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SaaSが拓くDXの未来~自治体窓口DX「書かないワンストップ窓口」Comming soon~

デジタル技術の進歩に伴い、地方公共団体の行政サービスのデジタル化、BPR(業務改革)が必要とされるようになりました。

現在、マイナポータルや地方公共団体の電子申請システムにより、オンライン化が加速しています。

デジタル庁が目指す「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」の実現には、窓口業務においても国民や地方公共団体職員にとって使いやすいデジタル化が急務となりした。

デジタル庁は、ガバメントクラウド上に複数ベンダーによる窓口DXに資する機能(アプリケーション)を提供し、自治体窓口DX に取り組みやすくなるという環境の提供を目指しています。

この記事では、デジタル庁が主導で進めるプロジェクト「自治体窓口DX」について解説していきます。公開されている情報が少ないため短くまとめております。

自治体DXの課題

自治体DXが推進される背景には、地方公務員の減少、デジタル社会が進む中にあるアナログな作業の限界、公共サービスのデジタル化に対する期待や地方自治体の財政改革の必要性、そして新型コロナウイルスの影響があります。

これらの要因により、業務プロセスの改善や効率化、業務の質的向上や人材不足の解消が期待され、デジタル庁や総務省が旗振り自治体DXの施策が進行しています。

自治体DXの施策を打ち出すにあたり、課題がいくつかあります。その中のひとつが、自治体の窓口手続きに係る、職員側の業務や住民側の作業の課題です。

例えば、紙を使ったアナログな手続きや属人化している業務などがあります。その課題は、時間的手間や人員負担、工程の複雑さといった問題を抱えてます。

上記の例やその他の課題を改善・改革するべく「自治体窓口DXSaaSプロジェクト」が進められており、「自治体窓口DXSaaS概要説明 0.8版」を参考にすると、2023年4月時点で夏のサービスイン(予定)まであと少しです。ただし「希望する自治体が順次導入」とも書いてあるので、一斉に開始というわけではなさそうです。

*DXとは何か、自治体のDX推進の必要性について、過去のこちらの記事で少し詳しく説明していますのでご高覧いただければ幸いです。


自治体窓口DXの役割、メリット

SaaSとは?

SaaSとは、「Software as a Service」の略称で、日本語では「サービスとしてのソフトウェア」と訳されます。クラウドコンピューティング技術を活用して、ソフトウェアをインターネット経由で提供するビジネスモデルのことを指します。

SaaSは、自社でソフトウェアを開発・運用することなく、インターネット経由で提供されるソフトウェアを利用することができるという点が特徴です。例えば、メール配信ツール(例:Gmail)やCRMシステム(例:Salesforce Sales Cloud)、プロジェクト管理ツール(例:Backlog)などが、SaaSの代表的なサービスとして挙げられます。

SaaSを利用することで、自社のコンピューターやサーバーにソフトウェアをインストールする必要がなく、インターネットに接続された端末から手軽に利用することができます。また、定期的な更新やメンテナンスなども、提供元が行ってくれるため、ユーザーは自らの手でソフトウェアを管理する必要がありません。

つまり、SaaSは、インターネット上にあるソフトウェアを利用することで、自社の業務効率化やコスト削減を実現することができるサービスです。

自治体窓口業務においてSaaSが果たす役割

窓口DXSaaSシステムは、ガバメントクラウド上でサービスを提供することとなっています。

デジタル庁が期待することとは、窓口DXSaaSを利用する住民と職員の双方の課題の解決を目指し、窓口業務改革の取り組みを迅速に全国に広げるためSaaSという形態を活用することです。

デジタル庁 自治体窓口DXSaaS概要説明資料(0.8版)より

さらには、地方公共団体における窓口業務のBPR(業務改革)に集中することができることとなります。

窓口DXの運用にあたり、BPRが中核となっています。BPRを実施することが窓口DX導入が一番の目的とされています。BPRの詳細な中身については、「調達仕様書案」を見る限り4月時点では検討の段階にあるようです。

一般的なBPRの基本的部分ついては、参考まで下記のリンクを。


「書かないワンストップ窓口」のメリットとは?

公開されている情報は限られてるのですが、将来的に窓口DXを利用する住民には、「書かない、待たない、回らない」と大きく3つのメリットを受けることができるとされています。

例えば、申請情報の転記を窓口DXに対しマイナンバーカードを使用することで実現することが出来るそうです。

また、複数の申請手続きを窓口DXで完結できることを目指しています。また、スマホを使ったオンライン申請も検討されています。

あとがき

興味深いプロジェクトだと思いました。ただ一般市民が(自分の住む自治体などで)見たり触ったりできるのは、少し先かもしれませんね。

また、「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」という標榜にあるように、市民側として利用するご高齢の方や外国人居住者、障がいのある方のユーザビリティーにも配慮された窓口DXシステムであることを期待しています。



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