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Swindle

そこには,ないものを,あたかも,あるようにみせる…まるで手品師のように…

ソレができるのであれば,コレを読んでいる人も詐欺という行為をできるかもしれない.

あとは簡単だ.
その欲望をカネに変えてしまえばいい…

欲求というものがある.
人はある欲求が満たされるとより高次な欲求を満たそうとする…いわいるマズローが唱えた欲求階層論だ.
人は社会的な生き物であるがために欲求が多岐にわたる.
その欲求をあげればキリがない.

ソレを満たせてやればよかった.
相手に冷静な判断ができなくさせるには,
急かす,焦らす,イライラさせる.
コレをやれば,だいたいの人は思考が停止する.
人は感情が先走る…
どんなクールなヤツでも感情を抑えることは難しい.

振り返ってみると,誰しもそういう経験はあるとおもう.

ソレが少額の金額なら,仕方がないと自分にいいきかせるんじゃないか?…

1発のデカイ金額を抜くのは気がひける.
ましてや,老後の蓄えを根こそぎゴッソリとか考えてなかった.
少額で数が多ければいい…
考えがそこに辿り着くにはすこし時間がかかった.

被害届が受理されて,捜査が始まる頃には証拠がない.
被害の金額は少額,被害者は全国的に散らばっていて捜査なんてしない…
駒を進めるように,出口から考えていた.
捜査の接点は?
必然と答えはでる…

毎月100から200抜ければよかったが,気がつけば500から600ぐらい,平均的に抜けるようになった.

大阪に着いて3ヶ月ぐらいで部屋にはレンガが1本ぐらいあった…

そのカネも3ヶ月ぐらい経てば溶けていったけど…

オレは,あいかわらず,casinoとdrugとSEXにカネを使った…

人は失敗する生き物だとか,よくおもっていた.
1千万のカネが溶ける…
よくある話だろう…
まぁ,あるといえばあるがないといえばない…
何してんだろう?
よく,虚空を見つめて考えていた…

「振り子を止めるには,それを破壊するほかないだろう」
ジャン=クリストフ


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