たちの安息の場だ。

ここではグランドメニューだけでなく、ワンコインランチから今月のオススメまですべてのメニューがドカッと置いてある。
でも必要なのはグランドメニューだけだ。

①たいてい、生ビール、辛味チキン、ほうれん草のソテーを注文する。
②チキンとほうれん草がなくなる前に生が空くので、デカンタワインの大。
③続いてチキンとほうれん草がなくなるので、次はピザとエスカルゴを。
④デカンタはしばらくあるので、パスタとガーリックトーストも追加。
⑤さすがのデカンタも空いて…と続き、ポッコリお腹を(以下略)。

近くの高校生たちが反応しはじめるのは、早くも②あたり。
皆が二度見するのは③、スポットライト浴びた気分に浸れるのは④あたり。

周囲のテーブルはファミレスなのに、自分のテーブルだけイタリアンレストランになっている。
イタリアンレストランだけど。

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いつも途中で、もしかしてエンドレス? と自問自答の一人宴会。
王将とサイゼリヤって安上がりで満足を得られる代表格なのに、会計は決まって一人で3000円オーバー。
もちろんコスパで考えれば激安には変わりないのだけれど。

結局どんな店を選んでも財布は軽くなる一方だ。

(2021/6/20記)

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