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ヴー・チョン・フン短編翻訳まとめ販売(ベトナム文学)

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今までに掲載したヴー・チョン・フン短編翻訳(1)~(18)までをまとめたマガジンになります。(1)~(18)を合計すると5280円になりますが、文庫本程度の値段で読んでいただける…
このマガジンを購入すると、文庫本程度の価格で今までに掲載したヴー・チョン・フン短編翻訳(1)~(1…
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記事一覧

『海亀猟』ヴー・チョン・フン短編翻訳(18)

 二人は頭の上に籠を乗せ楽し気な様子であり、波に向かい共に歩を進める二人の前に灰色の砂の…

120
古賀拓海
2年前

『祝い』ヴー・チョン・フン短編翻訳(17)

 この日ファン・ウエン氏は明瞭に光栄とは何かを理解した。貴重な祝いの品々、壁の至る所に列…

240
古賀拓海
2年前

『反転する恐喝』ヴー・チョン・フン短編翻訳(16)

「馬鹿か、お前なんかがやめられるものか!早く起きて二ハオ(※以前使われていたベトナムの硬…

280
古賀拓海
2年前
1

『一ドン』ヴー・チョン・フン短編翻訳(15)

 その昔まだ人類がこの進歩の世紀がもたらしたねずみの穴のような広さの家屋の中で各人が互い…

440
古賀拓海
2年前
2

『誘惑する犬』ヴー・チョン・フン短編翻訳(14)

 その日、バー爺さんは財布を開き犬商人に一ドンを払う決断をした。今さっき買われてベンと名…

200
古賀拓海
2年前
2

『醜い妻を持つ』ヴー・チョン・フン短編翻訳(13)

 その日私は「重要な用事」でスゥ・ハー・ドンの裁判所に赴く必要があった。朝、公道に出た時…

280
古賀拓海
2年前
1

『情熱』ヴー・チョン・フン短編翻訳(12)

 もうあと十五分もしたら会社も閉まる。トゥイは鈍く頭をもたげながら椅子に座り小さな窓から郵便局の建物の外にある庭を眺めた。黒い社用車たちはすでに夜便の手紙を配達するために出払っていた。R.T.Tという文字が印刷された重量感のあるさらに大きい社用車の方は商品や文書を運ぶことを主として各場を回っており、先ほど騒がしい音を立てながら庭の前を通って郵便物倉庫の中に入っていった。隣の部屋は夕方でもテッテッテーといった電信で情報を大雨がように叩き続けている音がしていた。忠実な大多数の職

¥280

『猿狩りへ』ヴー・チョン・フン短編翻訳(11)

 昔、私はまだ「猿狩り」とは何かをまだよく理解していなかった。しかし、幼少のころから、い…

280
古賀拓海
2年前
3

『自由』ヴー・チョン・フン短編翻訳(10)

 その日の夕方、女主人は足の裏全体にできた赤みを搔きむしりながら叫んだ。 「もうとっても…

360
古賀拓海
2年前
2

『自愛心』ヴー・チョン・フン短編翻訳(9)

 夫が帰ってくるのが見えると、彼女は急いで尋ねました。 「あなた、どうだった?彼女はまだ…

320
古賀拓海
2年前
2

『男の嫉妬』ヴー・チョン・フン短編翻訳(8)

 雄弁家が姿を現すのを待つにも飽き飽きしてきた頃、ジアオ・ダイはテーブルの上に雑誌を投げ…

400
古賀拓海
3年前
3

『権利の所有』ヴー・チョン・フン短編翻訳(7)

 青年は鏡の前に立ち、自らを眺めていた。首元のボタンを留め、服の両裾を撫でるとその出来栄…

280
古賀拓海
3年前
4

『CGCCCGF』ヴー・チョン・フン短編翻訳(6)

 芸術家コイ・キー(※瑰奇。珍しく、優れている様子を指す語)家は唯一無二の存在であり、誰一…

200
古賀拓海
3年前

『金歯』ヴー・チョン・フン短編翻訳(5)

 その老人はすでに齢80歳の頭となり、周りの人間を集めて、自分はもう三か月もしたら死のうと約束しておきながら、三か月の間、無神経にもずっとベッドの上を占領し横たわって、不満ばかりを漏らしては、そこで飯を食い、またあらゆる必要なことをそこで済ませてしまうのである・・・。  実にこの老人は非常にケチな人間で、臨終の時がやってくるまで、ヌックマムの壺を毎日のように確認し、ラッキョウを数えたかと思えば、夢中になって小金の一つまでも数え上げるほどのけちん坊なのであった。束ねた鍵は決して

¥120