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英文履歴書の書き方

今回は、書籍「英文履歴書の書き方」の内容を基に、私の経験も肉付けしながら、ご紹介したいと思います。この本は、以下の点から、とても参考になります。

・大学院用、様々な業種、オンライン用など幅広く用途を網羅している
・具体例の紹介が充実している(フォーマットも充実)
・履歴書の構成要素、効果的な書き方など、総論が分かる

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履歴書を書く前に、自分の過去のキャリアが、応募先の企業でどのように役立てられるか、頭の中で整理できているでしょうか?まだでしたら、自分のスキルや経験と企業のニーズがどう繋がっているか、考えてみましょう。

キャリアの振り返り方については、以前に書きましたので、一読頂けると嬉しいです。「自分の得意なこと」「自分のやりたいこと」をまとめてみてください。

それでは、本の内容に沿いつつ、参考になるサイトも引用しながらご説明します。

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1.履歴書の構成要素

まず、履歴書の構成要素ですが、本著では一般的に以下に分けられるとされます。

・氏名・住所・電話番号・Email address
・プロフィール・技能・業績要約
・職歴
・学歴

ここでは、氏名・住所・電話番号・Email addressは省略しますが、簡単に構成要素の内容を書きます。

①プロフィール・技能・業績要約

単なる業績の要約ではなく、応募職に就く資格がある/能力があることをPRする部分です。応募職で重要視される要素から順番に、箇条書きで記載します。

・専門分野での経験年数・担当業務
 (例:10年間、製造業において、企業会計の実務を担当)
・業績・成功例
 (例:3億円の顧客を開拓維持/過去10年に渡り組織売上目標の150%を達成)
・スタッフの管理・監督
 (例:10人からなるプロジェクトチームを指揮/代理店20店を監督)
・特別な知識・技能
 (例:プログラミング言語に精通/ビジネス英語上級)
・ソフトスキル(対人関係スキル、コミュニケーション能力、チームワークなど)
 (例:顧客のニーズを把握し、新規事業に関する戦略を立案)
・仕事への姿勢・性格など
 (例:スケジュールや予算の管理能力)

できる限り具体的な数字を挙げた方が説得力のある内容になると思います。ソフトスキル、仕事への姿勢・性格も重要と思いますが、定量的な説明が難しかったので、私の場合、内容には取り入れませんでした。

②職歴

新しい順に記載し、勤務期間(年単位でOK)を添えます。ここに、肩書き(タイトル)も併記します。日本企業の場合、非管理職だと肩書きがないことも多いですが、仕事の内容に合わせて、適切な英語の肩書きをつけてしまって良いです。

肩書きの訳例は、本著にも載っていますが、下記サイトも参考になります。自分の担当業務の内容と照らし合わせて、最適なものを選んでみてください。

肩書きの下に、担当業務や業績を箇条書きで記載します。なお、私の場合、これが①プロフィール・技能・業績要約の内容と重複しましたので、①と②職歴を統合してまとめまてしまいました。

③学歴

職歴同様、新しい順に記載します。学位と専攻は正式名称で記載する必要があるので、自分が通っていた大学などのホームページで正式名称を確認しましょう。学位と専攻の訳例も本著に記載がありますが、下記サイトにも載っています↓

ここでは、留学・交換プログラムや、出版リスト(学会誌への投稿など)、学会での発表経験(口頭/ポスター発表)、奨学金・賞の受賞歴も記載すると良いです。これらの書き方については、下記サイトのフォーマットも参考になります。

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2.履歴書の効果的な書き方

本著でポイントとされているもののうち、私が参考にしたのは、以下の通りです。

・応募職ごとにカスタマイズする
・キーワードを多用する
・力強い言葉・表現を使う
・できるだけ具体的な数字で示す
・1~2ページでまとめる
・何度も見直し、スペルチェックをする

本著の内容から、もう少し詳しく紹介してみます。

応募職ごとにカスタマイズする:応募先企業のニーズに合わせて、担当業務・実績の表現を変えます。職歴・学歴・資格技能は、応募職にとって重要なものを先に書きます。1種類つくって完成ではなく、応募先企業に応じて書き変えることが必要です。

キーワードを多用する:企業のホームページや業界紙から、重要とされる概念・技能、業界のトレンドを確認し、キーワードとして自分の履歴書にも盛り込みます。

力強い言葉・表現を使う:受け身的な表現(Duties include, in charge ofなど)を避け、アクション動詞(Implemented, Improved, Motivated, Organized, Performedなど)を使います。

できるだけ具体的な数字で示す:どのような課題に対して、どのような行動を起こし、どのような成果を得たか、具体的な数値で示します。定量データがないと、成果は評価されません。

1~2ページでまとめる:大学関連職や研究職を除き、一般企業の場合、分量はこの程度が良いです。余白を十分とったレイアウト、読みやすいフォントにも気をつけます。(Arialの10ポイント、Times New Romanの11・12ポイントが標準)

何度も見直し、スペルチェックをする:スペルミス、タイプミス、文法の間違いは厳禁であり、必ず印刷して確認します。作成後1~2日をおいて新鮮な目で見直すのも良いです。

なお、私の場合、念のため、英語英文添削センターにも、英文の校正チェックを出しました。とても重要な書類ですから、校正サービスに出す価値は十分にあると思います。スピーディーな対応をしてもらえました。

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3.私の場合の書き方

本著のフォーマットのうち、

・海外の大学院用のレジュメとCV(MBA応募用)
・様々な職種・業種のレジュメ(Market Researcher)

を参考に作成しました。詳細な内容はここでは非公開とさせて頂きますが、骨子をご紹介します。コンサルタントとしての担当業務・技能をアピールしたかったので、構成要素は以下の通りにしました。内容は、研究職と企業の企画職の間で、両者をミックスしたようなイメージです。

・職歴(Employment)
・学歴(Education)
・専門分野(Areas of expertise)
・出版物(Publications)
・学会発表(Presentations)

実際の私の履歴書ではありませんが、下記のようなイメージです。

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履歴書のフォーマットが載っているサイトは、ネットで探せば色々出てきますが、例えば、以下があります↓

今回は、かなり端折って書きましたが、詳細を知りたい方は、参考にした書籍を読んでいただけたらと思います。

履歴書の骨子=応募先企業との面接内容の骨子です。履歴書がつくれれば、準備の前半戦は終わったようなものだと思います。

また、この履歴書は、VISAの申請のときにも使えました。VISAの申請に当たっては、職歴や当該人物の雇用が必要な理由を提出します。その際、この履歴書の内容を援用できました。本件については、また別の機会に書ければと思います。

ぜひ、履歴書を完成させて、希望するポジションを勝ち取っていただければと思います。少しでもご参考になれば嬉しいです。

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P.S. 米国の緊急利下げを受けて、香港金融管理局(HKMA、中央銀行に相当)も、3月4日、基準金利を2.00%から1.50%に下げたようです。世界で利下げが進行中です。マイナス金利の国はどうなるのでしょうか…?


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