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RAT food

「名前は?」
「あー,ヤンと言います」
「えっ?ヤンさんですか?」
「そうですよ,ヤンでいいですか?」
「わかりました」
「で,どのくらいあるんですか?何枚もあります?」
「どのくらいいるんですか?」
「とりあえず,1枚でいいよ,ソレが使えるなら,月に最低5枚は買うよ」
「わかりました,1枚用意します」
「じぁ,そういうことで」

流暢な日本語で喋るヤンはオレだった…
ネズミは本名で自分をヤンに紹介していた…

イリーガルなモノを買うのにホントの名前を名乗る馬鹿は,この世にいるのだろうか?

そんなことを考えて話をしていた…

用事は済んだ.

話の終わりに,ネズミが覚醒剤もある,人身売買の話があると話を持ちかけてきた.

ヤンは興味ないと笑ってクルマを降りた…

秋が深くなっていた…
銀杏なんかは散ってしまって,全裸でそこに立っていた.

数日後,ネズミから連絡があった.
道具を買うことになった…

クチは使えた…
横抜きもなかった…

ネズミに連絡を取って何枚あるか尋ねた…
10枚ぐらいしかなかった…
全部買った.

カネを引きだすコトも自分でやった.
1枚でだいたい数百万のBrown Moneyを抜いた
クチを使える時間は1週間から10日だった…

カネを振り込ませては引き出した…
2ヶ月ぐらいで煉瓦は2個ほど作れた.

クリスマスにはサンタは来なかった…
PCを一日中みていた…

年が明ける2日前までカネを振り込ませていた…
やればやるだけカネになった…

休む暇?
いらねぇよ.

年末,御堂筋あたりでブラブラと買い物をして回った…
すれ違う人々はどこか生活感が溢れていた…
ホテルでボーっと考えていると…

ネコから年の瀬の挨拶の電話が鳴った…

年が明ける時には,考えが変わっていた…

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