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「リスキリング」の登場を契機に、フリーランス個々人のスキルの棚卸を!

昨年の岸田文雄首相の所信表明演説の中で、「リスキリング」という言葉が登場してから、最近になってネット記事やメディアの解説者の会話の中でもよく見聞きするようになりましたね。

リスキリング(Re-skilling) とは
新しい職業に就くため、あるいは今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、新たなスキルを獲得すること

「リスキリング」という言葉を積極的に使っているジャンルは、デジタル・トランスフォーメーション(DX)とIT分野でよく見受けられます。

リスキリングは、何か特別な学習プログラムやメソッドを意味するところではありません。さまざまな組織で働く労働者から、フリーランスのかたちで働く労働者にも、当てはめることができる一つの”学び直し”という考え方です。

本論では、リスキリングが話題になり注目された理由から、フリーランスとしてリスキリングのためにできること一例を解説・紹介します。

リスキリングが近年話題の理由

リスキリングの一躍注目が高まったきっかけは、2020年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)において、「リスキリング革命(Reskilling Revolution)」が発表されたことでした。年次総会では「2030年までに世界で10億人をリスキリングする」 ことを宣言されました。

今日の日本においては、AI、IoT、VR/AR、ブロックチェーン、5G などの技術はマーケットのあちらこちらで見られるようになりました。一方で、デジタル・トランスフォーメーション(DX)技術については発展途上国だと言われています。まだDXの専門性を持った人材が不足していることが挙げられます。

人材のギャップに対処するには、大幅なスキルアップと再スキルアップの取り組みが必要です。そこで「リスキリング」を推進していく機運が高まりました。

2022年10月3日には、岸田文雄首相の所信表明演説で、個人のリスキリングの支援に5年で1兆円を投じると表明しました。また2022年12月には、経済産業省が「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」に係る事務局の公募を始めております。

リスキリングの取り組みは、IT分野やDX分野に限ったものではない

「リスキリング」は、何か特別な学習プログラムやメソッドではありません。組織側の視点で見ると”人材教育戦略”であり、個人レベルの視点で見て簡単に述べると”学び直し”、”スキルの見直し”という考え方です。

リスキリングは、労働者のスキルを業界トレンドやニーズに対し、効率的・効果的に学習し標準化させる、各分野のリテラシーレベルの底上げという意味において、組織側の視点が強い言葉ですが、学ぶ本人の主体性なしに成功はありません。

フリーランスにおけるリスキリングの意味

フリーランスの同業ライバルの間でも、スキルギャップは今も昔も変わらずあったことでしょう。ただ近年において、AI技術の進化で「画像生成AI」「プログラミングコードの自動生成AI」といったものが登場しています。

もしかすると驚かれた方もいるかもしれません。しかし、現状は重大な問題も抱えておりAIが労働者の仕事を取って代わるというのは、当面まだないように思われます。「重大な問題」と書いた元となる記事は参考までに以下の通りです。

AIに取って代わられるということは当面ないであろうものの、AIのような先進技術や最新トレンドに対して、自分自身のスキルをマーケットやクライアントの求めるレベルまでにアップデートする必要があるのではないでしょうか。

ただ、リスキリングという言葉がなくとも、このような当然の考え方は昔から、そしてこの先も変わらないかもしれませんが。リスキリングという言葉の登場は、一つの自分のスキルの見つめなおしの契機と捉えるとしっくりくるように考えています。

フリーランスとして、リスキリングのためにできること一例

フリーランスの仕事においては、スキルアップは特定の業界や直接の競合相手の数に関係なく、競争力、ブランディング、生産性を維持するのに役立ちます。

最新の業界動向の学習

クライアントの多くは、業界の最新トレンドを求められているのではないでしょうか。そのため自己管理・自主学習が必要な立場のフリーランスは、常に最新のトレンドを把握しておく必要があります。これに役立ついくつかアイデアは次のとおりです。

  • ソーシャルメディアで仕事に関連のあるインフルエンサーをチェックする

  • 高評価の業界メディアを読む

  • 雑誌または電子雑誌の購読を取得する

  • 海外ソースにも触れてみる

業界トレンドと自分の知識や技術とのスキルギャップを把握し、今後どのように仕事に適用や応用できるかについて、アイデアや考えを書きだし、出来ることを考えてみるとよいかもしれませんね。


クラウドソーシングでのオンライン学習

クラウドソーシングには、たくさんの学習プラットフォームが提供されています。フリーランス初心者から上級者まで、リスキリングするという目的において、最適であろうと考えられる代表的サイトを紹介します。


ロールモデルを真似て学習

フリーランスでいることの性質には、孤独であるという要素もはらんでいるのではないでしょうか。

キャリアに関する情報も、自分で調べ考えなければならないのは当然ながらあります。自分が成長しキャリアアップするにしても、どのようにキャリアアップすれば良いかについてや普段の取り組み方など、想像できない分からないことなどたくさんあることでしょう。

このような悩みを少しでも解消できるアイデアとして、考え方や行動が他の人の規範となる人物となる「ロールモデル」を探してみて、真似て学ぶことです。ロールモデルを見つけるためのアイデアは次のとおりです。

  • 自分の業種・業界に関する書籍・ネット記事で、紹介される人物、著者などチェック

  • ソーシャルメディアで仕事に関連のあるインフルエンサーをチェック

  • 同業者仲間からの直接紹介、おすすめ人物の情報をチェック


まとめ

上記でも述べましたように、リスキリングという言葉の登場は、個人レベルに落とし込み捉えると、一つの自分のスキルの見つめなおしの契機と捉えると分かりやすいかと考えられます。

業界トレンドと自分の知識や技術とのスキルギャップを把握するためには、ソーシャルメディアの仕事に関連のあるインフルエンサーのチェックや業界メディアのチェックなどの情報収集が大切です。

そのあと必要に応じて、オンライン学習の取り組みや、ロールモデルから学び真似て試してみましょう。そして実際の仕事でアウトプットして、研鑽し続けることが当然ながら一番大切なことです。

フリーランスは孤独な要素もあるので、切磋琢磨できる仲間やロールモデルとな存在がいることが、早い時期から諸々の理由により必要かなと思います。


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