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「First love 初恋」は二つの惑星の物語

*ネタバレ含みますのでご注意ください。
個人の勝手な考察ですので、是非ご自身でも「あなただけのこの物語の意味」を考えてみてくださいね。


惑星についての考察

これまで色々な考察をし、またドラマを観直していて色々と繋がってきた点があります。それを今回書いてみようと思います。

今までの考察はコチラ↓

2ライラックの花
5火星探査機のぞみの意味
11映画オマージュ
14名前に込められた意味
19二人をつなぐ小熊

辺りを読んで頂けると、今回の考察が導かれていった流れがよりわかりやすくなるかと思います。

今回ピンと来たのは、
第4話、火星観察会の列で晴道に電話している時の也英の一言。
「地球と火星ってそれぞれ違う軌道で回るじゃないですか?」

コレ、地球も火星も人の人生を表しているのではないか?
人それぞれ皆違う人生、違う軌道を歩む。
これを惑星になぞらえているのではないだろうか?

そこでココまでの考察を振り返ると、

まず、也英が「青」、晴道が「赤」を象徴しています。
これは也英が青い星「地球」、晴道が赤い星「火星」と考えるとしっくりときます。

母なる星、地球。そして注目したいのは地球の「地」です。
今まで也英の「英」ばかり注目してきましたが「也」がずっと引っ掛かっていました。何か意味があるはずだと。
そこに「地」の文字に「也」が含まれることに気付き、ナルホド!と合点がいきました。

地球と火星の大接近は、二人の気持ちの大接近でもあり、二人の人生の軌道も再び大接近していたことを表していたのだと思います。

そして火星探査機「のぞみ」
也英の名前が載っています。つまり也英の分身。
これもまた也英を表すメタファーでもありました。
当初、私は也英の失われた記憶だと考えていました。
しかし「のぞみは深刻な故障に見舞われた」というwikiの記述を踏まえると、深刻な故障=也英の記憶喪失 と考えられます。

晴道=火星への道=のぞみの火星への軌跡 と考えると、
この物語は、のぞみ(也英の分身)が火星(晴道)へ行く途中で軌道を外す(惑う)物語、というおおまかなあらすじにも重なってきます。

二人の周りにいる登場人物の名前考察で書きましたが、
恒美、旺太郎、綴 どれも恒星を意味していました。

主人公二人は惑っている惑星。
そこに光を放って輝きを届ける星、光を当てて再び輝かせる星達だったわけです。

地球や火星の惑星は自転し、日が当たる時と当たらない時があります。
人生の輝く時(也英&晴道の輝く青春&恋愛時代)と暗く困難に満ちた時代も惑星になぞらえることができます。

そう思って見直しますと
二人がタクシーを待つシーン。

意味ありげにゆっくり二人の時間が流れます。

とても印象的で観てる側の記憶にも残るシーンです。
これは光輝く宇宙にいる二つの惑星、地球=也英と火星=晴道を表していたのではないでしょうか?

そしてもう一つ思い出されるのは天狗山でのシーン。

瞬く夜景に涙を流す也英

これも夜景が宇宙、それに包まれる二人が二つの惑星を表しているシーンだったのでしょう。


映画オマージュの項目でも指摘しましたが、
このドラマはまさしく「恋する惑星」を文字通りに体現するドラマだったわけです。(追記:実際「恋する惑星」を観直しましたが、全く惑星は出て来ませんw 日本語タイトルにだけある表現。)

ここまでわかると各話クレジットの時に出てくる光のイラスト?図形?の意味も分かってきます。

太陽と二つの惑星?地球と火星。そこに主人公二人を演じる俳優の名前。

なんとなく星を表しているのだろうとは思っていましたが、これは恋する二つの惑星、星の軌道、宇宙を表しているのでしょう。


この宇宙、惑星の考察を踏まえて、また「First love 初恋」を観直せば、
新たな宇宙モチーフ、メタファーも発見出来そうですし、さらに楽しさも拡がるのではないでしょうか?今なお拡大している宇宙のように…


追記 二つの光

満島さんのタクシーインタビュー 1&2&3を観ると、

佐藤健さんを監督に薦めたのも満島さん、アオイヤマダさんも満島さんの紹介のようですし、大聖君、飛羽君のオーディションでも審査員側にいた様子が語られています。ワークショップも彼女が主催した模様。
「恋する惑星」のオマージュやプロットに組み込まれたのも満島さんの影響があったように思えます。

そう思うと、宇多田ヒカルという光る恒星が作った楽曲のインスピレーションだけでなく、満島ひかりというもう一つの光る恒星からによるインスピレーションも多大に反映されていた作品でもあったと言えるのではないでしょうか。


追記2 アイスランドだった理由


今回の考察から火星が晴道のメタファーであったと考えられます。
最終的に也英が辿り着いた場所、アイスランド、晴道
ココでピンと来ました💡
アイスランドの荒涼とした風景と火星の景色には似た部分があるのではないか?と思いました。

そこで調べてみると…ありました!思った通りの記事が。

地球上で火星に一番似た場所=アイスランド と考えると、
晴道が選んだ場所がアイスランドだった理由も、
也英=火星探査機のぞみ が最終的に辿り着く場所としても納得がいくのではないでしょうか?

そして二人でアイスランドで暮らす=火星人になる的な意味も考えられます。
ここで思い出してみてください。火星観察会での二人の会話。
也英「並木さんって火星人っていると思います?」
晴道「当然!移住計画が発表されたら真っ先に手を挙げますよ」
現段階で一番火星移住に近い夢を二人は叶えたわけです。

いやぁ~繋がった!!スッキリ!!www

<追記の追記>
晴道が勤めているビルがノーザンライツ・ビル。
ノーザンライツオーロラのことだそう。
アイスランドもオーロラが見える場所であることから、そんなところにも布石があったということでしょうか?


オマケのコジツケ
今回也英の「也」「地」から来ていると考察しましたが、
さらに飛躍して「也」→「地」→「土」と解釈します。
そして「英」がハナブサ、房のように咲く花、その代表格と言えば「藤」と解釈しますと、宇多田さんの母である「藤圭子」さんにまで無理やり辿りつけたりしますw。詩ちゃんが歌ってました「聞いて下さい私の人生」

「初恋」の曲が男女間のものだけでなく、人として最初に恋する対象として親子間も含むというような発言も宇多田さんからあったと聞きます。
彼女にとって最愛の人であった母の名前をも連想させる名前「也英」…このドラマの世界において、確かに日本一美しい日本語になりますね。


追記3 宇宙小ネタ&お日様とイクラ

宇宙ネタを探しながら再度視聴して見つけた小ネタ

*晴道の姪・愛瑠の好きなアイドルグループは「流星王子」

*優雨に結婚スピーチで
晴道「自分はウルトラマンになる男だと思ってました」
仮面ライダー電王・佐藤健に敢えてM78星雲からやってきたウルトラマンを言わせてるw

*6話冒頭、也英と幼児綴とのシーン

子供の落書きにしては数が多すぎてちょっと不自然。

也英が絵を描いている綴に「お日様?」と訊くと
綴「イクラ
也英「エッ、イクラ?www」
と言うやり取りがある。その後、上のようなシーンに。

コレ、お日様ともイクラとも取れます。

也英も綴も上記考察から星のメタファーがあったので、太陽のような恒星達に囲まれた宇宙にいる地球と北極星と捉えることができます。
(宇宙に溶け込むかのようにドット模様のお揃いの服を着ている)

または綴がこぐま座なので、也英はおおぐま座?
と思って、星座の由来であるギリシャ神話を見たら、ゼウスに見初められたカリスト(おおぐま座の元になる女性)は、アッという間に子供(こぐま座)を産ませられる…そうです。なんでも気の早い行人との出来婚と一緒でちょっと笑ってしまったwww。

もう一つは、也英が会社屋上で茄子田さんと鮭を焼いていた時に、
自分を産卵した鮭「ほっちゃれ」になぞらえていました。
それを踏まえると、産卵した鮭(也英)と鮭の卵・イクラ(絵)、そして孵化した稚魚(綴)になります。

出産シーンは無かったので、このシーンでイクラ産んだ鮭=出産をも表現したのでしょうね。思ったより生々しかったぁ!!www
ドット模様の服も鮭の模様イメージしてたりして!?w

この後、小樽の父親に会いに行く若也英が全身ドットのワンピース。
これは…子供産んで卵減ったからほっちゃれ也英はブラウスだけドットになったのか?苦笑


追記4 ギリシャ神話からの考察

追記3のこぐま座とおおぐま座より、
星座とはギリシャ神話から由来するものが多い。
それを踏まえてみると…
也英の夫、也英の父の女癖の悪さは全能神ゼウスを連想させます(いろんなところにちょっかいだして子供作ってるんです、ゼウスってw)。

夫・行人は医者。脳外科医。
同僚に「王様気分でいる」と言われたり、まさに全能の位置付け。
ゼウスには双子、アポロン(太陽)とアルテミス(月)という子がいます。
行人にも双子の女の子がいました。

父・昭比古は別に正妻がいる。ゼウスにも正妻ヘラがいつつ、いろんなところで子供を作っている。

也英に関わるこの二人の父性にはゼウスの投影があるのかもしれません。

そしてゼウスが正妻以外と作った子供にアフロディ―テ美の女神がいます。これは也英に重なる気がします。
ただアフロディ―テはビーナスの別名でもあるので、ビーナスは金星。
ここで也英=地球とは少しずれてしまいますが…。

ビーナスが美の女神で女性を表すのに対して(記号だと)、
マルス(火星)は軍神、武勇、男神を表します(記号だと)。
火星が晴道のメタファー、そして軍神→自衛隊とココで繋がってきます。

監督は宇宙→星座→ギリシャ神話を下敷きに、登場人物の人間関係を構築していった部分もあるのかもしれませんね。
父、昭比古のキャラ設定を考えた時にふと思ったので書いてみました。
追記:昭比古の「昭」も、あきらか/明るく輝く/てりかがやいて明らかなこと 彼も恒星イメージがありましたね。確かに也英に、本や世界中のお土産で知を授け、彼女の人生に光を与える役ではあった気がします。

あとは幾波子…この名前の意味が分からない。也英晴道に幾つもの波=障害を与える人物ってことなんでしょうか?


追記5 対の涙

台湾のYoutubeのコメント素敵なものがあったのでシェア。

第2話最後、也英と再会した晴道が流した一筋の涙は右頬を伝う。
第8話最後、記憶が蘇り、頭の中であの頃の晴道に再会した也英。一筋の涙が左頬を伝う。

二人が常に対になっている、二人そろって完成する、お互いが必要としていることを表しているのではないか?…と。

これ素敵な解釈ですね。

しかし、コレが監督からの指示だったとしたら、思った方の目から涙流せる主役二人、スゴ過ぎる!!


また見つけたら随時追加予定


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アァ~共感得られた~!ウレシイ~!となりますw。

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