海ぼうしというアジール

今日は科研費の写真検品の整理などであっという間に1日が終わってしまった。本当は朝方noteに書いたように、大学で講義60分の動画(YouTube公開配信)を撮影する予定だったのだが、起きたのが13時で、事務室が12時半に閉まっていたので、諦めた。

冷蔵庫に2日前に作った豚バラ肉ともやし・にら炒め(醤油味)があったのだが、どうも家で食事する気になれなかった。どこかに食べに出掛けようと思っても、長田まで行かないと、個人店はない。そう思って、長田へと自転車を漕いでいた途中で、一軒のお店が目に飛び込んできた。「Umiboshi」と看板があるだけ。ただドアには営業中とあるので、何料理の店かも分からないままに、勇気を出して飛び込んでみた。

ドアを開けてマスターと顔を合わせたら、お客さんが来て驚いたという表情に見えた。常連さんが真ん中に座っていて何やら飲んでいる。お店の真ん中にどーんと置かれたテレビの存在感が圧倒的で、それに比べて、店内がすかすかな感じがする。とりあえず私は生中を注文して席についた。

生中の他は、ちぢみとアボガドコロッケと生クリームコロッケを注文したが、どれもさくさく感が半端なく絶品だった。生中2杯飲んで、これだけ食べて1,500円は安いと思う。

店主は元ドラマーで、ブルースを主に演奏していたそうだ。メガネをなくされていて、しきりに探していた。それを見ていた常連さんは「探しものはなんですかー♪」と口ずさんでいた。こういうのりは大阪らしい。

その常連さんは、不倫の子で、お母さんを助け、認知をしてくれたのが、戦争から引揚げた在日コリアンの育ての父親で、お母さんは育児放棄で蒸発したが、それでもお父さんが引き取って育ててくれ、そのお父さんの言う通りに韓国籍を取得したが、いまは日本籍に「帰化」したという。とても濃い話だった。

とにかくあっという間の2時間であった。そうそう、途中からお店に入ってきた、店主の奥さんはさばさばとした美人で、聞き上手で、とにかく話ししていて楽しかった。

また在宅での仕事に行き詰まったら、海ぼうしに駆け込もうと思う。そうここは、どんな傷ついたお客さんもやさしく歓待してくれる、アジールなのだ。海ぼうしはこちら→https://goo.gl/maps/zGt7ByVVXGuXXZvi6。ぜひ一度足を運んでほしい。

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