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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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NetflixドラマFirst love 初恋 考察 感想

考察

色々気付いたこと、気になったことを書き留めておきます。

*ネタバレ含みますのでご注意ください。
個人の勝手な考察ですので、是非ご自身でも「あなただけのこの物語の意味」を考えてみてくださいね。
*追加の注意
寒竹ゆり監督は宇多田さんの「First love」が世に出た頃、
いろいろ分析する大人に対して思ったそうです。
「そんなことを語るより、曲を聴いて感じなよ」と。
この考察も同じことが言えます。いろいろ分析するより感じなよ、と。
詳細がわからなくても十分楽しめるドラマです。
そういう風に丁寧に作られています。
感じることを大事にしたい方は、余計な情報を入れることはそれを阻害する可能性がありますし、何度も観て自分で発見することの楽しみを奪う可能性があることを了承して、どうぞお読みください。

1 二つのタイムライン

冒頭、高校生也英がバスに乗ってる場面。手前に綴がスマホを使っている。
過去と現在二つのタイムラインが同時進行していくドラマですよという暗示? 
この他、多くのメタファー、繰り返し、ギミックがこのドラマには散りばめられている。


2 ライラックの花

紫ピンク?ライラックの花言葉は「初恋」
也英の家は基調が多い。晴道家族は基調の衣装。
青と赤が出会って混ざって紫ライラック色に。

この青空バックのライラックは晴道と也英そのものを表している。
「英」という字はハナブサとも読み、房になって咲く花の群れを表す。

追記:色に対する深い考察の記事を見つけました。
共感する部分もあり、新しい発見もあり、読み応えあるのでおススメです。


(ライラックの花でいえば…晴道がタクシーに持ち込んだライラック、私的にはライラックに見えない。しかし旺太郎が也英に渡した時にはちゃんとライラックになっている。花は生もの。撮影時に手に入れられなかったのかもも?と想像してます。)


3 プルースト効果について

プルースト効果とは
無意志的記憶
身体的記憶=五感の記憶 聴覚、視覚、味覚、嗅覚、触覚

プルースト「失われた時を求めて」では、紅茶に浸けたマドレーヌの味で思い出す。

嗅覚~ライラックの香り=初恋の香り 
1話タイトル「リラの花咲く頃」
晴道のライラック花束が旺太郎タクシー経由で也英の元に。
嗅覚で刺激→布石①

聴覚~2話タイトル「きみの声」
話の終盤に二人は出会い、実際に晴道の声を聴く。
「きみの声」とは也英の声でもあり、晴道の声も意味していた。
聴覚で刺激→布石② (しかしまだまだ決定的ではない)
この後、頻繁に晴道と逢うことになるので視覚的にも聴覚的にも刺激は与え続けることに。

味覚~3話タイトル「ナポリタン」
晴道の好物=ナポリタン 二人でナポリタンを食べる。
味覚で刺激→布石③

視覚~5話タイトル「Talk in Sign Language」
手話が全編で取り上げられ、最後に病院で也英が優雨の手話を見る。
視覚で刺激→布石④ 
也英も手話をする=体の記憶が蘇りつつある。

ただボーっと眺めて入ってくる(景色とか)受動的な視覚ではなく、
「手話」という意識し、情報を能動的に取りに行く視覚。
つまり脳で処理する作業が多いということは、より刺激が強いとも考えられる。
手話を取り入れた納得の理由ではないだろうか?
(今年アカデミー賞で「コーダあいのうた」が作品賞を獲ったので、この作品にしてもドラマ「silent」にしても手話を取り入れた作品が増えたのかとも思ったが、さすがに撮影期間を考えるとそれは無いかな、と思う)

触覚~6話最後 天狗山でのキス
キスという強烈で重要な触覚で刺激→布石⑤

さらに6話タイトルは「The Sixth Sense」第六感。
五感に加えて第六感までも後押し?

6話終盤の天狗山での会話「虫の知らせじゃないけど感じるんです。
何かとてつもない物を無くしてるんじゃないかって…」。
ココでの第六感とは喪失感でしょうか?

そして第8話の最後。CDプレイヤーから流れる「First Love」
聴覚の刺激再び。最後のダメ押しで記憶が蘇る。

追記:二人のファーストキスの場面を思い返していただきたい。
CDを聴く=聴覚
至近距離=視覚
キス=触覚
煙草のフレーバー=嗅覚と味覚

あの瞬間には五感全てが詰められてもいたわけです。
CDを聴いた大人也英のフラッシュバックには五感の記憶全てが蘇っていたのでしょう。

プルースト効果を実現するために、実は序盤から各エピソード・タイトルにも布石を忍ばせていたわけです。スゴイ!

そして無意志的、肉体的記憶が取り入れられたのは、
「Automatic」「初恋」の2曲が、初恋の人を前にしての思考より先に無意志的、肉体的、フィジカルな反応があることを一貫して宇多田さんが歌っていること、それに監督が注目したという発言があったことから必然と言える。


4 ラウンドアバウトの意味

札幌にある設定ですが、実際は旭川のものだそう。

1話タイトルバックや合間に映るラウンドアバウト。
「ラウンドアバウトは人生と同義」旺太郎の言葉。

グルグル回っている状態=人生の停滞。同じところをグルグル回っている。

意を決して入り(女満別から札幌に)意を決して出る(札幌からアイスランドに)。也英の人生(たぶん晴道も)にもなぞらえているメタファー。

それと1話の最後、晴道が也英のタクシーを見かけるシーン。
也英のタクシーがグルグル回るラウンドアバウトから一台離れていくのは、
まるで軌道から外れてしまった探査機「のぞみ」のようでもある。

追記:4話冒頭の惑星軌道から変わっていくシーン、そして別記事惑星に関する考察から考えると、まさに惑星の軌道になぞらえているようです。


5 火星探査機「のぞみ」の意味

火星探査機「のぞみ」の意味。
也英の名前を載せた火星探査機は軌道を外れ宇宙を漂っている。
失われた也英の記憶のメタファー。
それが戻ることが晴道の「のぞみ」であり、このドラマがハッピーエンドに向かう視聴者の「のぞみ」でもある。素晴らしい例え。
探査機のぞみがこの時代にあったこと。それをプロットに見事に落とし込んだ制作陣がスゴイ。

あと札幌天文台で二人が観る火星の最接近。
これは二人の気持ちも15年ぶりに最接近というわかりやすいメタファー。

ちなみに知らない、調べていない人に4話タイトル「Space Oddity」のことをば。
直訳はSpace 宇宙 の Oddity おかしなこと。奇妙な出来事…的な意味。
しかし有名なのはデビッド・ボウイのアルバムタイトルであり、曲名でもある。

アポロ11号の月面着陸に世が浮かれていた頃、架空の宇宙飛行士、トム少佐が宇宙遊泳とともに己の無力さを感じ、広大な宇宙の果てへと漂流してしまうという、近代化に対するアンチテーゼを含んだ1曲目「スペイス・オディティ」を収録している。(Wikiより)

也英のビデオ店にもデビッド・ボウイ「Aladdin Sane」のポスターが。

コレになぞらえて、探査機のぞみが軌道を外れて漂流していったことを表しているのでしょう。
也英が工場でエアシャワー浴びる場面が宇宙船の中のように表されてるところ。あれも人生の軌道を外れて彷徨ってる彼女自身を象徴させたかったのかもしれませんね。

観直すと、窓の外が宇宙になってる&涙が無重力で浮かんでるとこまで芸が細かい!!

6 逢巴後駅の謎と切符の意味

最終話、晴道の追伸「今度はきみの物語を聞かせてください」の後、二人は再会。そして映る中学生也英が模試後に逢巴後駅を訪れるシーン。

逢巴後駅は実在しない駅。 前後の「阿里別」、「ほろふり」という駅も存在しない。監督の創作らしい。なぜ創作したのか?

晴道はタイムカプセルの手紙で、自分だけが模試に向かう電車で先に也英に一目ぼれしたと思い込んでおり、そう手紙にしたためた。

しかし也英も電車内で晴道の視線に気づいている。そして駅の改札で捕まる彼を見ている。そして自分の文庫本に挟まれた切符に気付く。

実は也英も晴道と同じ時に恋に落ちており、切符の主は(その時は名前は知らないけど)あの男の子だと気付いていた。そしてもう一度彼に逢いたい思いで逢巴後駅を訪れていたわけです。
(これを踏まえて、高校でバイクに乗って暴れる晴道を也英が見るとき、
「アッ、あの時の男の子だ!」という目からドンドン目がハートに移り変わって行くように見えてきますよ。莉可子ちゃんの演技に拍手👏)

少し前の場面で、タイムカプセルから也英の写真やコースター等の間からその切符が零れ落ちていた=也英も10年後、タイムカプセルを開けた時に、あの切符をくれた男の子(晴道)に電車の中で(高校で出会う前に)恋に落ちていたことを切符を見せながら告げるつもりだった。
つまり二人は同時に恋に落ちていたということを表している。

ただ、切符を拾い上げる時の也英の顔が懐かしいというより怪訝な表情にも見える。
忘れていて思い出そうとしている表情なのか、まだ考察の余地あり。

つまりこれが也英の語っていなかった「きみの物語」。
この話を也英は再会後に晴道に話したであろう。二人は同時に一目ぼれしていた。高校で再会するのも運命であり必然だった。

そこで架空の駅名「逢巴後」に戻る。ここで私の考察。
巴の文様は魂に似ている。三つ巴などは水が回る様子の文様化とも。
サークル。巡る魂。
太極図なんかは二つの巴模様が噛み合って表されている。
この駅から始まり、この、何度でも二つの魂()が巡りう…二人はソウルメイトであるというメタファーだったのではないだろうか?

追記:也英の受験票の住所が「網走郡女満別町巴沢183番の5」
巴沢は女満別空港近くに実際にある地名。この辺りから巴の字を取り入れたのかも?
晴道の本籍地は「網走市逢巴後416番地」これは存在しない住所なので…
「網走番外地」ってことですか?www健さんっ!←網走番外地の主役は高倉健。奇しくも佐藤健と「健」つながりw

追記:あと音、響きからのアプローチもしてみると、
「あっぱうし」
北海道の地名が殆どアイヌ語由来なのは有名なので、アイヌ語で近い物を探してみたのですが、コレと言うのは素人なのでイマイチわからない。
その中でこれかな~というのは
アペ=火
ウパㇱ=雪

合わせてアペウパㇱ アッぺゥパㇱ アッパウシ
万歳バンザ~イ\(^o^)/って感じのこじつけでどうでしょうか?w
(北海道の地名も実際こじつけた感じの多いですし)

アペ(火)は晴道の家族の色のだし、若晴道は火のように情熱的な
男。
ウパㇱ(雪)で連想する色はとか淡い青。也英を表す色も青や白。小綴と別れた時は真っ白の衣装着ていました。
なので二人の色を表す火と雪を駅名に落とし込んだ説を主張してみますw

架空の地名、少しのファンタジー的要素を入れることで晴道の存在自体が也英の夢、イマジネーション、または電車で読んでいた文庫本の中の物語?など想像も膨らみ、物語はまた冒頭に戻る→ラウンドアバウトのシーン。グルグル巡る永遠の初恋の物語。
(ビデオ屋に「ネバーエンディング・ストーリー2」のポスター有り。1990年公開なのに1998年にはちょっと不自然。メタファーの可能性も)

初恋というのはどこか叶わない夢、叶うのはファンタジーのようなところもあるということも示唆しているのかも?


7 あの曲へのオマージュ

高校時代、家電から晴道へ電話する時も7回呼び出し音。
天文台で並んでいるときにスマホで晴道に電話する時も7回呼び出し音。
「Automatic」の歌詞にある通りw

歌詞にある通り自動的に体が反応するということはこの作品のテーマの1つ。監督が「Automatic」と「初恋」の歌詞両方にある身体的反応に注目して作られており、ドラマ内での主人公の描写もそれに則っている。


8 晴道がアイスランドに行った理由

恒美と別れたのに、ナポリタン屋の前でどうして也英の元に行かなかったのか?

也英との再会シーン&このシーンも一筋の涙が…
こんなに一筋の涙を美しく流せる俳優いる?w

私の最初の考察は、第8話序盤、恒美がウェディングドレス試着時、晴道のことを「子供の頃の悟空くらい嘘つけない」人であると言っているのが伏線。
嘘をついたまま也英とこのまま引っ付くことは晴道にとって苦しいという本来の性格に加えて、生きる意味でもあった也英の存在、彼女との大事な初恋の記憶をなかったことにして彼女に接すること、自分のコアの部分を奪われたままのようで辛すぎる、耐えられないので彼女がいつか思い出すことに賭け、タイムカプセルに追伸を残して去った…と思いました。

しかし考察の盛んな台湾のYT動画等のコメント欄を読んでいたら、
今の自分は、也英を幸せにすることが自分の生きる意味であった過去の自分とは全く異なる。不甲斐ない人生を送っている。当初のように彼女を幸せに出来る男になるために、まずはパイロットに戻って自分の人生を立て直す必要があったから…という意見も。それもあると思う。

ただアイスランドを選んだ理由も、この監督のことだから深い意味がありそうですが…今のところわかりません。大学の友達から返されたCDの中にビョークがあったり、一話で也英がCAの真似しながら歩いているときにレイキャビク行きと言ってたり(←ラストから最初に繋がる?)、何か伏線が隠されているかも?
(追記:アイスランドが選ばれた理由もなんとなくわかってきました。詳しくは「惑星についての考察」をご覧ください。)

追記:知恵袋の回答で納得のものがあった。

事故により也英の未来を全て奪ってしまったのは自分という自責の念。
それが逢うたびに募って行き、これ以上は無理となったのだろうと。
自分の生きる意味は彼女を幸せにすることだったのに、昔語っていた彼女の夢とは全く違う人生を歩ませてしまった。

まあこれから付き合って幸せにしたらいいじゃん、という意見もあるかもですが、やはり言わないままでというのは彼にとっては騙しているようで耐えられないことだったのでしょう。
(店の前までは行っているので、逢うつもりではあったはず。しかし店の前で足が止まってしまった=このドラマのテーマでもある身体的反応→無理と悟ったということでしょうか?)

それに記憶が戻った時、也英は事故の原因の記憶も戻るわけで、夢破れた人生を歩ませた晴道(全部彼のせいじゃないけど)をすんなり許して貰えるかどうかわからないと怖かったのもあるかもしれない。

それでアイスランドで「並木さん」ではなく「晴道」と呼ばれ、「あなたが私の初恋」と言われ、也英が事故の件を踏まえたうえで会いに来てくれたことで、彼の自責の念も解消された…ということでしょうか。

あと、二人でハーゲンダッツ食べながら也英が高速での失敗を話す場面。
「この世の地獄です。間違いだと分かってるのに進み続けるのは…」と言う。そして晴道は考えた顔をする。
つまり今のこの状況で会い続けることは間違っている。止めないといけないと思ったという伏線だったとも思われる。


9 12月9日

宇多田ヒカルのデビュー日
也英の誕生日
初めて二人が電車で出会った模試の日
也英の誕生日に雪の中の路上で告白して二人が付き合い始めた日
アイスランドへのフライトの日
晴道スマホの暗証番号1209

直接映ってなかったけど、このポップを書いたのは也英。
私がやりますとCDを並べ始める前にカウンターで青いペンで何か書いていたから。

晴道が手紙を突っ返され、也英がバスで胎児の写真を見、新聞では探査機のぞみのミッション終了の記事を見るのが12月10日。惜しい!
他にも日にちにまつわるネタがあるかも?

追記:也英がニュースでインティライミ(南米のお祭り)を見ているので、何か意味があるのかを考えていました。
インティライミは太陽のお祭り。6月22日、冬至(南半球なので)を祝うお祭り。
太陽…晴れ…晴道の誕生日なのかも?
と、思ったのですが、晴道の誕生日は S57年4月20日 。
この辺りにも何かしら意味があると思うので引き続き考察してみたいと思います。
追記:4月20日生まれの有名人調べたら、紀里谷和明さんが出てきたんだけど…まさかね(;^_^A 「First love」 ならず「First Marriage」?


10 ミッシング・ピース

人生のピースを探す=このドラマのテーマの1つ。

1話冒頭の也英のナレーション
「誰かが言った。人生はまるでジグソーパズルだと。どんなキラキラの思い出も、運命の女神を呪いたくなるような理不尽な仕打ちも、人生にとってはかけがえのないピース。」
そして1話最後のナレーション。
「どんな出来事も、人生にとってはかけがえのないピース。でももし大切なピースを無くしてしまったら?」

優雨の結婚式での晴道のスピーチ
「どんな出来事も人生にとってはかけがえのないピース
(ここで也英の姿が脳裏に浮かぶ)

第6話、天狗山でのキス前の会話
也英「こんな取るに足らない人生の底の底の方で、何かとてつもない大事なものを無くしてるんじゃないかって…」=人生のミッシング・ピース

ファーストキスの時に聴いていた宇多田ヒカルの「First love」のCD。
大学生也英が友達から返してもらったCDに中身がないものがあったと言われる。つまりこのCD。晴道のCDプレイヤーに入ったままになっていた。
綴によって也英の元に戻ってくる。
聴くことで初恋の記憶=ミッシング・ピースが戻ってくる。
曲だけでなくCDという物体までもとことんミッシング・ピースだった。

高校の交際時に二人がこの人生のピースについての概念を共有するようになったエピソードあったっけ?同じ価値観を共有する運命の相手と言うことでしょうか?
是非ともそういうエピを織り交ぜた高校生活編のスピンオフドラマ作って欲しいw

ちなみに”ピース”又吉が出てきたのも掛けていた可能性がっ!!www
相方の綾部がNYに行って現在いない状態。
つまりミッシング(失われている&いなくて寂しい)・ピース綾部状態なワケですし(* ´艸`)クスクス


11 映画オマージュ

映画オマージュっぽい所も随所にみられる。
タイタニックトップガンはわかりやすい。
アバター2 by ジェームス・キャメロン(タイタニック監督)が公開され、
トップガン・マーヴェリックが公開された年にこのドラマが誕生したのも運命感じますよね。
*ラジオネーム「トム・クルーズ」&「トップガン」のビデオも出て来ます。

当時、柵があるとみんなやりましたwww
いまだに一人で「I'm the King of the world!」は言ってる私w

監督が師事したことがあるという岩井俊二監督の『Love Letter』とか? 北海道、小樽だっけ?が舞台ですし。 (「Love letter」観直したら、オマージュいっぱいありました。両作品を比べながら観るのも楽しいのでおススメです。私の感想はコチラに書きました)
万年筆の下りは「花とアリス」オマージュだというツイートを見かけました。


也英の東京のアパートの色合いなどはウォン・カーウァイ作品っぽいなとも思いましたが、スワロウテイルとかにも似たような色合いがあるかも?

青が多い中でこの色合いは目を引きます。
これは「ブエノスアイレス」の1シーン
「恋する惑星」辺りに共通点やオマージュ部分ありそうな気がしますが、
もう忘れて思い出せない(;^_^A

追記:「恋する惑星」もあらすじとか映像を観直してみました。

「恋する惑星」フェイのCA姿

男女二組の恋愛模様が進む(FirstLove初恋も綴&詩の話が同時進行)、
最後に登場人物がCAになる、
金城武がパイン缶を食べまくる(也英が桃缶食べ、幾波子がスミレを植えてた。寒いのになんで桃缶なんて食べてんだろ?って思ってました)、
「気まぐれで魅力的で運命に弄ばれるラブストーリーの傑作」というNYタイムズ評があるので、コチラも「運命」が重要なテーマになっていそうです。

追記2:コメント頂いたyyuさんによると、満島さんは「恋する惑星」のフェイの演技を見て役者を志したのだとか。確か寒竹監督は家で満島さんと色々話した後に脚本を書き上げたと言っていたので、これは何らかの影響があったのは間違いないのではないでしょうか?


雪の上で寝転がってるのは「エターナル・サンシャイン」でしょうか?
タイタニック同様ケイト・ウィンスレット出てますし。

3月11日卒業日のあとタイムカプセルを埋めに行く二人。
このポスター画像が晴道也英に重なりますよね。

追記:エターナル・サンシャインも動画やwikiであらすじ見直していたら…
彼女が記憶を失くす(こちらは失恋が辛いから人工的に消す)という話でした。(いや、自分、大事な所忘れすぎ!(;^_^A)
がっつりオマージュされてますやんw 

あと1話、ビデオ店で透明の暖簾っぽいヒラヒラ越しにゆっくり反対側の也英が映るシーン。

まるで水槽の中にいるみたいです。

私はディカプリオのロミジュリ、水槽越しのシーンを毎回思い出してしまいます。

この青の色合いとかそっくりじゃないですか?


監督がラジオドラマ「ラッセ・ハルストレムがうまく言えない」という作品の脚本を書いているので、ラッセ・ハルストレムへのオマージュもありそうです。ギルバート・グレイプ?サイダーハウス・ルール?北海道の景色でオマージュしてそう。

追記:「ギルバート・グレイプ」好きだったなぁ~とちょっとトレイラー見てたら、このドラマと共通点があることに気付きました。

まず主人公ギルバートに知的障害の弟アーニーがいたこと。
晴道にも障害のある妹がおり、そして大家族が支えている点など。

ギルバートはこの弟の世話、加えて夫の死の悲しみで超肥満になり動けなくなった母親の世話と家計を支えることを担わなければならず、小さいこの町から身動きが取れない状態になっている。
つまり停滞し鬱屈した人生を送ってるわけです。

それが最後の最後でまあキレイ(と言ったらあれだけど(;^_^A)に解消され、観てる側もカタルシスを感じジーンとする。

この構成はある意味First love 初恋に通ずるものがあるように思います。

2分前からの長回しで撮ったというボンジが車で助けに来るシーン。

実際使われたのは数秒だったと中尾さんが愚痴ってたw
でもこの道は峠の向こうから来るのを撮りたくなるのわかる。

トレーラーで旅する少女ジュリエット・ルイスがギルバートの町にやってくるシーンに似たものがあるかも?(細かく見直してないので不明)
ラストも車で去っていきますし。

追記:探してみたら、すぐあったw  ↓↓↓

「ギルバート・グレイプ」のオープニング・シーン。
やはり長い道のシーンがありました。

そして弟のアーニーがこれまたディカプリオなの思いっきり忘れてました(;'∀')。

私はこの映画でディカプリオを知り、衝撃を受け、この演技が
未だに彼の最高点だったと思ってます。(他のがダメというわけじゃないですよ)

タイタニックとの共通点あり、
ロミジュリ、ギルバート・グレイプ…寒竹監督はディカプリオのファンでは?
もしそうなら、いつか彼の映画撮ってもらいたいですね。

そしてラッセ・ハルストレム監督のファンでもなかろうか?
晴道の「はる」もハルストレムの「ハル」から取ってる可能性あるのでは!?www

あと、ドラマ内でビョークのCDが出てくる。アイスランドの歌姫。

この特徴的なジャケット、ビョークってすぐわかる。
アイスランドと日本の歌姫の競演w

ビョークの映画と言えば、この間マツコも一番好きな映画と言っていた「ダンサー・イン・ザ・ダーク」
コチラはラース・フォン・トリアーですが同じく北欧出身監督。

この主人公セルマも、息子の為に全てを犠牲にして工場で働いている母親。
そして視力が失われていくという障害をコチラは母子共々抱えている。

主人公セルマが工場で現実逃避し妄想して踊るシーンなんかは、職場のエアシャワーを宇宙船に例えるシーン(也英が妄想してるわけではないが)やCAに扮して歩くシーンにも通じる気がします。

綴を失い、人生のどん底で憧れだったCAを夢想。
現実逃避は人間の防御本能の1つでもある。


それと、綴がセーラー服着てる時あるじゃないですか?

若者に流行ってたりするの?セーラー服?

コレってまさか…「ベニスに死す」のタジオ?
いやまあ荒木飛羽君も美少年ではありますが、あの映画オマージュは思い当たらない。顔テカテカのオッサンに恋心抱かれたりしてないし…w

ウン?🤔アッシェンバッハは作曲家、コチラは綴が作曲する人物。
タジオを追いかけまわしていたアッシェンバッハ、
詩を追いかけまわしていた綴…
綴はタジオよりアッシェンバッハ寄りのキャラなんですよねぇ…😅。

まあなんでしょう?ちょっといきなりのセーラー服にはビックリしました。
タジオ役のビョルン・アンドレセンも北欧出身。
こう見ていくと北欧要素が多いですね。このドラマ。

不審者から也英を守るシーン

このシーンもどこか既視感あると思ってました。
(階段落ちだから蒲田行進曲!と思ったあなたは私と同世代www)

そしたらテレビでホイットニー・ヒューストンのホログラム・コンサートなるもののCMが流れました。AI美空ひばり的な?死んでなおまだ興行に引っ張り出して搾取しようとするヤツがいるんかいな?

それはさておき、そう!ホイットニーと言えば「ボディガード」です。
この感じ、ボディガードに似てるんですよね。エンダ~♬

実際のボディガードの身を挺して守るシーンはこちら。

銃弾から守るので階段落ちもないのですけども…。
(何度も守るシーンがあるから、もっと似たシーンあるかも)
ボディガードもこの時期、クリスマス前に公開された映画だったので似た印象を感じる部分があるのかもしれません。雪のシーンもありますし。

王道ラブストーリーの要素をこれだけ詰め込まれたら、そりゃあハマるわけです。しかし何がスゴイって、そいう要素を取り入れ、散りばめつつもちゃんと一つの物語として再構築できてる点でしょうか?
力のない人が作っていたら、もっとまとまりのないものになっていたはず。

追記:晴道の言った「きみの物語」という言葉から
ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス主演の
「きみに読む物語」が閃きました💡 
00年代では一番人気の恋愛映画の1つでしょう。

詳しいところは忘れているのであらすじを読んでみると、

現在と過去の二つのタイムラインで話が進む
現在、女性側が認知症で、過去のことを思い出せない
二人の関係を反対する女性の母親が男性からの手紙を隠し続ける

認知症で過去のことを思い出せない妻に、
二人の若い頃の恋、結ばれるまでの二人の物語を夫が別人の物語のように語って聞かせる話なんですが、この作品からもインスピレーション受けてる部分ありそうです。


他にもいろんな映画のオマージュがいっぱい詰め込まれてそうです。映画マニアじゃなくてもこれくらいは想像できましたので。


12 運命のキョンキョン

也英と晴道の生まれた年が1982年。
小泉今日子のデビュー年が1982年。関係ないか?

追記:キョンキョンのデビュー曲、「私の16才」
この頃に晴道也英が生まれたわけです。
そして驚いたのは…
歌詞の中に「今日も赤いリラ(ライラック)の花、髪に刺して待つの」と、
ライラックですよ!!まさかこんな所にも隠されていたなんて!

「Firstlove初恋」同様16歳、片想い中の也英視点の恋が歌われてるみたいでキュンとします。紙飛行機も作ってましたし。

小泉今日子のキャスティング、まさに運命のピースがハマったかのようです。「卒業」の斉藤由貴じゃダメなのよ。16才でこの歌唄った小泉今日子じゃないと!!

キョンキョン最大のヒット曲「あなたに会えてよかった」

コレも二人の心情に重なる部分もあってエモいです。

晴道の妹の名前が優雨。キョンキョンの歌に「優しい雨」がある。関係ないか?w 
でも「運命だなんて口にするのなら、抱きしめて連れ去ってよ」と、これまた運命がテーマのこのドラマにおける也英の気持ちっぽい部分もあったり。

優雨の娘、愛瑠は何か意味あるのかな?「I'll」とかいう歌あったりする?
愛瑠は朝ドラカムカムのひなた(新津ちせちゃん、新海誠監督の娘)、
舞いあがれの子供舞(浅田芭路ちゃん)と最近なじみのあった子役さん達で、何か親戚の子に久々に会えたみたいで嬉しかったw


13 親から子へ

也英が父親に会いに行く時青いキャップを着用。
綴が也英に会いに来る時も青いキャップを着用。

綴のはツバのところが綻びてる。
今風のダメージド?まさか也英のおさがり?

反復させることで何を意味しているのか?同じものを親子で共有してるということを強調してるのでしょうか?DNAで受け継がれる同じ嗜好?

デートの約束電話の後の足バタバタ:詩と初めて話した後の足バタバタ。
晴道に恒美がいることを知った後のベッドでの悶え:詩に彼氏がいると知った後のベッドでの悶え。
母子両方の恋をシンクロさせて描いています。

追記:見直して冒頭の旺太郎のミラーリングの話。コレも意味があるのだろうと。同じ動作、繰り返すことで好きになる…逆に言えば好きだからこそ似たような動きをする。夫婦も段々似てくるなんて言います。
親子間、好きな者同士の間で、こういう現象が起こるということを示唆していたのかもしれませんね。

うなぎ、ケーキのイチゴ、ステーキ、美味しい部分を子にあげるというのも繰り返し。親から子に伝えること、素敵な思いやりの連鎖。負の連鎖ではなく、こういう連鎖をいっぱい繋いでいくことが大事というメッセージでもあったのでしょうか。


14 名前に込められた意味

凡二がエロDVDを選んだ時に「ボンジ・コレクション金賞」と言ってました。
これは「モンド・コレクション金賞」に掛けてるギャグ。
晴道家族は晴れ、雨、雪(母親が雪代)とか天気テーマが見られ、
凡二は家族じゃないですが(でもなんで晴道の部屋で寝てお尻搔いてんの?入り浸ってる幼馴染設定?)、その名前にも何か意味があるのか?
そもそもボンジなんてあだ名だと思っていたら本名で驚きました。
本名 河野凡二
まさかこのギャグの為だけに付けられたってことはないですよね?w

名前については也英の「英」の字。
英語が得意ということもあるでしょう。
英にはすぐれて美しい、人並みすぐれたもの の意味もある。
そして驚いたのは別の読みの「はなぶさ」
はなぶさ=房(ふさ)になって咲く花の群れ。
まさにライラックの花ではないでしょうか?
珍しい名前だと思ってましたが、いまでは超納得です。

追記:filmarksの感想読んでたら、
野口英世、最高です!
ってのがありました(爆)。
でも確かに似てる!ココから来てるのか!?

父、昭比古からのハガキ。この「野口也英」の也は世っぽい

あと、恒美の恒はいつも変わらない、足元を照らす恒星の恒
で、濱田岳演じる旺太郎の「旺」の意味も調べてみました。
すると
①さかん。 さかんなさま。 「旺盛」 ②美しい。 光を放って美しく輝く。
①のイメージしかなかったのですが、②がまさに恒星と同じ。
恒美も旺太郎も光を放ち、主人公二人の人生を再び輝かせる役目を背負っていたことになっていたのでしょう。スゴイ!

コウと旺オウ、晴セイと英エイ…音も寄せてる?
恒星の恒と旺盛の旺…これも似てる。

追記:「並木晴道」
スラムダンク
「桜木花道」と似てるという意見をツイッターとかでチラホラ見かけていました。確かに似てる!とは思ったものの、それ以上深堀りはしませんでした。

しかし深堀してみると、寒竹監督40歳、ほぼスラムダンクど真ん中世代であるだろう。
花道は髪を赤く染めたキャラ。湘北ユニも赤。イメージカラーは赤。
ここは晴道に通ずる。

そしてヒロインの名前が「赤木晴子」。
アレ?晴子と花道=晴道?
そういえば、晴道の高校時代、バスケ、ムッチャ上手な描写あったやん!!
繋がった!?

スラムダンク名言ランキング1位の安西先生による
「あきらめたらそこで試合終了ですよ」
最後まで也英の記憶が戻ることをあきらめなかった晴道にも通ずる。

そして映画「THE FIRST SLAM DUNK」と数十年を経て初映画化&公開された時期まで重なる…運命感じます。

也英パパが「うらみちくん」と言ったのは「うらみちお兄さん」というマンガもありますし、マンガ繋がり?マンガからの命名のヒント?

さらに追記:マンガでさらに思考を巡らせると、
宇多田さんの「初恋」が主題歌で使われた
ドラマ「花のち晴れ〜花男 Next Season〜」の主人公が
江戸川 音(えどがわ おと)
神楽木 晴
(かぐらぎ はると)
音は「Firstlove初恋」の重要なキー。
そして男性主人公に「晴」の字。
こちらも多少は影響があるのかも?

タクシー会社は「熒星(けいせい)交通」
という滅多に見ない漢字が使われている。
調べてみると聖徳太子が「熒惑星」と書いて火星のことを表していたらしい。
「火星」、確かにこのドラマに出て来ます。


15 V1という速度

晴道がかっこよくV1という速度について語っているが、
うるさくて全然聞こえてなかったらしい綴役・荒木飛羽君w

離陸をするかしないかの速度。運命を分ける速度。
人生にもそういうジャッジの瞬間がある。

予測不能の風に立ち向かうのか?→也英との不確定な未来のために人生を立て直す。
追い風を待って流れに乗るか?→そのまま恒美と結婚する。


16 旺太郎の木簡とエビ

木簡に書かれてる文も恋文とかだったりして!?

居酒屋で旺太郎が史学を専攻、木簡を研究していたと話す。

またマニアックなものを…と初見は思っただけでしたが、
これは言わば「タイムカプセル」でしょう。
昔の人の思いが書かれた文=晴道也英のタイムカプセルに掛かってくるわけです。

ここで也英の「タイムカプセルの記憶」を潜在的に刺激していたわけでもあります。コレも伏線だったか…。スゴイ。

では也英のエビ好きも意味があるんだろうなぁ。なんでしょう🤔?
晴道のナポリタンばかりフューチャーされてエビはあんまりですもんね。

追記:ここまでの文脈wで考えたら…
エビ🦐=赤=晴道
腰が曲がってるエビ=腰を痛めてる晴道
ということで、也英の大好物は晴道!ということでしょうか?w

大好きな晴道をガブリ!ん~美味しいwww
これもプルースト効果!?

17 宇多田流プロモーション

今年発表された宇多田さんのアルバム「BADモード」からの表題曲
「BADモード」

この歌詞の中に「ネトフリ」ってあるんです(ウーバーイーツもあるけど)。
最初聴いた時、「ネトフリ」なんて企業名、固有名詞にちょっと違和感感じてました。タバコのフレーバーをセッター(セブンスター)のフレーバーと言ってるようなもんですから。アッ、マルボロですね、このドラマ。

しかし彼女はチョット引っ掛かる言葉をわざと選んでる節はあるので、キャッチーさを入れたのかな?と思ってました。

で、「Firstlove初恋」がネトフリで配信された今、聴き返してみますと、

いつも優しくていい子な君が調子悪そうにしている(也英の記憶喪失や現状)
一体どうしてだ 神様そりゃないぜ
(運命の神様のいたずら)
そっと見守ろうか?直球で聞いてみようか?
(晴道の心情1)
君のこと絶対守りたい
(晴道の心情2&階段落ち)
君に会いたい
(晴道の心情3)
エンドロールの最後の最後まで
僕の一番楽しみなとこ
(ラスト観た人ならわかるはず)

これ、このドラマのこと絶対言ってますやんwww
心情の一致だけならよくありますが、ネトフリなんて単語、メジャー歌手で絶対最初に歌詞に入れてるわけです。シランケドw

作詞時点で完成形は観てなくてもプロットは見てるはず。
宇多田ヒカルによるドラマ「First love 初恋」のプロモーションの一面もあったとは!!
自身のアルバムタイトル曲という最高の場所を使いながら、目立たないように最高に控えめな手段で。

流石としか言いようがない…恐るべし宇多田ヒカル。

あと最近UPされた「Somewhere Near Marseilles」のMV

シーパラダイスで撮影されたというこのMV、「Firstlove初恋」の世界感を彷彿とさせるほぼ全編青い世界です(監督は違います)。
(晴道の心情に重なる「BADモード」MVが赤基調だったのも興味深い)

これもこの時期に発表してきたのは意図してるのかもしれません。
12分を超えるMVですが、これにも最後の最後、ドラマと一緒でちょっとしたサプライズがあるので是非最後まで視聴してみてください。


18 青白い炎

ブレードランナーにも出てくる本らしいので、
ブレードランナーオマージュもどこかにあるのだろうか?

模試への電車で也英が読んでいる本。
タワレコでの展示ツイートの写真を上げている方のおかげで判明。

ウラジーミル・ナボコフ著 「青白い炎」

ここでも作品全体及び也英のテーマカラーである「青」「白」
そして晴道の赤を彷彿とする「炎」

さらにこのタイトル、宇多田ファンならピンとくる方も多いのでは?

2018年、「NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』宇多田ヒカルスペシャル」という番組の中で、曲作りに煮詰まった彼女が読み出し、涙を流したという本なのです。

内容は
架空のアメリカ詩人の長詩「青白い炎」と、その友人で狂人(?)の大学教授が施す長い「註釈」とが形づくる、奇想天外な20世紀実験小説の傑作。
だそうです。あまりこのドラマとは関係ないかな?

どんな小道具にも本当にすべて意味がこめられていて驚くばかりです。


19 二人をつなぐ小熊

「綴」という珍しい名前。
最初は音楽を綴るという意味しか考えていませんでした。
しかし、これまた調べてみると

①つづる。つなぐ。つなぎ合わせる。 ②詩や文章をつくる。

太字の部分に注目。
綴によって也英と晴道が再び巡り逢い、
綴が持ってきたCDによって也英の記憶のピースが繋ぎ合わさったことを考えると、これ以上ない完璧な名前でした。

そして綴は小熊と関連付けされています。

部屋のテディベア、インスタのID「ourson」は仏語で小熊、カレンダー也英のイラスト

これは…荒木飛羽君が小熊っぽいからでしょうか?w

綴の部屋にある宇宙のジグソー、惑星のモビール、スマホの待ち受けも星、母子ともに好きな曲「Planetes」も惑星のこと。
ドラマ全体としても宇宙や星がキーになっている中で、特に綴は宇宙モチーフが多いことから、小熊と宇宙で連想すると…「こぐま座」があり、構成する星に「北極星」があります。

北極星α星のポラリスもまた恒星。恒美や旺太郎同様、綴にも主役二人の人生を輝かせる役目を与えたかったということかもしれません。
また北極星は昔から船乗りたちが方角を知るための指針となる星でもありました。
也英にとっても一度見失いかけた人生において、養育費を払うなど生きる指針になった存在であると言えるのではないでしょうか?
(CA姿で迷子を助けたことで子供の存在を再認識、指針にして生きる決意をし、毎月養育費の振り込みを生き甲斐にしていました)


20 だって好きなんだも~ん

「だってすきなんだも~ん」のセリフは
屋上で「First love」を聴いてキスした時が印象的ですが、
その前にタイタニックを5回観たと話す時にも言っており、伏線でした。

そして也英のこのハマったら繰り返すのはナポリタンでも同様。
大人也英も変わらずナポリタンにハマり、もう5回も食べたとラインをしています。

これは也英のキャラは一貫してハマったらしつこいということ(自分でも言っている)、
つまり恋愛に関しても初恋の相手に一筋であるというキャラ造形に一貫性を持たしているということですね。

(中学生也英が着ていたアヒルがドーンと前にあるトレーナー。大人也英も晴道にトキめいて悶えるときに着ています。お気に入りはず~っと大事にする性格)

ぜ~んぶ好きなんだも~ん!

あと、飛行機好きなのも一貫してましたね。
子供の頃から父親からのエアメールで海外に行くことを夢想し、空港近くで育ったので音自体も落ち着くという。CAに憧れ、戦闘機をカッコイイと言い、札幌でも千歳の飛行機の爆音響くアパート住まい。


とりあえず「First love 初恋」を何度か視聴して、ここ最近考えていたこと、気付いたこと、いろいろ覗いて知ったことを書き留めてみました。また何か気付いたら追加したいと思います。
いろいろ追加し過ぎて文体もバラバラ、統一感なくてスイマセン<(_ _)>


惑星についての考察


以上諸々の考察から導き出された新たな考察記事も書いてみました。
良ければそちらもどうぞ! とくにアイスランドについての考察は自分でもナルホド!って思ったほどスッキリすると思います。


感想


ココからは感想も書いておきます。
タラタラとまとまりなく書いているので読む方はそのおつもりで。

ざっくり感想

私は主役の二人の特別ファンでもなく、どちらかというと苦手。
顔の造形がキレイな顔立ちだとは認識していても特に惹かれないというか…。

若いお二人、女の子はポカリスエットの女の子?
この男の子は、この前ふしぎ発見で北極圏に行ってた子だっけ?
ぐらいの認識。

そして予告見ててもベタなラブストーリーの予感…
う~ん、どうなんだろう?
でも宇多田ヒカルは好きだし、「First Love」は彼女の曲の中でも私の中で特別の場所がある別格の曲なんです。
この曲のイメージを損なわれてるような駄作だったらイヤだなぁ~と、でも好奇心が上回って観始めました。(この段階では前評判などは一切入れていませんでした)

そして観終わる頃には大号泣(笑)。
「First love」聞くだけで涙が溢れて止まらなくなる始末。

佐藤さん、満島さんの演技は私の先入観なんか全く意味のないものにするのに十分な素晴らしいものでした。
そして若い二人の演技も、キラキラした若さを確実にカメラに収めた監督がスゴいと思う。木戸君は18回も撮り直ししたエピソード話していたけど、そこまでして自分が撮りたいものを妥協しなかった監督、それに食らいついていった若い二人、素晴らしい!!👏

まあ唯一気になったのはクセというか、若い二人と大人の二人にもうちょっと共通点を持たせて欲しかったかな?
背の高い八木莉可子さんはちょっと猫背っぽいし、動きもおっとりした感じ。一方の満島さんはシャキッと背筋もいいし、動きもキビキビ系。
母親になったとはいえ、そこまで人の癖が変わるとは思えず、その辺の摺り寄せがもう少しあればな~とは思った。

(追記:メイキング映像動画がアップされ、それによると監督はその辺の摺り寄せは指示していたようです。也英の手の仕草や晴道の煙草の吸い方。
私は印象で語っていたので、次回は共通点を探しながら見てみることにします。)

確かにベタなところ、ツッコミたいところもいっぱいあったけど(スイマセン、心がひん曲がりまくるくらい生きて来ちゃったので(;^_^A)、
そんなことは気にならなくなるくらい大事な部分は丁寧に作られている。

記憶喪失なんて…またベタ過ぎる少女漫画的展開よ!とは最初思ったし、ちょっと興覚めした部分もありましたよ。
あと子供を連れ去られる場面とかも、いままで何度も見てきたような場面。
お涙頂戴仕掛けてくるね~とわかりつつ、ガッツリ泣かされてしまった。
コレは満島さんの演技に持って行かれちゃいましたね。

でもね、Netflixで世界配信することを考えたら、こういうベタな方がいいと思うわけです。劇中出てきたタイタニックを当時観た時も、私おんなじこと思いましたもん。でもあれだけ世界中から愛された映画になった。

大事なのはそういうベタな設定、場面でも、それをいかに説得力のある演技、画面作りが出来るかということかなと。そうすれば視聴する側もそういうことは気にならず引き込まれて十分感情移入出来てしまうわけですから。
なので監督、役者の技量がスゴク求められるわけで、この作品はその部分を完璧なまでにクリアできていたと思います。ブラボー!

そしてドラマ内で語られるセリフの数々が本当に素晴らしい。
人生のピースとか、運命を知るにはとか、これまでにもどこかで語られたような言葉ではあるんだけれど(すいません、これまた無駄に長く生きてるもんで 汗)、それを登場人物たちが実感して発しているだろうという説得力をもって語られているので、しっかりと受け手の心に響く。

最近はイイこと言ってやろ~という作り手の顕示欲が鼻につくのが多い気がするんだけど、そういうのは極力臭わせないように注意して作品内に挿入している絶妙な脚本だったと思います。

そして上の考察でも書きましたが、いろいろなメタファー、ギミックを散りばめているのもオタク心に火を付けてくれて楽しいw。

それと、この25年ぐらいの日本の歴史を挿入している点も、同じ時代を生きてきた人には強く刺さる部分があると思う。
私も自分の25年をどうしても思い出し、あの時はこうしてたな~、あれしてたな~と否が応でも作品とシンクロするというか、作品世界に感情移入して没入してしまった…。

小道具の巧みさ

いろいろな小物の使い方も懐かしさと共感があるんですよね。
作中同様、家の電話から折り畳み携帯、そしてスマホという劇的な変化を体験してきた。

あと食べ物も。
ナポリタン(日本発祥のパスタ)、うな重(日本独特の食文化)、イチゴのショートケーキも日本的なケーキだったはず。
こういう日本独特の食文化もわざと入れているんだと思う。日本の豊かな文化の素晴らしさを世界に発信するために。

万年筆なんかも、世界でも特に文房具好きな国民ですしね。

画面作りも色んな過去の映画の影響を感じるし、貪欲にいろんな国の文化を取り入れ、そこから独自の文化も培い、世界一と言っても過言でない豊かな文化を享受してきた日本という国も最大限に詰め込まれてると思うわけです。監督の力量がスゴイ。


あと親と子、子と親のいろいろな話も、私も親とは苦労してきたので沁みるものがある。

幾波子のこと

海外のコメントとか読んでると、キョンキョン演じる母親幾波子が全て悪いみたいに書いてるコメントも多い気がしました。
確かに今でいう毒親かな…と、私も最初は思いました。

でも見返していると、あの記憶喪失になった時点で
「これ也英の彼氏よ」と言っても困惑するだけでしょう(実際、親友のノンコと会わせても困惑したままだった)。

母子家庭という共依存になりやすい状況で、学のないという設定の母親が選ぶ選択肢としては仕方ない。母親も別に娘を不幸にしようというのではなく、行動原理は一貫して娘が幸せになるだろうと思うことをしています。

晴道に掛ける言葉はどれも親として理解できるし、記憶喪失後に晴道に自分の道を進めというのも、娘を傷つけたくないというのもあるし、このせいで晴道のキャリア潰したくないという年長者目線もあったと思います。

それが正しかったかどうかはその時点ではわからないわけで。(視聴する側は主役二人が再び結ばれるのが絶対的正解、正義だというバイアスかかって観てますからね)

行人との結婚だって也英が恋したわけで強要したわけじゃない。
まあ正直に「あなたにはこういう恋人がいたのよ」と事実を話して手紙を見せ、也英にどうするかという選択肢を与えるのが誠実だとは思うけど、
幾波子にとったら晴道と付き合ったから事故に遭ったと思っており(運転手が悪い or よく見ず飛び出した也英が悪いんだろうけど、なかなかそうは思えないもんです人間)、多少の恨みも無きにしも非ず。
このまま医者と幸せになれるならそれでいいじゃん、となるのも理解はできます。
人間いつも完璧に正解を選ぶなんて出来ない…ある程度生きていると身につまされる訳です。この母親のしたことも。

銀粉蝶さん演じる義母はまあ完璧なヒール役なのであれでヨシ!!www
あんなやつ今時おらんやろ?っていうキャラみたいな人、実際いるのよ。特に意地悪してくる人って、まあベタな意地悪堂々としてくるよね。

ていうか気になったのは、モブというか、ちょっとした登場する人、大学の先輩とか酔っぱらったタクシーの乗客とか、ところどころで出てくるクソ野郎達がツライ。日本人はこんなんばっかりじゃないよ~って海外ファンには言いたくなりましたw。

色について

寒竹監督こだわりの「寒竹ブルー」がとにかく印象的。

服、小物は勿論、気にして見ていくと、病院の壁、高校の屋上の扉、青いクリームソーダ飲む空港のガラス外ポーチの壁まで青。
これ、もしこのために塗り直しとかしてたのなら…狂気さえ感じる!!

ガラスの反射や差し込む光の色合いなども青く見えるようにしている。
レンタルビデオ屋の名前もブループラネット。名前まで。

統一感持たせる、画面が美しい以外にどういった意味があるのか、是非監督にインタビューして訊いてほしい。
(メイキングインタビューによると基本画面内に2色でまとめるように意識したそうですね。)
コインランドリーの乾燥機で回る洗濯物まで黄色と青の2色はちょっと笑った。そんな洗濯そうそう無い。

北野ブルーはもっとドス暗い青のイメージだけど、寒竹ブルーは淡いペールブルーが多いので幻想的、儚い感じがイイですよね。
スペインのペドロ・アルモドバル監督のアルモドバル・レッドを効果的に使う手法や、オシャレな小物使いなどもどこか共通する物を感じます。
色、印象的な美しい画面作りって、人によるのかもしれませんが、視覚分野の記憶にスゴク残るんですよね。色で覚えてる。
映画は嗅覚、触覚、味覚が伝えられない中で、視覚と聴覚が武器。
それを最も効果的に使うのは非常に大事ですよね。

日本映画って暗かったり貧乏くさい画面が多い気がして、またかぁ~って思うんだけど、色彩感覚は豊かなハズ。
昔から草木染で様々な微妙な色合いの色を生み出し、それぞれに名前付けてた民族なんだから。春夏秋冬、季節による色の変化にも敏感なハズだし。
もっとこういう色を意識した美しい画面作りする監督が現れて欲しいです。


追記

パクリじゃないよ、オマージュだよ

映画オマージュの考察していたら本当にいろいろな作品の影響があるんだなと、最初はなんとなくだったのが今は確信に近くなりました。

なんだパクリばかりじゃん!みたいに思う人がいるかもしれないので、ココで反論。

このドラマはノスタルジーが重要な要素なわけです。過去25年の出来事、そして初恋という誰もがノスタルジーを感じるものを扱ってるわけです。
そこに過去の名作映画のエッセンスを散りばめるのは、それを経験してきた人の潜在意識にある記憶を呼び覚ましてノスタルジーを感じさせることに繋がる。

私みたいに記憶を辿って過去作のことを思い出し、また観直してみようと思う人もいるだろうし、そもそも知らない人には私みたいな考察する人の影響で「どんな映画なんだろ?」と観る機会を与えるかもしれない。

90年代なんかは情報誌で映画評とか読む機会も多かった。でも最近は自分から探しに行かないと中々日常で見ることが少ない。どうしてもSNSとかで話題になった作品にばかり集中する。埋もれた良質の作品を掘り起こすことに繋がるから映画オマージュ、私は好きです。

要は使い方。そこにリスペクトを感じられることが重要。
この作品はリスペクトで溢れているし、一旦バラして再構築の仕方が絶妙です。まさに再構築のお手本、再構築の美学さえ感じる。

そして過去作への新たな注目に繋がると、名作たちへの恩返しにもなり、さらに映画界全体の活性化にも貢献できるのではないでしょうか。

このドラマはいかに大衆を楽しませて、多くの人に見て貰うことが第一命題。日本ドラマの世界発信のきっかけにしたい思いで作られている。
なので監督が目新しいものを見せつける作家性のようなものはそれほど必要ないし、逆に説教臭いのとか、強すぎる主張は観るものを選ぶので邪魔になる。

ただ監督が今後注目され(るはず)、こういうパターンを繰り返していくのか、作家性を強めていくのか、そこは気になるところです。

傾く女子

ホームで傾く也英。
JR東海クリスマス・エクスプレスのCM的なものを感じますw

話変わって、「傾く女子はカワイイ」!!
「チェンソーマン」ていうマンガが流行ってます。話題になってるので一応アニメもマンガも見てます。

アニメではまだですが、マンガの第2部に登場した飢餓の悪魔「キガちゃん」がいつも傾いてるわけです。首傾げてたり、体傾けてたり。

考察なんかを見ると、聖書の黙示録に出てくる飢餓の悪魔は天秤をもって現れる。だから天秤のように傾いているんだと。長いイヤリングを揺らしてるのもそういう意味だと。ホンマかいなwww

でも第一部の支配の悪魔マキマさんより確かにかわいく見えるんですよね。

そこでFirstlove初恋の上の場面、也英ちゃんのこの傾いた仕草とかも凄くカワイイ。なんだろう?懐かしいかわいさがある。JRじゃなくて風邪薬のCMとか、どこかで観た気がするんです。

そういや犬とかでも首を傾げたりするの、超絶カワイイw(犬と一緒にすんなw)

この首や体を傾けるのがカワイイと思うのはどこから来るんですかね?なにか本能的に庇護愛を沸かせるんでしょうか?

也英みたいにホームで深津絵里や牧瀬里穂も傾いていたっけ?とCM見直しましたが、全然傾いていなかったです💦
でも仕草と言うか、最近ではあざといと言われるのかも知れませんが、当時の女の子の可愛い仕草のテンプレート的なものを也英には感じます。

深津さんがスッと涙をこぼす時の目の演技とか、全く言葉が無いCMだけど全て伝わってくる。満島さんの涙の演技に重なるような体で言葉以上に表現する演技、最近は少なくなってるんですかね?役者の問題と言うより、そういうのを求めない演出側、視聴者の変化もあるのかな?2倍速とかで観てたら伝わりませんしねぇ…。

ちなみに傾く男子もカワイイですよw
木戸大聖君の小樽行く前、バス乗り遅れた時のテヘペロ。
こんなことする男、実際いね~よという気持ちよりカワイイが上回りました。やらせて正解!!www

で、何が言いたいかというと、
JR東海クリスマス・エクスプレスが築いたレガシー、
日本人の冬の風物詩、クリスマス、駅のホームで恋人を待つ女の子
+
傾くことによるカワイさ
カワイさの大渋滞起こること間違いなし。

さあ、JRさん、アルペンさん、
今から八木莉可子&木戸大聖コンビを冬のCMに使いまくるのです!!
なんなら松嶋菜々子からパブロンCMも奪って恋人バージョンに替えてもいい。
CMが話題になれば、「Firstlove初恋」もさらに多くの人に届くはず!!

まとまりなく書き綴りましたが、とりあえずこの辺で。
またドラマ見直して、新たな感想出てきたら加筆します。


あまりにも長くてスクロールも大変なので、
新たな考察はコチラ。


あと最後に「スキ」を押していただけたら、ドラマ観た方なら「フフッ」と思えるメッセージを選びましたので押してみてくださいね!😉

スキじゃないから~と言う方はもう一度押すとキャンセルも出来るっぽいです(noteを初めて使ったので機能の詳しいことは不明ですが)。

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