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アーク・ジョーンってオオカミ男?

大好きな昔の曲がある。

マリコの部屋へ電話をかけて
男と遊んでる芝居 続けてきたけれど
あの娘もわりと 忙しいようで
そうそう付き合わせてもいられない

土曜でなけりゃ 映画も早い
ホテルのロビーも いつまで居られるわけもない
帰れるあての あなたの部屋も
受話器をはずしたままね 話し中

中島みゆきの名曲『悪女』だ。
1981年発売というから、僕が小5の時。
翌年ラジオからよく流れるようになり、毎日下校時に口ずさんでいた記憶。

ネットなんてないから、歌詞は耳から入ってきた音だけが頼り。
いわゆる歌詞の耳コピだ。
それでも中島みゆきが技巧派でないことが幸いし、聞き取りやすい。

もちろん詞の深い意味なんて分からない。
難解ではないが、何しろ小学生には経験ないシチュエーションなもので。
ただ、淋しい「私」が夜の街をさまよっていることは想像できた。

そしてついに迎えたサビ。
「私」の感情が一気に発露する。

アーク・ジョーンになるなら 月夜はおよしよ
素直になりすぎる
隠しておいた言葉が ホロリこぼれてしまう
「行かないで」

アーク・ジョーンになるなら 裸足で夜明けの
電車で泣いてから 涙ぽろぽろぽろぽろ
流れて 涸れてから

淋しすぎた「私」が、アーク・ジョーンになろうとしている!

うぬ? アーク・ジョーンって何? 誰なん…
月夜? アーク・ジョーンってオオカミ男?
え、「私」って女ちゃうかったん?

口ずさむたび、脳内がナゾで満たされていた小6の帰り道。
小学生の耳コピには限界がある。

(2022/1/27記)

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