演奏上達メソッド 脳内の筋肉制御

 今日の記事は、人間の脳の仕組みを、マイコンに置き換えた時に
人間の体がどのように制御されているかを私が想像したものである。
まずは、一番問題になりやすい筋肉の制御から始める。
 
 
 日常生活において、筋肉を使うことは脳にとって負担が大きい。
筋肉を使い過ぎて脳内の処理能力が破綻すると、他の制御が回らなくなる。
 
例えば、ランニングをしている間、
将来の不安や、悩み事などを一時的に忘れられる。
つまり、ランニング中は全身の筋肉を脳で事細かに制御しているので、
他の処理(タスク)には制御が回らないためと考えられる。

つまり、筋肉制御タスクは他よりも優先度が高いのである。
なぜ、筋肉制御タスクは優先度が高いのか。
 
それは、転倒した時に頭(脳)を守るため。
 
脳は何かにつまづいて体がバランスを崩したことを検出すると、
一時的に「緊急時制御システム」に体の制御が移され、
筋肉は自分の思い通りには動かなくなる。
脳を守るために、地面との衝突を回避するためである。
 
この時、他のタスクが処理されていて、
腕をつくことができずに頭から落ちました、というのはありえない。
 
だから、自分がどんなに重要なことを考えていても、
また、たとえ転びそうになって、目の前に犬のうんちがあったとしても
「緊急時制御システム」では、ためらわずに手を地面に伸ばし、
衝突を緩和させる。
 
つまり、筋肉制御は脳を守るために、最優先で動けるようになっている。
 
 
ここで、ヴァイオリン演奏中の脳内について考えてみる。
 
ヴァイオリンを持つ左腕と、立って演奏するための筋肉使用は
常に使うので、いわば固定費である。
ここに、フィンガリングのための左手指と、ボウイングの右腕の
筋肉使用が変動費になる。
固定費+変動費が脳の処理能力をオーバーした時、
他のタスクは制御できずに、演奏が破綻する。
 
他のタスクとは、合奏などで他の奏者の演奏を聴く「耳音処理タスク」
リズムを自分の中で生成するための「時間管理タスク」などがある。
 
 これらの現象をうまく利用すると、上達に必要なことが見えてくる。

例えば、メトロノームや伴奏が、自分の演奏に対して「速い」と感じる時、
運指による左手指の筋肉の使いすぎで、
「時間管理タスク」の処理が、遅延していると判断できる。
おそらくだが、「時間管理タスク」はかなり優先度が低い。

私の場合、変動費である左手指の力みが問題であることが多い。
 
対策は、演奏を急ぐことではなくて、
筋肉使用を減らす運指方法を考えることである。
 
 どうでしたか?
もし、上達という、これまで得体のしれなかったものが
おぼろげにでも見えてくれば、私も嬉しいのだけど。



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